税務調査チェックリスト|通知後から調査後までに確認すること

まずは、税務調査全体の流れと「今、自社がどこまで対応できているか」を把握することが大切です。
以下の表は、税務調査の通知を受けてから調査が終わるまでの進行状況を確認するためのチェックリストです。
印刷して活用するか、社内の担当者と共有して進捗を管理しましょう。
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時期 |
確認項目 |
完了欄 |
担当者 |
期限 |
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通知後 |
税務署からの通知内容(日時・対象期間など)を記録する |
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通知後 |
顧問税理士がいる場合は連絡し、調査への対応や立ち会いについて相談する |
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通知後 |
社内の調査対応担当者を決める |
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通知後 |
調査日時や場所を調整し、税務署へ回答する |
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準備中 |
申告書や帳簿などの基本資料を集める |
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準備中 |
会社特有の資料(給与明細や在庫表など)を集める |
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準備中 |
会計ソフトなどの電子データを準備する |
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準備中 |
集めた資料をもとに、税務上のポイントを確認する |
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準備中 |
もし資料不足やミスがあれば、税理士に相談する |
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当日 |
調査官への対応(質問の回答や資料提示)を記録する |
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当日 |
調査官から提示・提出を求められた追加資料を準備する |
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調査後 |
追加資料を提出し、調査結果(内容の説明)を確認する |
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調査後 |
指摘があった場合、修正申告(※税金を再計算し申告すること)に応じるか検討する |
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このリストの項目が順番に埋まっていけば、準備は順調に進んでいる目安となります。
関連記事:税務調査が入るとどうなる?法人の調査の流れ・結果・最初にすること
税務調査の通知を受けたら最初にすること
実地の税務調査では、原則として電話による口頭で事前通知が行われます。
連絡があった際は、まず以下の2つを確実に行いましょう。
ただし、事前通知をすると帳簿書類の破棄や隠匿などが行われ、調査に支障が出るおそれがあると判断された場合などは、事前通知なしで調査が行われることもあります。
通知内容を記録して税理士へ共有する
電話口の調査官(※税務調査を行う職員のこと)から伝えられる内容は、今後の準備のベースになる重要な情報です。手元にメモを用意して記録しましょう。
【電話で確認・メモすべき項目】
- 調査官の氏名と所属する税務署・部署
- 調査の目的
- 調査の対象となる税目(法人税、消費税など)
- 調査の対象となる事業年度や課税期間(例:「〇〇年〜〇〇年の3期間」など)
- 調査の開始日時
- 調査を行う場所(通常は会社の本店や事務所)
- 調査対象となる帳簿書類や資料
- 調査官が複数の場合は、代表者の氏名・所属官署と予定人数
顧問税理士がいる場合は、メモを取り終えたら内容を共有しましょう。
顧問税理士がいない場合でも、対応に不安があれば、税務調査の相談を受け付けている税理士事務所へ早めに問い合わせる方法があります。
専門家と情報を共有することで、今後の準備方針をスムーズに決めることができます。
調査日程と社内の担当者を決める
税務署から通知された日時や場所について、入院や親族の葬儀、業務上やむを得ない事情などがある場合は、変更を相談できます。
希望どおりに変更できるとは限らないため、事情を伝えて調査官と協議しましょう。
また、社内で誰がメインとなって対応するのかを決めておくことも大切です。
調査当日は、会社の事業内容や経理処理について説明できる人が対応できるよう、社内の体制を整えておきましょう。
関連記事:【寄稿記事】税務調査で差がつく「決算の質」―経理担当者が会社を守るための実務ポイント
