税理士は無料相談でどこまで対応してくれる?電話相談はおすすめできない理由と有意義にするポイント
税理士の無料相談は、お金をかけずに税金の相談をしたい人にはふさわしい方法です。頼れる顧問税理士がいない場合は、無料相談を利用して税理士との相性を確認することもできます。
ただし、無料で相談できる内容には限りがあります。この記事では、税理士の無料相談ではどこまで対応してもらえるのかと、電話相談や税務署の無料相談がおすすめできない理由を解説します。無料相談を有意義な時間にするために、ぜひ参考にしてください。
目次
- 税理士は無料相談でどこまで対応してくれる?
- 相談時間は30分ほど
- 有料相談の目安は30分5,000円から
- 税理士以外の士業との違い
- 事前予約が必要なことがある
- 税理士に無料で相談できること
- 税務に関する一般的なこと
- 相続税や贈与税
- 開業や起業
- 融資や資金繰り
- 補助金や助成金
- 税理士が無料相談では対応が難しいこと
- 複雑な税務相談
- 事業承継や相続税対策
- 具体的な書類作成
- 税務調査の立ち合い
- 継続的な相談
- 税理士と電話による無料相談はおすすめできない理由
- 情報共有が難しい
- 相談内容を聞かれる恐れがある
- 対面による相談よりも時間がかかる
- 細かなアドバイスは期待できない
- 税務署の無料相談が危ないと言われる理由とデメリット
- 回答が誤っている可能性がある
- 節税に関するアドバイスは期待できない
- 相談日程が限定される
- 継続的な相談やフォローアップがない
- 予備知識が必要になる
- 税理士との無料相談を有意義にするポイント
- 相談内容と目的を明確にする
- 相談内容に適した税理士に相談する
- 質問リストの作成をする
- 必要書類を準備する
- 優先順位をつけて相談する
- 不明点は遠慮せずに質問する
- 税金の悩みや不安は気軽に相談を!
税理士は無料相談でどこまで対応してくれる?
税金に関して知りたいことや専門家に確認したいことがあるときは、税理士の無料相談が便利です。通常、無料相談は30分程度の短い時間で行われることが多く、一般的な内容がメインになります。
税理士を探している人にとっては、円滑なコミュニケーションが取れるかなど、相性を確認する場としても有効活用が可能です。これから無料相談を利用する人のために、まずは概要を解説します。
相談時間は30分ほど
税理士の無料相談は30分程度の時間で設定されている場合が多いです。限られた時間の中で相談者の悩みや知りたいことを聞き取り、可能な範囲でアドバイスします。
相談内容が複雑で、限られた時間内で十分な対応が難しい場合は、無料相談を断られてしまう可能性もあります。また、無料相談で対応できる範囲を超える問題に関しては、有料サービスの利用を提案されることが一般的です。
たとえば、相談するだけでなく資料の収集や書類作成も依頼する場合や、継続的なサポートを要する場合、より具体的なアドバイスをもらいたい場合などは、無料相談での対応は難しいと言えます。
あくまでも一般的な回答になることを理解した上で、聞きたいことを絞り込んでおくことで、無料相談を有意義に活用できます。
有料相談の目安は30分5,000円から
一般的な内容を超えた具体的なアドバイスや複雑な相談については、有料となるケースは珍しくありません。税理士の有料相談の相場は、30分あたり5,000円から1万円程度とされています。
税理士が相談者の状況を詳しくヒアリングし、解決策を提案するためには時間がかかります。相談内容が非常に複雑であったり、他の顧客対応で時間が取れない場合、無料相談を断られるかもしれません。具体的な無料相談で対応が難しい内容については後述します。
税理士以外の士業との違い
税理士は税務の専門家です。税務の手続きを代理で行うこと、税務書類を作成すること、税務相談を受けることの3つは税理士のみが行うことができる業務です。
弁護士や司法書士など、士業にはさまざまな種類があり、それぞれ相談できる内容が異なります。専門外の相談を受けることはできないため、まずは相談者のお悩みが税理士に相談するのが適切かどうかを確認する必要があります。
相談できること |
|
弁護士 |
法律相談、紛争解決(交渉、示談、調停、訴訟) |
司法書士 |
不動産登記、商業登記 |
社会保険労務士 |
社会保険・労働保険関係の手続き、労務管理 |
行政書士 |
許認可申請、補助金申請、契約書作成 |
税理士に相談をする中で、必要があれば他の士業と連携する場合もあります。たとえば、会社設立の際に税務に関する届出をするのは税理士ですが、設立登記をするのは司法書士です。また、状況によっては最初から他の士業に相談することを勧められることもあるでしょう。
事前予約が必要なことがある
税理士への無料相談は、事前予約が必要なケースがほとんどです。年末調整、確定申告、法人の決算などが立て込む時期は予約が取りにくくなります。書類提出や申告の期限が迫ってから慌てて相談しようと思っても、なかなか予約が取れない場合もあります。余裕をもって相談するのがおすすめです。
石黒健太税理士事務所では、無料相談を通じて、税金や経営に関するお悩みを解決するお手伝いをしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
税理士に無料で相談できること
税理士が無料相談で対応できる範囲には限りがありますが、税金に関する一般的な質問や、初めて税理士に依頼する場合の基本的な情報収集のためには役立ちます。具体的に無料で相談できる内容を解説します。
税務に関する一般的なこと
所得税や消費税の仕組み、申告の方法など、税務に関する一般的なことであれば、無料相談の中で回答してもらえるでしょう。起業したばかりで税務の基本的な流れを知りたい人や、確定申告のしかたがわからない人は、まずは無料相談で聞いてみるのがよいと言えます。
無料で相談できるのは、一般的な内容に限られます。もっと具体的なお困りごとを解決したい場合や、書類を作ってもらいたい場合、書類や帳簿を詳しく参照しないと回答が難しい複雑な事例などでは、有料での対応となる可能性があります。
相続税や贈与税
相続税や贈与税も無料相談で相談されることが多い分野です。事前の相続対策として、相続税に関する特例や控除の基本を知りたい人や、相続が発生してどのような手続きが必要かわからない人は、無料相談で一般的な内容を質問して情報を整理できます。
具体的な節税対策や相続税の計算となると、無料相談では対応できないでしょう。相続関係を整理し、相続または贈与する財産の全容を把握しないことには的を射たアドバイスをするのが難しいからです。必要に応じて有料のサービスに切り替えることも選択肢のひとつです。
また、相続に争いがある場合には、相続税の申告などよりも先に紛争解決が必要となるため、まずは弁護士に相談するのがおすすめです。
開業や起業
これから事業を始めようと思っている人は、開業手続きや税務処理を避けて通ることはできません。「開業時はどのような届出が必要か」「法人を設立した方がよいのか」「消費税はいつから申告すればよいのか」など税務の基本に不安がある場合は、無料相談を確認の場として利用できます。
また、開業後の税務処理や記帳の方法についてもアドバイスを受けることができます。税理士に聞きたいことのリストと、事業の概要を説明する簡単な資料を用意しておくと相談の時間を効率的に使えるでしょう。
まずは無料で相談して税理士との相性を確認してから、やはり書類の作成も依頼したい、継続的なサポートを依頼したいと思った場合に、有料サービスを依頼する方法もあります。
関連記事:京都の起業相談はどこでする?失敗例や対策・内容について解説
融資や資金繰り
税理士によっては、融資や資金繰りに関しても無料で相談できる場合があります。融資の相談先や、事業計画書の基本的な作成方法についての一般的な質問には対応してもらえることが多いです。
融資の申請手続きや、詳細な財務分析を伴う資金繰りの提案となると、無料相談の範囲を超えてしまう可能性があります。事前に財務資料やキャッシュフロー計画を準備しておくことで、無料相談の範囲内で的確なアドバイスを受けることができます。
