クラウド会計

クラウド会計で確定申告!選ぶべきソフトは?? ~マネーフォワード・freee・弥生をくわしく比較!!

目次

いよいよ確定申告を意識する時期となってきました。夏~秋あたりまでは、

なんとなく「クラウド会計で確定申告ができたらいいな~」と思っていた方々も、

そろそろ実際にソフトを選択していかなければならない時期となりましたね…

 

本日は、クラウド会計で確定申告をしたい方々に向けて、実際に多く選ばれている3つのソフトをご紹介します。

これを読めば、ご自身が買うべきソフトが見えてくるはずです。

クラウド会計で、ストレスのない確定申告にトライしてみてください!

 

 

 

 

そもそも「クラウド会計」で「確定申告をする」とは?

 

確定申告をすることが初めての方は、「会計」と「確定申告」とを混同されるかもしれませんので、まずご説明しておきたいと思います。

事業者は、帳簿を作成し保存する義務があります。その帳簿を作成する作業を「会計」を呼んでいます。この帳簿により、事業でいくらの利益が出たかを計算します。(事業所得)

そしてその帳簿で計算された事業の利益(事業所得)を「確定申告書」という所得税の計算書類に転記してこの1年の所得税を計算します(確定申告)

つまり、事業者の確定申告は事業所得の計算(会計の部分)と所得税の計算(確定申告書の部分)の2段構えになっています。

 

「クラウド会計で確定申告をする」とは、「クラウド型の会計ソフト」を使用して帳簿を作成し、

その計算結果を踏まえて「確定申告をする」ということを指しています。

つまり、「クラウド会計」の使いやすさと「確定申告」の使いやすさを検討する必要があるということです。

 

 

 

なぜクラウド会計で確定申告をすべきなのか

 

クラウド会計で確定申告をすることは、さまざまなメリットがあります。

まずはこのメリットを再確認しておきたいと思います。

(1)クラウド会計のメリット

まずは、「クラウド会計」のメリットです。事業所得がある方は、帳簿を作成して保存することが義務付けられています。つまり、どういう方法であれ帳簿は作成しなければいけないのです。その帳簿を作成する際に、どのようなソフトを利用するかで使い勝手は変わってきます。大きく分けて、①インストール型ソフト②クラウド型ソフトの2タイプに分かれます。

 

クラウド会計のメリットデメリットを詳しく知りたい方は

→こちらの記事へ クラウド会計のメリット・デメリット!

ここでは概略を記載しておきます。

 

 

①ネット環境さえあれば、場所・時間・媒体を選ばない

クラウド会計は、ネット環境があれば、さまざまな媒体からアクセスが可能です。パソコンや携帯やipadなど使用したい場所にある媒体で作業ができます。隙間時間に入力したい場合、ご自宅や会社、出張先からなど時間や場所を選ばないという利点があります。

 

②担当者や税理士とデータが共有しやすい

クラウド会計では、IDやパスワードをそれぞれに作成したり、伝えたりすることで、双方からの入力・閲覧が可能です。データがクラウドにあるため、USBメモリやメールでデータを移動させる必要がありません。ご自身が作成したデータを税理士にチェックしてもらうこともデータを共有することで簡単にできます。

 

③リアルタイムでデータが更新される

データを入力すればクラウドで保存されるため、データ共有をした場合にもタイムラグが生じません。いつも新しい状況になります。ご自身がパソコンから入力した内容も、直後に携帯から確認しても最新のデータを見られる訳です。

 

④データのバックアップが不要

データはクラウド上で保存されます。パソコン内に保存する従来型会計ソフトであれば、パソコンの故障によりデータが消失する可能性がありますが、クラウド保存であればその心配の必要がありません。

 

⑤データの連携が進んでいる

クラウド会計では、通帳やクレジットカードとの連携システムが利用できることが多いです。通帳やクレカだけでなく、PAYPAYやSUICA、クラウド経費とのソフトや請求書ソフトと連携できるものもあります。会計入力が劇的に楽になっています。

 

