補助金・助成金

キャリアアップ助成金とは?概要や変更点をご紹介!

目次

みなさん こんにちは!
いつも、当ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

コロナ禍の制限が解除されたこの春、当事務所は京都駅からすぐの立地となっており、観光客の方がたくさんおいでになり、かつての賑わいを取り戻しつつあります。皆様の地域はいかがでしょうか?

さて、今回は、「キャリアアップ助成金」について解説していきたいと思います。

「聞いたことがあるけど、どういうものなの?」「申請方法は?」「審査が厳しくなったと聞いた」
色々な情報がありますが、本日はキャリアアップ助成金の中でも活用する企業が多い「正社員コース」を見ていきましょう。

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期雇用労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するために、正社員化や処遇改善の取組を実施した事業主に対して、その負担の一部を国が補助してくれる助成金です。

支給申請までの流れ

●キャリアアップ助成金の活用に当たっては、各コース実施日の前日までに「キャリアアップ計画」(労働組合等の意見を
聴いて作成)等を作成し、提出することが必要です。
●制度の見直し等によりその都度支給申請様式の改定を行っています。支給申請様式や支給金額は、各コースの取組を
行った日で変化しますので、支給申請を行う際は、該当の様式のダウンロードが必要となります。

(引用:厚生労働省 キャリアアップ助成金)

内容を簡単にまとめると、
①非正規雇用(アルバイトやパートなど)の有期労働者を、企業内でのキャリアアップを促進するために行った処遇改善を
実施した事業主に対して助成するもの
②申請にはまず、「キャリアアップ計画」(各コース実施日の前日までに)等を作成及び提出することが必要
③転換日を基準として前後6ヶ月の賃金を比較し、上昇率が規定をクリアすること

以上の3点がポイントとなります。

キャリアアップ助成金 正社員コースについて

正社員化コースは、従業員を就業規則等に規定した制度に基づいて、「非正規雇用⇒正規雇用」に転換した場合に支給されます。
働く従業員のエンゲージメントの向上や能力向上、また、事業の生産性を高めて優秀な人材を確保することを目的としているため、「社員の雇用がなかなか定着しない」や「人手不足の状況から抜け出せない」などで困っているときにぜひ活用いただきたいです。

助成金の支給額は、正規雇用に転換する前の雇用形態が有期雇用or無期雇用で異なるので注意が必要です。

⚠超重要⚠令和4年10月1日改正以降の正社員化コース

キャリアアップ助成金「正社員化コース」には、令和4年10月以降いくつか改正がありました。
概要は以下の通りですが、どこが変わったのか、変更点を見ていきましょう(詳しくはこちら)。

 

ポイントは以下の3点です。
①「有期⇒無期」への転換廃止
②正社員定義の変更
③非正規雇用労働者定義の変更

それぞれについて解説していきます。

①「有期⇒無期」の廃止


以前は、正規雇用を前提とした試用期間中の場合、正社員と同じ待遇がされていない場合のみ、正規雇用労働者とは見なされないこととなっていました。

しかし、今回の改正で、試用期間中の待遇に関係なく、正規雇用を前提とした試用期間中の場合はすべて無期雇用の労働者と見なされます。

そのため、正規雇用に転換したといっても転換後に一定の試用期間を設けた場合、「有期雇用⇒正規雇用」の転換でなく、「無期雇用⇒正規雇用」の転換扱いとなるため、支給額が前者より少なくなってしまうため注意が必要です。

②正社員定義の変更


正社員の定義についての変更点としては、「賞与または退職金制度」かつ「昇給」のある正社員への転換が必要となったので、就業規則に「賞与または退職金制度」と「昇給時期」の記載が必須となりました。

<就業規則のポイント>
賞与 原則支給をするという内容でないと✕

【記載例】
〇:賞与は正社員に対して原則として毎年〇月に支給する
✕:賞与の支給は会社の業績により支給することがある

昇給 客観的な昇給降給の基準がないと✕

【記載例】
〇:毎年1回〇月に勤務成績の良好な従業員に対して行う
✕:会社が必要と判断した場合には昇降給を行う

③非正規雇用労働者定義の変更

契約社員・パートの「契約期間の定め」と、「基本給」 「賞与」 「退職金」 「各種手当等」で、
1つ以上正社員と契約社員やパートについて賃金額や計算方法が異なる制度を定めることが必要です。

<ポイント>
必ず就業規則に「正社員」 「契約社員」 「パート」の区別がわかる「適用範囲」の記載が必要

【記載例】
〇:正社員は月給 パートは時給 で支給する
✕:正社員は月給 パートの賃金は個別の雇用契約書による

【記載例】
契約社員・・期間の定めにある雇用契約を結んだ従業員で契約期間は1年とする
パート・・補助的な業務をする期間の定めのある雇用契約を結んだ従業員で、契約期間は1年とする

〇:契約社員の雇用契約期間は6ヶ月とする
✕:契約社員は期間の定めにある雇用契約である

まとめ

言い回しが難しく、理解するのが難しい内容ですよね。

★支給対象となる人
就業規則に正社員の定義が記載してあり、その定義とおりの正社員が対象となる

「賞与」または「退職金制度」+「昇給」が適用されている者に限る
※ただの正社員転換だけでは✕

正社員と異なる雇用区分の就業規則等の適用を6ヶ月以上受けて雇用している有期or無期雇用労働者
※正社員と全く同じ給与、計算方法での運用は✕

キャリアアップ助成金をはじめ、様々な助成金や補助金を上手く利用するには、事前の準備がとても大切です。
すぐに利用する予定はなくても、今一度、自社の就業規則を見直してみてはいかがでしょうか。

今回の改正でキャリアアップ助成金の内容も今まで以上に複雑になっています。
自分で申請して最終的に助成金が受けられなかったというケースもありますので、自社が要件に該当しているのか、該当していない場合はどのようにすればいいのかを専門家に相談してみましょう。

弊社でもキャリアアップ助成金の申請代行を行っておりますので、わからないことなどがあれば一度相談していただければと思います。

本記事は、大切な箇所を中心に書きましたので、詳細につきましては、厚生労働省のサイトにてご確認くださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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