法人の税務調査で準備する必要書類

日程が決まったら、対象となる期間の書類を準備します。
段ボールやファイルなどにまとめて、すぐに提示できるようにしておきましょう。
申告書・帳簿・請求書などの基本資料
業種にかかわらず、一般的に確認されやすい資料は以下の通りです。
- 法人税・消費税などの申告書控え
- 決算書
- 勘定科目内訳明細書
- 法人事業概況説明書
- 総勘定元帳(※取引を勘定科目ごとに記録した主要な帳簿)
- 現金出納帳(※現金の出入りを記録した帳簿)
- 売上や経費に関する請求書・領収書
- 取引基本契約書や賃貸借契約書など
これらは「申告した数字の根拠」となる資料です。月別や取引先別など、見やすく整理しておくと確認作業がスムーズに進みます。
預金通帳・給与明細・在庫表・固定資産台帳など会社ごとの資料
基本資料に加えて、会社の事業内容に合わせて以下の資料も準備します。
- 会社名義の預金通帳や取引明細(調査対象期間に使用したもの)
- 役員や従業員の給与明細・タイムカード
- 棚卸表・在庫管理表(※決算の日にどれだけ商品が残っていたかを示す表のこと)
- 固定資産台帳(※会社が持っている車やパソコンなどの資産リストのこと)
現金でのやり取りが多い店舗ビジネスなどの場合は、レジの記録や日報も用意しておくのが一般的です。
会計ソフト・メールなどの電子データ
紙の書類だけでなく、パソコン内のデータについても確認を求められることがあります。
- 会計ソフトのデータ
- 取引先とやり取りしたメールの履歴
- Excelで管理している売上表やシフト表
税務調査の連絡を受けた後に、調査に必要なデータを削除・隠匿・改ざんしたり、事実と異なる内容へ変更したりしてはいけません。調査対象と関係のない情報が含まれている場合は、自己判断で削除せず、提示する範囲を税理士や調査官へ確認しましょう。
電子データは、画面上で確認できる状態にするほか、印刷、記録媒体へのコピー、e-Taxやメールなどによって提出を求められる場合があります。
資料は事前通知で示された期間を中心に準備する
準備する書類の期間は、事前通知で示された期間を中心に揃えます。
ただし、確認のために必要がある場合は、通知された期間以外の資料を求められることがあります。
法人税関係の帳簿書類は、原則として確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります。
青色申告書を提出した事業年度に欠損金が生じた場合などは、10年間の保存が必要になることがあります。
過去のファイルもすぐに確認できるようにしておきましょう。
関連記事:税務調査の対策とは?法人が平時・通知後・当日・調査後にすること
資料をそろえた後に確認する税務上のポイント
書類が集まったら、自社の処理内容を見直します。
以下の表は、税務調査において確認されやすいポイントです。不明点や気になる点がないか確認してください。
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確認する項目 |
具体的なチェックポイント |
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売上の計上漏れと計上時期 |
・期末付近の売上が翌期にズレて計上されていないか ・事業用の口座以外に入金された売上を含めているか |
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仕入れ・外注費・経費の内容 |
・事業に関係のない個人的な支出が経費に含まれていないか ・取引の事実に基づく正確な処理ができているか |
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会社・社長・関連会社間のお金の流れ |
・会社から社長への貸付金など、資金の移動が適切に処理されているか ・関連会社との取引価格が適正に設定されているか |
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役員報酬・給与・外注費・源泉所得税 |
・役員報酬の金額変更が、ルールに沿って行われているか ・外注先への支払いが、実態として「給与」に該当しないか ・源泉所得税(※給料などから天引きして国に納める税金)を正しく納めているか |
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在庫・固定資産・修繕費 |
・期末の在庫数が正確に記録されているか ・修理や改装にかかった費用を修繕費にできるか、資産として計上する必要があるか |
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消費税・インボイス・電子取引データ |
・課税取引と非課税取引などの区分が適切か ・仕入税額控除の要件を満たしているか ・インボイス(※登録番号や税率ごとの消費税額など、一定の事項が記載された請求書等)や電子取引データを必要な方法で保存しているか |
資料不足や申告の誤りが見つかったときの対応

準備を進める中で、「領収書が見当たらない」「経費の区分を間違えていた」といったことに気づくことがあるかもしれません。
このような時は、資料を隠したり、事実と異なる内容へ変更したりしてはいけません。
仮装、隠蔽があったと判断された場合は、重加算税(※申告漏れなどについて、事実を隠したり偽ったりしたと判断された場合に追加される税金)が課されることがあります。
もしミスや書類の不足に気づいた場合は、事実関係を整理し、適切な対応を検討しましょう。
税理士へ相談することで、代わりになる資料がないか確認し、事実関係に応じた対応を検討しやすくなります。
税務調査当日から調査後までの対応
調査時間や日数は会社の事業規模や状況によって異なります。当日は落ち着いて対応することが大切です。
質問の意図を確認し、事実に沿って簡潔に回答する
調査官からの質問には、質問の意図を確認し、事実に沿って簡潔に回答しましょう。
記憶が曖昧なことに対して推測で答えるのは避け、「記録を確認してから後日お答えします」と伝えることも適切な対応の一つです。
また、後々の確認のため、以下の項目をノート等に記録しておくと安心です。
- どのような質問を受けたか
- 誰がどのように回答したか
- どの書類を提示したか
- コピーとして提出した書類は何か
追加資料の内容と提出期限、調査結果を確認する
調査の進行中や後日、取引の確認のために追加資料の提示・提出を求められることがあります。
追加資料の内容と提出期限をしっかり確認し、期日までに提出しましょう。
一連の確認が終わると、税務署から調査結果について説明があります。
申告内容に修正すべき点がないと判断された場合は、「更正決定等をすべきと認められない旨」の書面が交付されます。一般的には、この結果を「是認」と呼ぶことがあります。
修正すべき点があると判断された場合は、指摘された取引、税額、理由などについて説明が行われます。
修正申告は手続きへの影響を確認して判断する
もし申告の内容に誤りがあり、税務署から指摘を受けた場合は、調査結果の説明とともに「修正申告」を勧められることがあります。
修正申告を行う場合は、不足していた本税を納付します。申告の経緯や内容によっては、加算税や延滞税が発生することもあります。
修正申告の勧奨に応じるかどうかは、納税者が判断します。
勧奨に応じなかったことだけを理由として、修正申告に応じた場合より不利な扱いを受けることは、基本的にはありません。
ただし、税務署が調査結果に基づいて、更正処分を行うことがあります。
なお、自ら修正申告を提出した場合は、その申告自体について通常の不服申立てはできません。
後から税額が多すぎたことが分かった場合は、一定の要件を満たせば「更正の請求(※申告した税額を減らすよう求める手続き)」を検討できます。
提出前に、指摘内容や税額、手続きへの影響を税理士と確認しましょう。
関連記事:更正の請求書を提出するデメリットは?しないとどうなるかについて解説
法人の税務調査チェックリストに関するよくある質問
ここでは、税務調査についてよくいただく質問にお答えします。
通知された期間より前の資料も確認されますか?
事前通知で示された期間が主な対象となりますが、調査の進行状況や確認の必要性に応じて、通知された期間以外の過去の資料の提示を求められる場合があります。
念のため、保存義務のある過去の資料も確認できる状態にしておきましょう。
社長個人名義の通帳も確認されますか?
事業との関連性が疑われる場合は、社長個人の通帳の提示を求められることがあります。会社と社長個人との間で資金のやり取りがある場合などが該当します。
提示を求められた際は、その理由と対象範囲を確認しましょう。
顧問税理士がいなくても立ち会いを依頼できますか?
税理士事務所によっては可能です。現在、顧問税理士がいない場合でも、税務調査の立ち会いを単発で受け付けている事務所があります。
ただし、対応の可否や費用、依頼できる業務の範囲は事務所によって異なるため、早めに確認しましょう。
税務調査は専門的な手続きが多いため、不安がある場合は専門家のサポートを受けることを検討してみてください。
関連記事:会社が税理士を雇わないリスクは?税理士なしで法人決算をする方法と費用を抑えるポイント
関連記事:顧問税理士はいらないのか?会社が最低限身につけるべき知識
まとめ|税務調査の対応に不安がある場合は税理士へ相談する

法人の税務調査は、全体の流れを把握し、必要な資料を整理することで、落ち着いて対応しやすくなります。
今回ご紹介したチェックリストを活用し、次の内容を社内で整理しましょう。
- 誰が税務調査の窓口になるのか
- どの資料を準備するのか
- いつまでに準備するのか
- 不明な処理や不足している資料はないか
通常業務を行いながら、過去の資料を整理し、税務上の確認事項をすべて自社で調べるのは負担がかかります。
「経費の処理に不安がある」
「資料が不足している」
「調査官へどのように説明すればよいか分からない」
このようなお悩みがある場合は、早めに税理士へ相談することも一つの方法です。
石黒健太税理士事務所には、税務署での勤務経験を持つベテランスタッフが在籍しています。税務署側の視点も踏まえながら、事実関係の整理、事前準備、調査当日の対応をサポートします。
京都府内で会社を経営されている方で、税務調査の通知を受けてお困りの場合は、分かる範囲で通知内容や現在の状況を整理してご相談ください。
税務や経営のお悩みは、石黒健太税理士事務所へお気軽にご相談ください。HPのお問い合わせフォームからは、お電話・メール・LINE・Chatworkの中から、お好きな方法でご連絡いただけます。