⑥自動仕訳機能が充実

上記の仕訳の連携に際し、AIが仕訳を覚える機能が最近では特に充実してきています。一度登録すれば、次回は同じ仕訳を覚えていきますし、AIが仕訳を推測して提示してくれる機能がある場合もあります。

 

(2)クラウド会計で確定申告をするメリット

次にクラウド会計で帳簿を作成したあとに、確定申告をするメリットです。

 

⑦確定申告書への移行がスムーズ

会計の入力が完成すれば、同じソフトで確定申告書にそのデータを移行することができます。これはクラウド会計だけのメリットという訳ではなく、個人事業主向けの会計ソフトの多くが確定申告書を作成できる機能を備えています。

 

⑧電子申告までがソフト内でできるものがある

これは、すべてのクラウド会計ソフトができる訳ではなく、またプランによっても差異がありますが、ソフト内で電子申告ができるものもあります。スマホでそのまま申告できると、大変便利です。電子申告できないものについては国税庁のe-TAXソフトに入力して電子申告をするか、印刷して紙で税務署に提出することになります。

 

 
 

「クラウド会計」で会計帳簿を作成することは、会計の入力時にはかなりメリットがあると言えます。また、確定申告書を作成する際も、その後に電子申告をするときにそのままのソフトで作成・申告ができるものがあり、これも大きなメリットと言えます。

 

代表的な3つのクラウド会計ソフト「マネーフォワードクラウド確定申告」「freee会計」「弥生クラウド確定申告ソフト」その特徴とは?

 

 

ここまで「クラウド会計」と「クラウド会計で確定申告をするメリット」を見てきました。

では、次に代表的なクラウド会計ソフトの特徴をみていきます。

その中でも確定申告に対応している「マネーフォワードクラウド確定申告」「Freee会計」「弥生クラウド確定申告」の3つのソフトをみていきたいと思います。実際に使用するソフトを選ぶ参考にしてください。

 

 

①「マネーフォワードクラウド確定申告」

会計の帳簿作成から確定申告まで同じソフトで作成し、完結できるクラウド型ソフトです。「マネーフォワード会計」と「マネーフォワード確定申告」が一体となっていると考えるとわかりやすいと思います。

会計経験者には視覚的に非常にわかりやすい表示形式となっていることが特徴です。会計を少しでも経験したことがある方にとっては、特に操作性がイメージしやすく、業務に入っていきやすいソフトといえるでしょう。

 

また、会計初心者にとっても「かんたん入力」という画面が用意されています。視覚的・感覚的に操作できるように工夫されています。この「かんたん入力」を利用することで、「会計」を意識することなく、総勘定元帳や試算表といった会計帳簿が出来上がるようになっています。

 

マネーフォワード会計では、データの自動取込機能があります。銀行の通帳を連携させておくことによりデータを自動で取込みます。これは、1件1件仕訳を入力しなくてもよいという意味で、作業時間の大幅な短縮につながります。また、クレジットカードやSUICA、ICOCAといった交通系カードにも対応しているほか、POSレジとも連携できるため、明細を手打ちしていく従来のやり方と比較すると格段に効率性が上がります。

 

これらの自動取込機能の使用方法としては、最初の登録の際に科目が間違いないかをチェックします。その確認を終え「登録」をすると自動で仕訳が作成されます。さらに、この仕訳の自動作成は学習機能があるため、次回の登録の際にはマネーフォワード会計で自動推測された科目が提示されますので、科目の修正が大幅に減少します。このように、使用すればするほど修正の必要な項目が減っていくといえます。

 

また会計以外のバックオフィス業務(請求書作成、給与計算、経費精算など)が充実していることもマネーフォワード会計のメリットです。これらのバックオフィス業務に関するソフトを使用するには別料金がかかりますが、これらで作成した内容を会計に取り込むことができることが大きなメリットといえます。例えば、経費精算ソフトで経費を精算した情報を会計ソフトに仕訳の形で取込むことができるということです。

 

 

 

②「Freee会計個人事業主向け」

 

 