融資や資金繰りに関する相談は、専門外で対応してくれない税理士もいます。実績があり、積極的に融資や資金繰りの相談を取り扱っている税理士に相談する方が格段に安心感があります。相談する税理士の実績や対応業務を確認しておくことが重要です。
関連記事:融資に強い税理士の特徴は?探し方と資金不足の改善について解説
補助金や助成金
開業準備中の方や、新たな事業展開を検討している経営者の方は、補助金や助成金に関するアドバイスをもらうために無料相談を利用するケースもあります。利用可能な補助金や助成金の種類や、申請の基本的な流れなどを教えてもらうのが一般的です。
しかし、補助金や助成金は業種や地域によってさまざまな種類があり、頻繁に内容が変更されるため、日ごろから最新情報を確認していないと対応が難しい分野です。補助金申請サポートのサービスを行っていない税理士もいるため注意が必要です。
税理士が無料相談では対応が難しいこと
相談内容によっては、無料相談では対応が難しいこともあります。無料相談で対応できない場合は、スポットのサービスを利用する、顧問契約を結ぶなどして有料で対応してもらうことが可能です。一般的に、無料相談では対応できないことを5つ紹介します。
複雑な税務相談
無料相談の限られた時間の中で、複雑な税務相談を解決に導くのは困難です。
相談の際は、相談者から詳しい情報を提供してもらった上で、税理士が解決策を提案したり、具体的なアドバイスをしたりします。複雑な相談内容の場合は、ヒアリングも説明も時間をかけて丁寧に行う必要があり、無料相談の中で完結させるのが難しい場合が多いです。
一問一答とはいかないような複雑な内容であれば、無料相談はあくまでも税理士へ相談する際の入口と考えるのがよいでしょう。短時間の無料相談を利用して、この税理士は理解してくれそうだ、良いアドバイスがもらえそうだと感じたら、その先の有料サービスを利用することもできます。
関連記事:個人が税理士に相談できることの具体例とは?打ち合わせをスムーズにするポイント
事業承継や相続税対策
事業承継や相続税対策のためには、保有する財産の価値を調べたり、生前贈与を検討したりと、高度な専門性と時間を要します。
対策を講じるタイミングや財産の状況に応じて、複数回の打ち合わせやプランニングを経て方針を決める必要があります。30分程度の無料相談の時間内には、とても結論の出せるものではありません。
事業承継や相続税対策の相談をする場合は、初めから有料相談を視野に入れ、丁寧に対応してくれる専門の税理士を選んだほうが安心と言えます。
具体的な書類作成
無料相談の中で税理士に具体的な書類を作成してもらうのは現実的ではありません。法人税や所得税の申告書、相続税の申告書などの正式な税務書類の作成は、時間と手間がかかります。
税務の専門家なのにすぐにできないの?と思う人もいるかもしれませんが、専門家だからこそ根拠となる資料をきちんと揃え、細部まで丁寧に確認して書類を作成するのです。
無料相談では、書類の書き方や必要な添付資料などを教えてもらうことはできますが、書類の収集や作成を税理士に依頼する場合は別途費用が掛かります。申告書以外にも、事業計画書や補助金の申請書を作成してもらう場合も同様です。
書類の作成まで税理士に依頼しようと考えている場合は、早めに正式な依頼をして、提出期限に間に合うようにスケジュールを確保することが重要です。
関連記事:事業計画書のスムーズな作り方とは?わかりやすい方法を解説
税務調査の立ち合い
税務調査への立ち合いも、無料相談では対応が難しい領域です。税務調査は、税務署が納税者の申告内容を確認する重要な場面であり、専門知識と経験が求められます。
税務調査の対応には過去の申告内容や帳簿の精査が必要なため、事前準備にも多くの時間と労力がかかります。また、税務調査自体もすぐに終わるものではなく、1~3日かかるのが一般的です。
税理士が調査に立ち会うことで、税務署との交渉や説明をスムーズに進めることが可能になりますが、顧問契約を結んでいない場合、税務調査への立ち合いのみの依頼は断られる可能性もあります。
税務調査を乗り切るためには、早めに税理士と正式契約を結び、万全の準備を整えることが大切です。
継続的な相談
無料相談は基本的に単発の相談に限られるため、継続的なサポートが必要な場合には顧問契約の締結が必要になるケースがほとんどです。
毎月の記帳指導や決算のサポート、税務や経営に関する最新情報の提供などの継続的なサポートは、顧問契約をして初めて可能になります。顧問料はかかりますが、税務の効率化や長期的な節税効果を期待できます。
税務はすべて税理士に任せて事業に集中したい経営者の方などは、無料相談で税理士が信頼できるか見極めて、長期的なサポートを検討することをおすすめします。
石黒健太税理士事務所では、初回相談後もご希望があれば顧問税理士として継続的にサポートいたします。無料相談を実施していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
税理士と電話による無料相談はおすすめできない理由
電話で無料相談ができるサービスを行っている税理士もいます。出かけなくても気軽に相談できるというメリットはありますが、税務の相談方法としてはあまりおすすめできません。具体的なアドバイスが欲しいと考えている人は特に、電話相談のデメリットを把握した上で相談方法を検討しましょう。
情報共有が難しい
電話相談では、基本的に必要な情報はすべて口頭で伝える必要があります。資料やデータを共有したほうが具体的なアドバイスがしやすいことは言うまでもありません。
また、税理士側も、説明の補助資料として図や計算式を示したり、実際に記入が必要な用紙を見せたりすることができません。複雑な説明をするのは難しく、一般的な回答となるでしょう。
的確なアドバイスをもらうためにも、税務相談はできるだけ対面での相談を選ぶか、オンライン相談で資料を画面共有できる環境を整えることをおすすめします。
相談内容を聞かれる恐れがある
電話での相談は、プライバシーの面で安全とは言えません。税務相談で取り扱う内容は、個人や会社の財産や収入に関わることなどです。相談内容が具体的であればあるほど、安心して話せる環境が必要になります。
電話では周囲の人に相談内容を聞かれる可能性があるため、詳しい事情を話しづらい、本当に話したいことが話せないと感じる方もいます。電話相談に不安を感じる場合は、プライバシーが保たれた環境での対面相談を選ぶ方が、より効果的なアドバイスを得られるでしょう。
対面による相談よりも時間がかかる
電話相談では、相談の前提となる情報を税理士と共有するだけで多くの時間を費やしてしまうことがあります。税理士側が相談内容を正確に把握できなかったり、相談者に説明がうまく伝わらなかったりして、やり取りが長引く場合も少なくありません。
複雑な内容の相談は特に、資料を見ながら具体的に話を進めた方が短時間で済みます。限られた時間を有効に使うためには、最初から対面またはオンラインでの相談を選ぶ方が効率的です。
細かなアドバイスは期待できない
電話相談では、税理士が状況を詳細に把握するのが難しく、細かなアドバイスが得られない場合があります。特に、開業準備や事業計画、相続対策などの綿密な計画が必要な相談では、電話相談だけでは限界があるでしょう。
相談者が求めているのは、資料やデータを基にした具体的な提案である場合が多いのですが、電話相談では情報のやり取り自体が難しいため、一般的な回答になってしまう可能性があります。
税務署の無料相談が危ないと言われる理由とデメリット
税務署でも税金に関する相談ができます。公的機関によるサービスで、何度利用しても無料なので安心して利用できるイメージがあります。書類の記入方法がわからないときなどは、お金をかけず気軽に相談できて便利です。
しかし、実際には税務署の無料相談にはいくつかのデメリットがあります。税務署の無料相談が「危ない」と言われる理由はどのような点にあるのでしょうか。
回答が誤っている可能性がある
最も注意が必要なのは、税務署の回答が誤っている可能性がある点です。税務署の職員は税務に精通していますが、相談内容によっては十分な知識や経験がなく、具体的な相談に対応しきれないこともあります。
個別のケースについてのアドバイスが欲しくても、税法に基づいた一般的な回答しか得られず、相談者の状況に合わない可能性もあります。また、税務署員でも間違えることはあるので、場合によっては誤った情報を提供されるリスクもあるのです。
税務署で聞いたとおりに申告して誤りがあった場合でも、税務署が責任を取ってくれないケースもあります。税務署の無料相談で聞くのは一般的な質問にとどめ、専門的な内容は税理士の意見を聞いたほうが安心です。
節税に関するアドバイスは期待できない
税務署は納税者の適切な申告をサポートする目的で相談を受け付けています。税金を公平公正に徴収するのが仕事ですから、節税のアドバイスは基本的に行いません。
たとえば、事業承継における節税方法や相続税対策について質問しても、法律に基づいた一般的な対応以上のことは教えてもらえないと思った方がよいでしょう。積極的に節税したいと考えている場合は、税務署ではなく税理士に相談することをおすすめします。
税理士であれば、相談者にとってメリットが大きい節税方法を具体的にアドバイスできます。
相談日程が限定される
税務署の無料相談は、多くの場合、税務署が開いている平日の日中に限られます。仕事や家庭の都合で平日の昼間に時間が取れない人には不便です。
また、確定申告の時期は相談したい人が多いので、なかなか予約が取れないこともあります。税務署が確定申告会場を開設するなどして対応していますが、確定申告書作成のサポートがメインなので、個別具体的な相談がある人は利用しにくいのが現状です。
継続的な相談やフォローアップがない
税務署の無料相談は、基本的に単発の利用を想定しているため、継続的なサポートやフォローアップは期待できません。何度も相談することは可能ですが、同じ担当者に相談できる保証はなく、「前回の続きの相談」はできないと考えた方がよいでしょう。
継続的なサポートが必要な場合は、何度も税務署に足を運ぶより、税理士と顧問契約を結ぶ方が望ましいでしょう。費用はかかりますが、クライアントの個別の事情をよく理解している担当税理士にいつでも相談できる安心感があります。
また、税理士によっては税務だけではなく事業計画や融資など多岐にわたるアドバイスも可能です。
予備知識が必要になる
税務署では、法令に基づいた説明をしてくれますが、専門用語や法律を知らない人にとっては理解が難しいものです。税法の条文や税計算のプロセスの説明を受けても、聞きたいことの答えはわからないまま終わってしまう場合もあります。
この点、税理士は専門的なことをかみ砕いて説明してくれるため、相談者の経験や知識に応じて言葉を選んでわかりやすく説明します。
石黒健太税理士事務所では、専門知識がなくても納得感と安心感を感じていただけるよう、丁寧な説明を心がけています。税務に限らず、お客様のニーズに合わせて幅広いサポートをご提案することが可能です。まずはお気軽にご相談ください。
税理士との無料相談を有意義にするポイント
無料相談の限られた時間を最大限に活用するためには、事前準備が大切です。せっかく相談に行くのですから、聞きたいことをきちんと聞いて、的確なアドバイスをもらいたいものです。
ここからは、相談したい内容を明確にして、あらかじめ質問リストを作っておくなど、相談をスムーズに進めるためのポイントをご紹介します。
相談内容と目的を明確にする
無料相談を有意義な時間にするための第一歩は、何のために相談に行くのかを明確にすることです。
目的があいまいなまま相談に行くと、適切なアドバイスをもらうのが難しくなります。うまく質問できないまま時間が過ぎてしまい、本当に知りたかったことについてのアドバイスはもらえなかった、という結果に終わるのは避けたいものです。
たとえば以下のように、大まかに何を目的として相談に行くのかを整理しましょう。
・開業時に必要な届出の種類と、書類の記入方法を確認したい
・事業の資金繰りについて相談したい
・相続税の節税方法について知りたい
何について相談したいのかがはっきりしていれば、税理士もアドバイスの方向性を定めやすくなります。
相談内容に適した税理士に相談する
税理士には、それぞれ得意分野や専門分野があります。たとえば、法人税や会社設立に詳しい税理士、融資支援や資金繰り相談に強い税理士、相続専門の税理士、飲食店経営に特化した税理士などです。
逆に、専門分野ではない業務については相談を受け付けていない場合もあります。相談内容に適した税理士に依頼することで、より的確なアドバイスを得られる可能性が高まります。ホームページなどで対応業務や実績を確認し、自分の相談したい内容に合った税理士を選ぶことが重要です。
関連記事:自社にあった税理士の探し方は?気をつけることを税理士目線で解説
質問リストの作成をする
限られた時間の中で効率よく相談を進めるために、具体的な質問のリストを作成しておくとよいでしょう。税理士としては、クライアントが「何がわからないのか」「何を知りたいのか」がより具体的にわかると、アドバイスがしやすいです。
「確定申告について知りたい」といった広い質問をするよりは、「青色申告と白色申告の違いは何か知りたい」「青色申告を始める手続きが知りたい」など、より具体的な質問を投げかけると、知りたいことにピンポイントで答えをもらえます。
また、質問リストがあれば、意にそぐわない方向に話が脱線してしまうことを防ぎ、時間内でできる限り必要な情報を網羅することができます。うまく伝えられるか不安な場合は、相談の際にリストを持っていき、税理士に見せながら相談を進めるのも手です。
必要書類を準備する
より適切なアドバイスをするために、書類を参照した方がよい場合もあります。事業に関する相談であれば事業計画書や資金繰り表など、相続の相談であれば財産の内容や相続関係のわかる資料などが必要になることがあります。
資料がないと、事業の状況や相続関係など必要な情報の聞き取りだけで多くの時間を費やしてしまいます。また、正確な情報がなければ具体的なアドバイスが難しい場合も多いものです。
必要な書類が揃っていれば、必要な情報を口頭で逐一確認する手間がなくなり、相談が有意義なものになります。相談者としても、書類を見せるだけで複雑な情報を説明せずに済むので安心です。事前に電話やメールで、どのような書類を持参すればよいかを確認しておきましょう。
優先順位をつけて相談する
無料相談では、すべての質問に時間内で回答してもらうことは難しい場合があります。そのため、あらかじめ質問の優先順位をつけておくことが大切です。
たとえば「開業後に月次・年次でやること」を最優先で聞き、その次に「節税対策」や「税務調査への対応」を聞く、というように整理しておきましょう。
優先順位をつけることで、最も聞きたい事項については確実に聞くことができます。質問リストを優先順に作成して税理士に示すなどして、今回の相談で聞きたいことの見通しを共有するのもよいでしょう。
不明点は遠慮せずに質問する
相談中に不明点や疑問に思ったことがあれば、遠慮せずにその場で質問しましょう。もしわからない用語が出てきた場合は、その都度確認してよいのです。質問に対する対応によって、今後継続的に依頼するかの判断材料にもなります。
話が腑に落ちないまま先に進んでしまうと、せっかく相談してもアドバイスを活かしきれない恐れがあります。後から聞こうと思っていたのに時間がなくなって聞けなかった、という事態にならないように、不明点はうやむやにせず、納得いくまで質問することを心がけましょう。
関連記事:いい税理士はすぐわかる?面談やホームページで見極めるポイントを解説
税金の悩みや不安は気軽に相談を!
税理士の無料相談は、税金に関する悩みを気軽に相談したい人や、税理士を探していて比較検討したい人にとって利用しやすいサービスと言えます。無料相談の限られた時間をより有意義なものにするために、相談先の税理士選びや事前準備をしっかり行うことが大切です。
税理士の電話相談や税務署の無料相談などのサービスもありますが、手軽な反面、デメリットやリスクがあります。具体的なお悩みに納得感のある答えが欲しい場合は、税理士に相談するのが安心です。
石黒健太税理士事務所では、無料相談を受け付けています。まずはお気軽にご相談ください。