【DX】京都の企業によるクラウド会計の導入事例インタビュー
目次
心理学・情報科学の融合から生まれた大学発ベンチャーである「株式会社京都テキストラボ」では、クラウド会計の導入を軸にバックオフィスのDX化を推進されました。
本記事では、京都テキストラボの皆さんにお話を伺った導入事例をインタビュー形式でご紹介します。クラウド会計を導入したきっかけ、会計に加えて各システムを用いたバックオフィスの業務変革(ビフォーアフター)等、京都でDX化を検討している企業様はぜひご覧ください。
【株式会社京都テキストラボの公式WEBはこちら】→https://www.kyototextlab.com/
インタビュー企業:株式会社京都テキストラボ 小泉様、河原様、松尾様
インタビュアー:石黒健太税理士事務所 上之園
クラウド会計を導入したきっかけは?
本日はよろしくお願いいたします。実際に取り組んで良かったことも悪かったことも全て、皆さんと共有していきたいと思います。早速ですが、クラウド会計を導入したきっかけを教えてください!
クラウド会計の導入を考え始めたのは、当社が2期目の決算期を迎えた頃でした。まだバックオフィスとして確立した業務フローがなく、試行錯誤しながら事務作業をしている状況でした。
会計を中心にバックオフィス業務を担当する事務員さんは兼業で、他の勤務先の仕事もあり忙しいなか、ずっとその方頼りになってしまっていました。事務の負担軽減のために、自動化できることは自動化しよう!と思ったことがきっかけとなり、クラウド会計の導入を決めました。
初めての打合せでお伺いした時に、これは忙しいですね!とお話をした記憶があります。そのため、御社のバックオフィスを、業務が確立されていて(=標準化)、誰でもできる(=脱属人化)体制にすることを目標に、当事務所としてご支援を進めてきました。
そこで、標準化・脱属人化されたバックオフィスに向けて、クラウド会計と合わせて、全般的にクラウドシステムを導入し、DX化を検討していきました。
クラウド会計+各システムの「ビフォーアフター」事例
①マネーフォワードクラウド会計
- ビフォー
記帳代行を外注していたため、月に一度の資料提出と税理士事務所からの問合せ対応だけで良かったものの、試算表を把握するまでにタイムラグがありました。そのため、細かい取引内容を確認したい時に、すぐに見られない(税理士事務所へ問い合わせる必要がある)ことがありました。
- アフター
自計化(=自社内で会計データ入力をし、試算表をつくること)に成功しました。税理士事務所には月に一度の監査を依頼し、毎月の試算表を作るという流れができました。
今まで個人事業主として帳簿を付けたことはありましたが、法人の会計は見たことがありませんでした。でも、過去の仕訳にないタイプの取引が出てきたときには、石黒事務所さんに教えていただいているということもあって、過去の仕訳を見ながら今は自社内で頑張ることができています。
また、作業時間はまだ正確には計れていませんが「すぐ!」という印象で、簡単にできるようになりました。
- 「マネーフォワードクラウド会計」導入のヒント
1.ネットバンキングやクレジットカードの導入と連携
2.小口現金の撤廃と経費精算制度(マネーフォワードクラウド経費)の導入
3.「マネーフォワードクラウド請求書」の導入と連携
以上の環境整備により、手入力を無くす(連携する)ことで、「マネーフォワードクラウド会計」へ情報が集約される体制をつくることが導入成功のポイントです。
②マネーフォワードクラウド請求書
- ビフォー
毎月ワードとエクセルで請求書を作成していました。毎月同じ請求をする取引先もありますが、毎回同じ請求書を作成し、日付を変えて先方へ送付していました。
また、ワードとエクセルで作成しているため、1人で作業を進めなければいけない状況でした。
- アフター
毎月同じ請求をする取引先の請求書は、自動生成機能を使って作成し、チェックするだけになりました。
また、同じ内容ではない場合でも、毎月請求がある取引先のものは自動生成機能を使って作成し、それを土台にして河原さんが一部を変更する作業をします。そして、最終チェックは松尾さん、と業務を分業化することに成功しました。
元々、松尾さんの業務が増えたことがきっかけで、請求業務に携わることになりました。
実は、「マネーフォワードクラウド請求書」で作成した請求書を郵送しなくて良いお客様に郵送手配をしてしまったことがありました。その時、松尾さんが「マネーフォワードクラウド請求書」の画面で「郵送済」の印がついていることに気が付き、手配を中断することができました。
「マネーフォワードクラウド請求書」では、請求書毎にどのような状況なのか一目でわかる工夫がされていて、そのおかげで情報共有が楽になり、助かりました。
- 「マネーフォワードクラウド請求書」導入のヒント(複数人で分業する場合)
1.まずは請求業務の棚卸し
2.棚卸し後、業務を機能毎に分解
3.機能毎に期限の設定・担当者の配置による分業体制化
1人で作業をしていた場合、作業マニュアルはその人の頭の中にあることが多くあります。まずは、作業者の頭の中のマニュアルを言語化し、機能毎に分類することから始めると、業務の脱属人化・標準化が進みます。
③マネーフォワードクラウド経費
- ビフォー
小口現金制度でした。従業員が立て替えたときは、その都度小口現金で精算をしていました。また、その小口現金はエクセルで管理していました。
- アフター
小口現金のエクセル管理を廃止しました。従業員用に経費精算制度を導入し、都度小口現金で精算をせず、給与支給時に立替経費を精算するルールに変更しました。
PCからの経費精算の入力が簡単でした! ただ、スマホの場合は、レシートによっては上手くカメラで読み取れないこともあり、現在試行錯誤中です。
小口現金はエクセル入力が不要になり、楽になりました!