Freee会計で個人事業主向けを選択すると確定申告書まで作成できる一体型のプランとなります。

Freeeは、初心者にわかりやすいとの評判のソフトです。最低限の入力項目のみが用意されており、簿記の知識がなくても、会計帳簿が出来上がる手軽さが人気となっています。逆に会計経験者には少しわかりにくいという声もあります。

 

Freee会計の特徴的な機能は、レシート等の写真から仕訳データの取り込みができるという点です。従来型の会計ソフトは、レシートや領収証を1枚1枚入力していく必要がありました。freeeではレシート等をスマホで撮影し取り込むことにより、画像解析をして日付や金額を予測して提示してくれます。入力者はそれを確認の上、登録することで、会計に仕訳が作成されます。

・freeeもバックオフィス業務に力を入れています。Freee会計だけでなく、freee人事労務、freeeマイナンバー管理などが用意されています。

 

③「 弥生クラウド確定申告ソフト」

 

クラウド会計と確定申告書作成ソフトが一体になっているソフトです。会計と確定申告書のソフトを往復しながら仕上げていくことができます。

弥生会計は、中小企業が使用する会計ソフトでシェアNO.1の有名会計ソフトです。弥生会計のホームページには創業1978年となっていますからかなり歴史がある企業で、特にインストール型は大きなアドバンテージをもっています。クラウド型については、マネーフォワードやfreeeと比較すると発売が遅かった感はありますが、現在、急ピッチでアップデートされている印象です。

弥生会計クラウドの特徴は、銀行取込みやクレジットカードの連携機能について、AIにより毎回精度が上がるシステムです。

インストール型では、開業して初めて利用する事業者の利用が最も多いソフトメーカーだけあって、そのノウハウを生かした初心者にも使いやすい設計となっているのが強みでしょう。

 

 

料金プランの比較

次に気になる価格をみていきます。

各社複数のプランがありますので各社の個人事業者向けの料金プランを一覧にしました。

 

①マネーフォワード料金プラン 個人事業主・副業向け

プラン 価格 備考
パーソナルミニ 年額9,600円
(月あたり800円)
会計の基本的な機能と銀行・クレジット明細の自動取込など必要な機能がついています。消費税の計算やレポート分析が必要のない方には十分といえます
パーソナル 年額11,760円
(月あたり980円)
パーソナルミニに消費税の計算やレポート機能がついたプランです。
パーソナルプラス 年額35,760円
(月あたり2980円)
パーソナルプラスに電話サポートを付けたプランです。

マネーフォワードの料金プランでは、どのプランでも確定申告まで対応できますので、消費税の計算やレポート分析が必要のない方はパーソナルミニで十分対応が可能と思われます。電話サポートを必要とされる方はパーソナルプラスとなりますが、パーソナルミニやパーソナルもチャットやメールでの質問ができます。

 

②freee料金プラン 個人事業主向け

プラン 価格 備考
スターター 年額11,769円
(月あたり980円)
会計の基本機能と銀行口座・クレジットカード連携がついたプランです。請求書の作成もできますが、領収書の写真から仕訳データへの自動取込は月5枚までに制限されています。最低限の機能でいい方におすすめです。
スタンダード 年額23,760円
(月あたり1,980円)
スタータープランに消費税の申告と月次推移などのレポート類がついたプランです。メール・チャットサポートが利用可能です。
プレミアム 年額39,800円
(月あたり3,316円)
スタンダードプランに電話サポートと税務調査サポート補償がついたプランです。

すべてのプランが確定申告書まで作成できます。多くの機能を必要としない方はスタータープランで十分でしょう。スターターでは領収証の写真取込が月5枚までに制限されているため、使い勝手を試したり領収証が増えてきた時点でスタンダートへアップグレードする利用方法も検討できるかもしれません。

 

③弥生会計

プラン 価格 備考
セルフプラン 年額26,000円
(月あたり2,666円)
最大2か月サポート付
ベーシックプラン 年額35,000円
(月あたり2,916円)
いつでもサポート付
2年間のお試しプラン(上記の2つのプランをお試しで利用可能) 起業から2年以内の方は2年間無料
起業から2年以上の方は1年間無料
請求書発行ソフトも無料で試すことができます

2年間(若しくは1年間)の無料期間がついています。マネーフォワードの1か月無料お試し期間、freeeの30日間の無料お試し期間と比べると弥生会計はかなり太っ腹と言えるかもしれません。

 

 

機能での比較(1)~通帳・クレジットカードの取込機能~

 

通帳・クレカ・POSデータ等からの自動取込機能について比較しました。

こちらは、各社非常に力を注ぎ、取り込みができる対象機関を日々増やしている印象です。2022年12月現在でホームページに記載されている取込可能サービスを抽出してみました。(各社HPより)

 

①マネーフォワードクラウド確定申告

銀行口座 みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、」三井住友銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行等
クレジットカード オリコカード、JCBカード、セゾンカード、DCカード等
POSレジ Airレジ、EC-OrangePOS、ユビレジ、スマレジ、ラクレジ等
通販 ASUKUL,LOHACO,Amazon.co.jp、ソロエアリーナ、たのめーる等

 

取引明細から推測し、勘定科目を自動提案します。

自動仕訳されたものを確認・承認するだけで記帳業務が完了します。

 

②Freee会計

銀行口座 三菱UFJ銀行、ジャパンネット銀行、三井住友銀行、みずほ銀行等
クレジットカード JCB、VISA、Master、AmericanExpress等
POSレジ Airレジ、スマレジ、ユビレジ等
決済サービス Amazon,ASKUL,楽天市場、Suica,PayPal、Square等

 

 

③弥生クラウド確定申告

 

銀行・クレジットカード データ連携できる金融機関は全国1100件以上連携可能な金融機関のサービスは2500円以上(2022年8月時点)
外部サービス 見積請求サービスMISOCA、MakeLeaps,AIRレジ、スマレジ、ユビレジ、UレジFOOD
ぐるなびPOS+ 経費精算サービスSTAPLE、画像取込サービスScanSnapCloud,弥生レシート取込

 

 
 

金融機関、カード会社ともに、かなりの数をカバーしています。外部サービスについては、ばらつきがある部分もありますので、連携を検討されている方は事前にご自身が連携したいサービスに対応しているかを確認しておくとよいでしょう。

 

 

 

操作面での比較(2) ~撮影からの自動仕訳機能(領収証・レシート)~

 

こちらの機能については、各社バラつきがありました。

 

①マネーフォワード会計確定申告

「マネーフォワードクラウド会計」では、領収証・レシートを撮影して直接仕訳として登録することはできません。「マネーフォワードクラウド経費」という経費精算ソフトを介する形で仕訳を生成します。

「マネーフォワードクラウド経費」というソフトは、使った経費を会社に報告して承認してもらい、精算をするためのソフトです。つまり、経費を使用すれば、まずは「マネーフォワードクラウド経費」で精算に回し、その「マネーフォワードクラウド経費」で精算された経費を「マネーフォワードクラウド会計」に連携することによって会計帳簿に入力されるという順番になります。

 

 

領収証・レシートを撮影

「マネーフォワード経費」で精算の登録

「マネーフォワード会計」で自動仕訳

 

この手順は個人事業主が撮影により仕訳を作成するための使い勝手としては手間がかかり向かないと言えるかもしれません。家計簿用ソフトマネーフォワードMEは、レシートを撮影して入力することができますので、ご興味のある方は別記事をご参照ください。

マネーフォワードMEについてはこちらで記載しています。

マネーフォワードを利用すれば確定申告は本当に簡単にできるのか?

 

②Freee会計

「Freee会計」は、携帯から写真撮影を行い連携することができます。毎月の利用枚数によって料金プランが異なります。3、料金プランの比較②をご参照ください。

 

 

モバイルアプリをダウンロードします

アプリ内の「レシート撮影」からレシートを撮影し登録(ファイルボックスに登録されます)

「未登録」タブを選ぶと、freeeが書類の内容を自動で読み取った事項が反映されています。必要があれば内容を修正して登録します。

 

 

③弥生クラウド確定申告

スマホのアプリを使ってレシートの撮影、登録ができます。

「弥生レシート取込アプリ」を活用することで会計への自動仕訳が可能です。まず、スマートフォンでアプリからレシートや領収書の写真を撮影します。するとアプリが自動的に日付や金額などを読み取って、弥生のサーバーへ送ります。その後、「スマート取引取込」機能を利用して「弥生会計」や「やよい青色申告」に取込みます。

「スマート取引取込」機能には、スキャナーを使った一括取込機能も用意されています。

「レシート取込アプリ」が使えるのは、「やよいの青色申告」「弥生会計」の無料導入サポート・あんしん保守サポートへ加入されていることが必要です。もしくは「やよいの青色申告オンライン」「やよいの白色申告オンライン」「弥生会計オンライン」のサービスを利用している必要があります。利用していれば無料でダウンロードできます。

ただ、画像認識の精度については途上部分があるようです。

 

 

 

 
 

レシート・領収証の写真撮影による自動仕訳は、各社の違いが出ています。現在、業界では撮影やscanによる自動登録の開発にかなり力を入れています。ここ数年で各社の機能が随分変化していくことが予想される分野です。

ただ、画像の認識精度については現状、あまり高いという評判ではありません。個人向けソフトで、撮影による正確な自動仕訳が可能となるのは、もう少し先と考えておいた方がいいかもしれません。

写真撮影による仕訳登録を重視される場合は、各社のHPで十分に確認されることをおすすめすします。また、語弊がありますが、多くを期待せずにお試し感覚で利用される方がストレス少なくすすめられるかもしれません。

 

 

 

 

付随機能 周辺業務 会計以外のバックオフィス機能

 

会計・確定申告ができるだけではなく、各社とも周辺分野のソフトの提供にも力を入れています。この先、DXを推進していきたい事業者は積極的に取り入れていきたい部分でもあるでしょう。今までエクセルやワードで個々に行っていた業務をソフトで管理したり、別々のソフトを使用していたものを同じ販売元のソフトに統一することは、業務効率化につながる可能性があります。経理を例にすれば、請求書発行ソフトや給与ソフト等との連携により、各ソフトで作成したデータを会計に連動させることができるようになるため、会計入力や管理の効率が上がるといえます。費用的には、会計・確定申告とは別料金のものもありますし、一部料金に含まれているサービスもあります。

 

 

①マネーフォワード

マネーフォワードは会計だけでなく、周辺分野のソフトが付随して使用できるところがメリットといえます。

 

マネーフォワードのサービス一覧

https://biz.moneyforward.com/service/

 

 

②freee

freee人事労務(給与計算、年末調整、勤怠管理、マイナンバー管理)

freee経理・財務(会計、クラウドERP、申告、受発注、経費精算)

freee販売

 

 

 

③弥生クラウド

 

弥生会計オンライン

弥生給与明細オンライン

弥生見積・納品・請求書ソフトMisoca

 

https://www.yayoi-kk.co.jp/products/index.html

 

 

確定申告の使いやすさ

 

ここまでで、会計や周辺業務について、特徴を挙げてきました。ここでは、次の大事な段階「確定申告」での使いやすさを検討します。

 

①「マネーフォワード会計・確定申告」

会計を入力している画面の操作タブから「確定申告書」を選択することにより、確定申告書作成画面に移行できます。移行は非常に簡単です。移行後の画面も、確定申告書の用紙そのものと同一にしてあるため、確定申告書を見慣れた方ですと視覚的にするにすぐにわかる仕組みになっています。税務署で無料配布している「確定申告の手引き」を見ながら操作する場合にもわかりやすいと思います。

 

②「freee会計」

 

「確定申告書」タブから「確定申告書を作成する」という項目を選んで作成を始めます。Freeeは、アンケート方式で確定申告書を作成していく流れが特徴です。「源泉徴収されている所得はありますか?」などの質問が用意されており、それに答えていくことで確定申告書が出来上がっていくというスタイルです。

 

③「弥生会計」

「確定申告書を作成する」というボタンからワークフローを使用し、回答していくことで確定申告書を作成していく流れです。

 

 
 

各社、会計から確定申告書への移行はスムーズに感じます。確定申告書を見慣れている方は、確定申告書用紙と同じ画面ですすめられるマネーフォワード、見慣れていない方はfreeeや弥生会計がいいかもしれません。

 

 

 

 

電子申告について

 

確定申告書まで作成できたあとは、申告の方法を選びます。申告書の提出の方法は下記が考えられます。

 

㋐ソフト(MF・freee・弥生のソフト)で電子申告

㋑国税庁のeTAXソフトを使用して電子申告

㋒紙で出力して税務署の窓口へ提出又は郵送により提出

 

確定申告までできることをうたっているソフトでも電子申告までを自社のソフトでできるものはまだ少ないのが現状です。マネーフォワード会計、freee、弥生会計は、㋑㋒についてはいずれも可能ですので、

㋐についての比較を行います。

 

①マネーフォワード会計クラウド

スマホアプリ限定ではありますが、そのままマネーフォワードのソフト内で電子申告が可能です。つまり、スマホアプリを使えば、国税庁のeTAXソフトにデータを移行することなく電子申告ができるので非常に便利です。

 

②Freee会計

Freeeの電子申告アプリをダウンロードする必要がありますが、freeeのソフトで電子申告が可能です。「freee申告」タブから「電子申告」を選択し、下部にあるダウンロードボタンを押すことでダウンロードできます。

 

③「弥生会計」

確定申告e-TAXオンラインという機能を使用して電子申告をすることができます。スマートフォンの場合は「弥生電子署名」というアプリを使用して電子申告ができます。

 

※電子申告する方法により、別途 利用者識別番号やマイナンバーカードを取得しておく必要があります。事前にご確認ください。

 

まとめ 全体的な比較

 

 

検討ポイント①費用

 

費用の面ですが、費用については弥生会計が「起業から2年以内は2年間無料」という太っ腹な料金プランを出しているため、初期の支出を抑えたい方にとっては弥生会計がお得でしょう。最低限の機能で十分という方にはマネーフォワードのパーソナルミニがいいかもしれません。

 

検討ポイント②取込機能1

 

クラウド会計としての特徴である通帳やクレジットカードなどの自動連携は3社とも力を入れており拮抗しています。操作性では、初心者はfreeeや弥生会計クラウドがおすすめ。マネーフォワードは少し会計を知っている方には、違和感なく処理ができると思われます。

 

検討ポイント③取込機能2

写真撮影による仕訳連携については、freeeと弥生会計が使いやすそうです。マネーフォワードは個人事業主向けというよりは、法人の経費精算への対応に向いたソフト設計になっているような気がします。

ただ、発展途上の機能とも思えますので、レシートの手入力が苦にならない方については、この撮影機能についてはあまりこだわらずに選択するのもいいかと思います。

 

検討ポイント④バックオフィス業務

バックオフィス業務については、バックオフィスの業務効率化を検討している場合に、勘案してください。重視しない方はこだわらずに選択していいでしょう。

給与計算関係は各社サービスを展開していますので、それ以外の業務で連携などを検討したい場合は事前に各社のサービスを確認の上、選択してください。

 

 

検討ポイント⑤電子申告

確定申告書の作成についてですが、会計から確定申告への移行はどれもスムーズといえるでしょう。電子申告は、スマホで申告する場合は各社の差が少なく、パソコンから電子申告をしたい場合はfreeeや弥生会計が使いやすそうです。

電子申告については、今後も各社サービス内容を充実させてくると思われる事項です。今年度は電子申告に対応していなくても、次年度には対応しているケースも出てくると思われます。

 
 

いかがでしたでしょうか。クラウド会計で確定申告をする場合の選択の参考になる事項を挙げてきました。

①費用
②連携による取込み
③撮影による取込み
④バックオフィス業務の必要性
⑤電子申告   

これら5つのポイントで、ご自身が重視したい部分を確認し、ソフトを検討されてはいかがでしょうか。

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