クラウド会計・税理士

クラウド会計のメリット・デメリット!

目次

今回は近年急速に市場が拡大しているクラウド会計について、
そのメリットとデメリットについて解説していきたいと思います!
「クラウド会計ってなんだか難しそう」「よくわからない」という方はぜひ参考にして頂ければと思います。
また既に使われている方は、ちゃんとメリットを活かした使い方ができているかを改めて確認頂きたいと思います。

【そもそもクラウド会計とは】

まずは、そもそもクラウド会計とは何なのかというところから解説させて頂きたいと思います。(わかっているという方は飛ばしてください)

クラウド会計とはクラウドサービスを使った会計システムの事を言います。
クラウドサービスとはインターネット上のサーバーを使い処理を行うサービスのことを指します。
従来型の会計システムはご自身のPCにソフトをダウンロードしてそのソフトを操作することにより会計処理を行っていたのですが、これに対してクラウド会計ではクラウド上の会計システムを操作し会計処理をしていく形式になっています。

こういった仕組みの違いから下記に記載しているメリットやデメリットがあります。

 

【クラウド会計の7つのメリット】

次にクラウド会計のメリットを見ていきたいと思います。
導入したいけどまだ迷っている。
導入する費用や手間のことを考えるとなかなか導入を決断できないという人はぜひご確認頂きたいと思います。

①さまざまなウェブサービスとの連携が可能

クラウド会計では、次のようなウェブサービスとのデータの連携が可能となっています。
従来であればそれぞれのウェブサービスから会計入力に必要な資料を印刷して、その内容を確認しながら会計入力を行う必要があったのですが、クラウド会計では一度連携の設定を行うとその後は自動でデータの連携を行うことが可能となっており、会計入力に必要なデータの大半を自動で会計システムに取り込むことができます。

★銀行・クレジットカード・・・各種金融機関のネットバンキングやクレジットカード会社のWebサービスとの連携

★電子マネー・・・モバイルSuicaや楽天Edyなどの利用履歴の連携

★通販・・・アスクルやAmazonなどの通販サービス

★POSレジシステム・・・Airレジ・Squareなどの販売実績との連携

上記のように様々なウェブサービスとの連携が可能となっており、
弊社の使用しているマネーフォワードでは4,000近くのウェブサービスとの連携が可能となっています。
データ連携することにより日付や金額、相手先などの情報が入力することなく会計システムに取り込むことができ大幅な時間短縮につながります。

②仕訳の入力を自動化することができる

クラウド会計では①に記載した通り様々なウェブサービスとの連携が可能となっており仕訳の大部分を連携で取り込むことができます。
そして、その取り込んだデータについてAIを利用し自動仕訳ルールの設定や勘定科目の自動提案という機能があります。

自動仕訳ルール・・過去の取引の処理からAIが判断して同じ勘定科目で会計処理を自動で行う

勘定科目の自動提案・・会計システム会社が保有するビッグデータをもとに領収書の内容から勘定科目を自動で推定して提案⇒登録ボタンを押すだけで仕訳が完了する!
or間違っていたら勘定科目を訂正し自動仕訳ルールに登録することで次回以降は自動で仕訳

これらの機能により仕訳の入力の大部分を自動化することが可能となっています。

法改正等が自動的にアップデートされる

経理のルールや税制は毎年改正され変わってきております。
最近ですとインボイス制度の創設や電子帳簿保存法の改正などがあり、経理に求められる処理方法も大きく変わってきています。
これらの法改正等について従来側の会計システムでは改正ごとに新しいバージョンのソフトの購入や会計データのアップデートを行う必要がありました。
それに対してクラウド会計では会計システムベンダー側が常に最新の法改正に対応できるようにアップデートを行ってくれており、ユーザ側は特に手続きや処理をすることなく法改正への対応ができるというメリットがあります。

④ネット環境があればどこからでもアクセスできる

従来の会計システムは、ソフトをダウンロードしたPCのみで会計入力の作業や帳票の出力をできる形式となっていました。
それに対してクラウド会計はインターネットのブラウザ上で会計処理をすることになるためIDとPWがあればどこからでも接続可能となっています。

★WindowsでもMacでも接続可能

★スマホやipadなどの端末からも内容を確認ができる

というメリットがあります。

⑤リアルタイムで預金残高や経営状況を確認することができる

 ④に記載のとおりクラウド会計はネット環境さえあれば簡単に接続して内容を確認することができます。
またアプリをダウンロードしていれば、ログインの手間や起動するまでの時間が大幅に短縮できます。
外出先等で、いつでも気軽に預金残高や経営状況を確認できるため、出張等が多い方にとっては、気になる数字が気軽に見られることがメリットになります。

⑥会計の知識がなくても操作が簡単

 ①②に記載した通りクラウド会計は1から入力をするのではなく、連携のサービスを使っての登録作業になります。
そのため会計の知識がない方でも、ある程度の勘定科目のルールを覚えるだけで仕訳登録が完了し、その後の処理はシステムの方が自動で帳票書類、決算書の作成をしてくれます。
まったく知識が不要というわけではないのですが従来型のシステムに比べて、とても楽に仕訳登録ができるのがクラウド会計のメリットになります。