- 「マネーフォワードクラウド経費導入」のヒント
1.小口現金の原則廃止
2.ネットや店舗での支払いは原則、法人クレジットカード支払いへと変更
3.現金でしか払えない場合、従業員の経費精算制度の導入でカバー
出来る限り、口座引き落としまたはクレジットカード払いに変更をすることが重要です。
④KING OF TIME(勤怠管理)
- ビフォー
各従業員が自分で勤務時間を記録して、1か月毎にエクセルで事務員さんへ報告していました。事務員さんは各人のエクセルをチェックし、集計ファイルに入力していました。
- アフター
従業員がそれぞれ「KING OF TIME」へログインし、毎日打刻を行うようになりました。
また、「KING OF TIME」が自動で集計してくれるため、エラーのチェックだけで勤怠管理が終わるようになりました。
とにかく楽! 今までは、同じ情報を何度も入力することがあり、ミスが起きて、再度集計し直すということがありました。「KING OF TIME」に変わってから自動集計となるおかげで、人為的ミスが起きることがなく、エラーのチェックに集中できるようになりました。
- 「KING OF TIME(勤怠管理)」導入のヒント
1.従業員に合った打刻方法(PC・スマホ・タブレット)の選択
2.従業員へのシステム説明機会の確保
毎日の勤怠管理には、従業員の協力が不可欠です。導入時に従業員説明会を行う等、問題なく対応できる環境整備を行いましょう。
⑤マネーフォワードクラウド給与
- ビフォー
エクセルで計算をしていました。そのため、勤務時間の入力ミスや、控除する社会保険料の計算間違い等が発生し、何度も計算しなおすための時間が発生していました。
- アフター
「KING OF TIME」で集計した勤怠情報を「マネーフォワードクラウド給与」へ連携するため、勤怠時間の入力の必要がなくなり、その分工数が削減されました。
また、社会保険料・所得税も事前に初期設定をしておくことで、毎月自動で反映される仕組みになりました。
さらに、給与明細もマネーフォワードで自動作成できるので、手作業で作成する必要がなくなりました。
当初、「データを取り込みさえすれば、給与計算は自動なので問題ない」と思っていましたが、KOT(KING OF TIME)にある時間外の勤怠がマネーフォワードに反映されていませんでした。この点はチェックしなきゃな!と感じました。
当初は設定に不備があり、即日対応させていただきました。その際はご指摘ありがとうございます。
但し、今後もチェックするフローは必須です。引き続きチェック業務は宜しくお願い致します。
- 「マネーフォワードクラウド給与」導入のヒント
1.勤怠システムと給与システムが連携できるものを選ぶ
2.紙明細をばっさりやめる
⑥SmartHR(人事労務管理)
- ビフォー
履歴書を預かっている人は履歴書を残して、履歴書を預かっていない人は無い…等、人それぞれバラバラの管理状況でした。
- アフター
「SmartHR」に人事労務情報を集約することができました。住所等の個人情報に変更がある場合、本人がシステム上へログインして変更登録ができるため、最新情報の管理が楽になりました。
- 「SmartHR(人事労務管理)」導入のヒント
1.従業員情報が変わった時のフローを決定して、周知し常に情報が更新される環境をつくる
2.紙の履歴書は破棄する
まとめ
今回、クラウド会計を含めた6つのシステムを導入されていかがでしょうか?
まず、社長自身が会社の状態をリアルタイムに把握できるようになりました。以前は「こんな資料を出してほしい」と頼まれても資料を出すまでに時間がかかっていましたが、「マネーフォワードクラウド会計のここでその情報が見られますよ」と説明するだけで、すぐに情報を見てもらえるようになりました。
全体的にやることが減って助かりました。給与計算も自分で計算しなくて済むし、振込データも作成してあるし、本当に楽になりました。
クラウドだからみんなで一緒に見てもらえる、助けてもらえる。そんな安心感がありますね。
実際に、バックオフィス業務の作業をしてみていかがでしょうか?
最初、レクチャーでデモをしてもらったときには簡単そうに見えましたが、実際に自分でやろうとすると、「あれれ?」となることはありましたね。
そうですね、意外と各システムはそれぞれに奥が深いので、実際に操作すると不明点がたくさん出てくるかもしれません。その際は、弊社のレクチャーをご活用ください!
大学発ベンチャー企業である「株式会社京都テキストラボ」の導入事例インタビューはいかがでしたか?
クラウド会計のみならず、周辺業務も合わせてバックオフィスを全体的にクラウド化していくことが重要です。加えて、システムの導入に向けた業務の棚卸や整理が不可欠です。
今後クラウド会計の導入やDXを推進する際に、ご参考になれば幸いです。
京都でバックオフィスのDX化を推進する「事務Xジム」
石黒健太税理士事務所では、「最適な経営管理に向けたバックオフィス自動化」をコンセプトに、京都・関西エリアの企業様へ「事務Xジム」というクラウド導入支援・DXコンサルティングサービスを提供しています。
初回は無料でご相談を受け付けています。クラウド会計の導入やバックオフィスのDX化をご検討されている方、まずはお気軽にお問い合わせください。