⑦税理士との連携が楽になる

従来型の会計システムの時は税理士が顧問先を訪問等する形で会計ソフトの入力内容の確認と原資資料の確認を行っていました。
これに対してクラウド会計は前記した通り、IDとPWがあればどこでも処理することが可能となっています。
また複数の方が同時にログインすることも可能です。
そのため、税理士と顧問先が別々の場所で同じ内容を見ながら相談することが可能です。

また資料の受け渡しに関してもレシート等を画像データで仕訳に紐づけることができ、インターネットバンキングの取引情報をクラウド会計のシステム内で確認できるため、大部分を省略することができます。

資料の受け渡しが楽になるのに、従来型よりもリアルタイムでの連携ができるというメリットがあります。

 

【クラウド会計の3つのデメリット】

上記のようにクラウド会計には様々なメリットがあります。
その一方で、もちろんデメリットがあります。導入する際にはこのデメリットをちゃんと理解して導入する必要があります。

①単純入力の操作性や処理スピードが悪い

クラウド会計はデータ連携を前提として仕訳の入力の手間を減らす仕組みとなっています。
そのため、データ連携ができるサービスを活用されている方にはとてもメリットが高い仕組みになっています。
それに対して、基本的に紙媒体でやり取りをしている方(例えばネットバンキングの利用をしていない、クレジットも紙の明細を郵送で受け取っているような方)については大部分を手入力で入力する必要がでてきます。

この手入力に関しては正直、クラウド会計よりも従来型の会計システムの方が操作性は良く、また処理速度も速いというのが現状になっています。

このデメリットの対応策としては業務フロー自体の改善を行うことです。
ウェブサービスの活用を検討したり、紙で行っているものをデータ化したりするなどの改善です。この改善をすることが難しいという方はクラウド会計の活用はなかなか難しいと思います。

②初期設定を間違えると大変な結末が・・・

メリットの②に記載した通り、クラウド会計では自動仕訳ルールを設定すれば、その後の処理は自動でシステムがしてくれるようになります。
ここで注意が必要なのがシステムは自動仕訳のルールに基づいて仕訳を行うだけで、会計の専門家ではないということです。
どういうことかと言いますと、自動仕訳ルールの設定が間違った場合にはその間違ったルールで間違った仕訳を作り続けてしまうということです。
一時期、クラウド会計をいれると税理士が不要になるというようなキャッチフレーズで販売促進されていたこともあり、間違ったルールでの自動化をしてしまった方が決算の時点で助けて欲しいという案件が多かった時期がありました。
これを読んでいただいている方はそうならないように注意をしてください。
自動化のキモは初期設定にあります。初期設定のときこそ専門家をうまく活用してください。

 また、各種のウェブサービスとの連携についてはどういった業務フローにするのか、仕訳ルールにするのか、担当と社長との権限の設定はどうするのか・・などなど、初期設定時に重要な事項や難しい事項が多く発生します。
こういった点からも専門家の活用、特にクラウドと税務会計の両方に知識と経験がある人のサポートが必要だと考えています。
単にサービス間の連携だけを行っても、大きな業務改善にはつながりません。
税理士にも色々得意分野がありますので、サポートを依頼する際にはその点も注意いただきたいと思います。

(別記事を参照して頂ければと思います⇒ クラウドに強い税理士とは? )

③維持費用

クラウド会計はほとんどが月額の料金体系になっています。
毎月の使用料負担が発生することと、こちらの料金についてベンダーの意向で値上げ等が発生することが最後のデメリットになります。
また、クラウド会計をうまく活用するためにはインターネットバンキング等の利用も必要となり、これらのサービスについての月額の利用料負担も発生してきます。導入の際には、これらの総額とクラウド会計による効率化のメリット(間接人員のコスト削減など)を比較頂いて意思決定をしていただければと思います。

 

 

【まとめ】

①クラウド会計で経理事務を省力化・自動化しよう

これまで弊社では色々な会社の業務改善のお手伝いをしてきました。
その中でお客様から「クラウド会計の活用により業務が楽になった」「経営に専念できるようになった」「リアルタイムに把握できるようになり、安心して経営できるようになった」などの声を多くいただいています。
新しい技術への対応というのは勇気がいることですし、切り替え時の負担は発生するものだと思います。
しかし、中長期的に会社の発展を考えた時にはこれらの変化への対応は積極的に行っていくべきものと考えています。
我々の業界も、すべてを紙で作成していた時代からコンピュータ会計にかわり、それが今はAIを使ったクラウド会計へと変化してきています。
この変化にいち早く対応し、活用していくことが自社の経営にも役に立つと考えています。
ぜひ多くの方にクラウド会計を使った自動化に取り組んでいただきたいと思います!

②クラウド会計の活用は初期設定がキモ!クラウド会計が得意な税理士をうまく活用

 この記事を読んで頂きありがとうございます。
この記事を読んでクラウドの導入をやっていこうと決意された方は、まずはクラウド会計が得な税理士に相談して頂ければと思います。
デメリットの②にも書いた通りクラウド会計の活用は最初が肝心です。
逆に初期設定さえちゃんとしてしまえばその後の業務効率は格段に上げることができます。
一人で悩まずにぜひ一度専門家である「クラウド会計に強い税理士」に相談してください。

 

今回の内容は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました!