創業・起業

京都で起業するまでの流れは?起業する費用の目安と意識すること

「京都で起業したい」と思っても、「何から始めればいいのか」「どれくらいお金がかかるのか」「補助金や融資は使えるのか」など、不安や疑問でいっぱいになる方はおられるのではないでしょうか。

 

実は、京都府や各市町村では、起業家を支援するための制度が数多く用意されています。しかも、女性や子育て世代、地域貢献型ビジネスには手厚い支援があるのも特徴。

 

この記事では、京都での起業を目指す方に向けて、準備の流れや費用の目安、使える補助金・融資制度をわかりやすく解説します。最初の一歩を安心して踏み出せるようになれば幸いです。

目次

京都で起業するまでの流れ

「京都で起業したい!」と思ったとき、まず何から始めればよいのでしょうか。お店や会社を立ち上げるには、事前に考えておくべきステップがいくつかあります。

 

ここでは、起業までの基本的な流れを順を追ってご紹介します。まずは、どのような形で事業をスタートさせるかを決めるところから始めましょう。

事業形態を選ぶ

起業の第一歩は、「個人事業主」として始めるか「法人(株式会社など)」として始めるかを選ぶことです。それぞれに異なる特徴やメリット・デメリットがありますので、違いを理解しておきましょう。

 

事業形態

特徴

個人事業主

・開業が簡単で費用も安い

・事業の利益=個人の所得となる

・社会的信用や融資面で法人に劣ることがある

法人

・設立には登記が必要で費用がかかる

・事業と個人の財産が分かれる

・税制上のメリットや社会的信用が高い

 

会社を設立するのと個人事業主ではどちらが得になるのかを詳しく書いた記事がございますので、合わせてご覧ください。

 

関連記事:会社設立と個人事業主はどっちが得?法人と個人事業主の違いをわかりやすく解説

ケース1:個人事業主として起業する

初めての起業で「まずは小さく始めたい」「手続きや費用を抑えたい」という方に選ばれているのが、個人事業主という形です。税務署に開業届を提出すればスタートでき、比較的ハードルが低いのが魅力です。

 

ここでは、個人事業主として起業するまでの基本的な流れをご紹介します。

 

個人事業主として起業する流れ

ステップ1:ビジネスの内容や屋号を決める

ステップ2:必要に応じて事業用の口座や印鑑を準備する

ステップ3:税務署へ「開業届」を提出する

ステップ4:「青色申告承認申請書」を提出(青色申告を希望する場合)

ステップ5:必要に応じて各種届出(保健所、都道府県税事務所など)を行う

ステップ6:事業を開始し、帳簿づけや確定申告などを毎月・毎年行う

 

個人事業主の企業に関する詳しい手順や注意点は、以下の関連記事で解説していますので、合わせてお読みください。

 

関連記事:起業するにはまず何から始める?スムーズに進めるための5つのステップと成功する人の特徴

関連記事:個人事業主として起業するには何が必要?毎月やることと向いている性格を解説

ケース2:法人として起業する

「信頼性を高めたい」「将来的に事業を拡大したい」「節税も視野に入れたい」など、ビジネスの本格化を見据えるなら法人としての起業がおすすめです。手続きはやや複雑ですが、設立後のメリットも多くあります。

 

以下は、法人(たとえば株式会社や合同会社)を設立する際の基本的な流れです。

 

法人として起業する流れ

ステップ1:定款(会社のルール)の作成と公証役場での認証(※株式会社の場合)

ステップ2:出資金の払い込み

ステップ3:法務局で登記申請を行う

ステップ4:法人設立後、税務署・都道府県税事務所・年金事務所などに各種届出を提出

ステップ5:法人口座の開設、会社印の作成などを行う

ステップ6:社会保険や労働保険の加入手続きを行う(従業員を雇う場合)

 

それぞれの手続きには細かいルールや準備が必要です。詳しい手順は以下の関連記事で確認してみてください。

 

関連記事:京都で法人設立する方法と流れは?法人設立後に必要な手続きを解説

会社員と起業家の違い

「会社員と起業家って、具体的に何がどう違うの?」と疑問に思っている人は多いのではないでしょうか。実際に働き方や収入の仕組み、求められるスキルや責任の範囲など、多くの面で両者には明確な違いがあります。

 

起業を検討するうえで、会社員との違いを知っておくことはとても重要です。メリット・デメリットの両面を理解しておくことで、自分に合った働き方を見極めるヒントにもなります。

 

以下の比較表では、会社員と起業家それぞれの特徴を項目ごとにわかりやすく整理しています。まずは、自分にとって何が向いているのかを客観的に考えてみましょう。

 

内容

会社員

起業家

働き方

決まった時間・場所で働く/指示に従う

自分で働き方を決める/すべてを自分で判断・実行

税金の種類

所得税・住民税(年末調整あり)

所得税(または法人税)・消費税・事業税など多岐にわたる(確定申告が必要)

収入の安定度

月給制で安定しやすい

売上に応じて変動/収入ゼロのリスクもある

責任の範囲

個人としての責任は限定的

すべての意思決定と結果に責任を負う

求められるスキル

専門スキルや業務遂行能力が中心

経営・営業・財務・企画など幅広いスキルが求められる

社会的信用

社会保険加入や雇用の安定性から信用されやすい

初期は信用が得にくいが、実績次第で信頼性が高まる

仕事の裁量権

限られた範囲での意思決定

すべての業務や方向性を自由に決定できる

働き方

会社員の働き方は、基本的に「組織に所属し、決められた時間・場所で業務を行う」というスタイルです。与えられた業務をこなし、上司の指示のもとで動くことが一般的です。

 

一方、起業家は「自分で働き方を決める立場」です。働く時間、場所、仕事の内容すべてを自分で選ぶことができる反面、自らの判断がそのまま結果につながるため、自由と責任がセットになります。

税金の種類

会社員の場合、税金は給与から天引きされ、年末調整で精算されるため、税金にあまり意識を向けずに済みます。支払うのは「所得税」と「住民税」です。

 

しかし、起業家になると「自分で税金を計算し、納付する」必要があります。「所得税」や「住民税」に加え、売上が一定額を超えると「消費税」や「事業税」なども発生します。法人化すれば「法人税」も対象です。税務の複雑さは、起業家にとって壁となります。

収入

会社員の収入は、基本的に毎月一定額が支払われる月給制で、安定しています。昇給や賞与もあるため、長期的な生活設計がしやすいのが特徴です。

 

一方、起業家の収入は「自分のビジネス次第」です。うまくいけば会社員以上の収入を得ることも可能ですが、売上が立たなければ収入ゼロというリスクもあります。不安定さはあるものの、努力がダイレクトに反映されるのは魅力とも言えます。

責任の範囲

会社員として働いている場合、業務上の最終責任は基本的に会社が負います。ミスをしても、重大な過失でなければ個人がすべてを背負うことは少ないでしょう。

 

起業家は「経営のすべてに責任を持つ立場」です。トラブルが起きたときの対応、顧客や取引先との交渉、資金繰りの不安など、あらゆる場面で自分自身が最終判断者になります。その分、やりがいや達成感も味わえます。

求められるスキル

会社員には、所属する業務に応じた専門スキルや、報連相・チームワークなどのビジネスマナーが求められます。自分の役割に集中できる分、比較的スキルの幅は限定される傾向です。

 

一方で起業家は、経営・営業・財務・マーケティングなど、幅広いスキルを身につける必要があります。とくに「お金の知識(税金・会計)」は、事業を安定させるために欠かせません。

 

「何から手をつけていいかわからない」「お金や税金のことに不安がある」という方は、京都の起業支援に強い石黒健太税理士事務所にご相談ください。起業準備から開業後の会計・税務まで、安心して任せられるパートナーとしてサポートいたします。

業種別の開業費用の目安

起業を考えるうえで気になるのが「どれくらいのお金が必要なのか」という点です。業種によって必要な設備や手続きが異なるため、費用も変わってきます。

 

ここでは代表的な小売業・飲食業・サービス業の3つの業種について、開業時に必要なものと費用の目安を紹介します。

小売業

小売業(アパレル雑貨店、文具店、食品販売など)を始めるには、商品を販売する「店舗」と「在庫」、そして販売に必要な什器類やレジなどの設備が必要です。オンライン販売が主であれば費用は抑えられますが、実店舗を構える場合は初期費用がかかります。

 

主な必要項目

費用の目安

店舗の賃貸初期費用

50〜150万円

店舗内装・設備工事

50〜200万円

商品仕入費用

30〜100万円

レジ・什器・棚・照明

20〜80万円

看板・チラシ・開店告知など販促費

10〜30万円

合計目安

約150〜500万円程度

 

小さなテナントや自宅の一部を活用すれば、100万円前後で開業するケースもあります。

飲食業

飲食業(カフェ、レストラン、居酒屋など)では、食品衛生法や消防法などの規制も多く、許可取得や厨房設備にかかる費用が大きくなります。保健所の営業許可を得ることが必要であり、設備基準を満たす改装も避けられません。

 

主な必要項目

費用の目安

店舗の賃貸初期費用

80〜200万円

厨房機器・内装工事

150〜400万円

食器・調理器具・制服等

20〜50万円

食材の仕入れ

10〜30万円

メニュー表・チラシ・Webサイト制作など販促費

20〜50万円

合計目安

約300〜700万円程度

 

初めて飲食店を開く方は、手続きや許可の流れが不安になることも。京都で飲食店をスムーズに開業するまでの流れを詳しく書いたこちらの記事も参考にしてください。

 

関連記事:京都で飲食店をスムーズに開業するまでの流れは?営業許可の申請手数料について解説

サービス業

サービス業(美容室、ネイルサロン、整体、学習塾など)は、比較的小規模でスタートしやすい業種です。必要な設備や資格の有無、場所の規模によって費用は上下します。

 

主な必要項目

費用の目安

物件取得費用(自宅開業なら不要)

30〜100万円

内装・設備(椅子・ベッド・什器・ミラーなど)

20〜100万円

資格取得・登録費用(業種による)

数万円〜30万円

サービス用品の仕入れ(化粧品、教材など)

10〜30万円

ホームページ制作や広告費

10〜50万円

合計目安

約100〜300万円程度

 

レンタルスペースや自宅の一室を活用すれば、50万円以下で開業できるケースもあります。

京都の起業支援制度

起業を考えている方にとって心強いのが、行政や関連機関による起業支援制度です。開業時にかかる費用や資金面の不安をサポートしてくれる「補助金」「助成金」「融資」などを上手に活用すれば、スタートアップの負担を軽減できます。

 

しかし、支援制度は自治体によって異なることがあります。ここでは、京都独自の制度も含めて、活用できる支援策をご紹介します。

補助金・助成金

補助金・助成金は、返済不要の資金支援です。要件を満たして申請し、審査を通過すれば支給されるため、開業時の設備費や広告費、人件費などに充てることができます。ただし、事前申請が必要なものが多く、採択後に経費を使うのが原則なので、準備には注意が必要です。

 

京都で活用できる主な補助金・助成金

京都府子育てにやさしい職場環境づくりサービス創造補助金【追加募集】

中小企業者等が、子育て支援につながるサービスを府内で新たに実施するための経費を支援

令和7年度 京都府介護テクノロジー等定着支援事業補助金

介護分野にITやテクノロジーを導入し、現場の生産性向上や定着化を支援

京都女性起業家賞(アントレプレナー賞)

新しいチャレンジを行う女性起業家を顕彰・支援

舞鶴市生産強化等支援事業補助金

地元事業者の生産性向上や設備導入を支援する制度で、新規機材購入や運営改善に活用可能

京都市中小事業者の高効率機器導入促進事業補助金

省エネ・高効率機器導入に対する補助制度。店舗や工場などの省エネ設備導入費に対応

 

補助金・助成金の制度は年度や募集時期によって内容が変更・終了される場合があります。タイミングを逃さずチェックすることが大切です。京都の女性起業家が利用できる助成金・補助金についてわかりやすく書かれた記事もございますのでお読みください。

 

関連記事:京都の女性起業家が利用できる助成金・補助金は?起業に失敗しないための7つのポイント

融資

融資は、銀行や公的機関から資金を「借りる」制度です。補助金・助成金と違い返済が必要ですが、開業資金を一括で準備できるというメリットがあります。とくに起業初期は売上が安定せず、自己資金だけでは足りないことが多いため、計画的な融資の活用が重要になります。

 

京都で利用できる主な創業融資制度

一般資金「経営力向上関連保証制度」

経営力向上計画を策定し国の認定を受けた中小企業向けの制度で、新事業や事業承継にも対応可能

一般資金「協調支援型特別保証制度」

京都府内で6ヶ月以上営業している中小企業等が、金融機関のプロパー融資と併用して利用できる制度

セーフティネット融資「小規模企業おうえん資金」

小規模事業者の資金調達を支援し経営の継続・発展を図ることを目的とした制度

セーフティネット融資「中小企業再生支援資金」

経営再建や従業員の雇用維持を目的とし、運転資金や設備資金などを長期にわたって支援する制度

政策支援融資「創業(開業)・経営承継支援資金」

京都市および京都府が、新規創業や事業承継の支援を目的に提供する制度

 

京都創業融資制度を利用したいときは、京都の創業支援に実績のある石黒健太税理士事務所にご相談ください。資金調達の見通しから事業計画の作成、融資に必要な書類の整備まで、丁寧にサポートいたします。

関連記事:京都で創業融資のサポートが受けられる機関・専門家は?主な融資制度を解説

 

京都の起業で意識すること

京都は国内外から多くの観光客が訪れる一方で、地元密着型の生活文化も根強く残る地域です。そのため、京都で起業する際は「誰に向けて何を提供するのか」を明確にすることが、成功のカギになります。

 

京都ならではの起業で意識したい5つのポイントは次のとおりです。

 

  • ターゲット顧客を絞り込む
  • インバウンド需要を研究する
  • 観光シーズンの繁忙期と閑散期の差を理解する
  • 地域のイベントに参加する
  • 京都の専門家に相談する

 

ここからは、京都の起業で意識することを詳しく見ていきましょう。

ターゲット顧客を絞り込む

京都でビジネスを始める際、まず考えるべきは「誰に向けてサービスや商品を提供するか」という点です。観光地が多い京都では、観光客をターゲットにするのか、地元住民をターゲットにするのかで戦略が変わります。

 

たとえば観光客向けのビジネスであれば、SNS映えする商品や短期滞在者向けのサービスが有効です。一方で、地元住民を対象にするなら、継続利用や口コミを意識した信頼重視の運営が求められます。顧客像を明確にすることが、商品の設計・価格設定・集客方法すべてに関わってくるのです。

インバウンド需要を研究する

観光客をターゲットにする場合、どの国から来る観光客に対して、何が魅力的に映るのかを分析することが重要です。たとえば、中国や台湾からの観光客は団体旅行が多く、お土産文化が根付いています。一方、欧米の観光客は伝統文化体験やストーリー性を重視する傾向があります。

 

どの国の観光客をメインに想定するのかによって、言語対応、決済手段、商品ラインナップが変わってきます。京都市や観光協会が出しているデータも参考にしながら、インバウンドのニーズを捉えることが、売上につながるポイントです。

観光シーズンの繁忙期と閑散期の差を理解する

京都は春の桜、秋の紅葉シーズンに観光客が集中しやすく、夏や冬は来訪者が減る傾向があります。この「繁忙期と閑散期の差」を理解しておきましょう。

 

たとえば、春や秋に売上のピークが来る一方で、閑散期には家賃や人件費などの固定費が重くのしかかることも。安定した経営を目指すには、閑散期を見越した資金繰りの準備や、オンライン販売などで季節の影響を和らげる工夫も必要です。

地域のイベントに参加する

京都では、商店街の催しや地域主催のマルシェ、市民向けイベントなどが数多く開催されています。こうしたイベントに積極的に参加することで、地元とのつながりが深まり、思わぬビジネスチャンスが生まれることもあります。

 

たとえば、知り合った地元商店とコラボ商品を開発したり、地域の口コミで顧客が増えたりと、長く愛されるお店になるきっかけにもなります。とくに開業直後は知名度アップにもつながるため、積極的に地域に関わる姿勢が大切です。

 

関連記事:京都の起業イベントと概要は?聞くことと参加後にやること

京都の専門家に相談する

初めての起業では、「資金はどれくらい必要?」「税金のことがわからない」「補助金は受けられる?」といった不安がつきものです。そのようなときは、京都での創業支援に詳しい専門家に相談するのが近道です。

 

税理士であれば、開業届や事業計画の作成、融資申請、補助金の活用など、幅広くサポートしてもらえます。専門家の目線でアドバイスを受けることで、リスクを避け、スムーズにスタートを切ることができます。

 

関連記事:京都市で税理士に無料相談する方法は?効率よく相談するポイントと探す方法

起業の悩みは京都の石黒健太税理士事務所へご相談ください!

京都での起業には、地域ならではの商習慣や制度、観光との関わりなど、独自のポイントが数多くあります。「事業形態はどうすべき?」「開業資金が足りるか不安」「補助金や融資の申請方法がわからない」など、起業前後にはさまざまな悩みがつきものです。

 

私たち石黒健太税理士事務所では、京都で起業を目指す方のために、開業準備から税務・資金調達・経営サポートまでトータルでサポートしています。地元密着だからこそできる親身な対応と、実務経験に基づいたアドバイスで、あなたの夢の実現を全力でお手伝いします。

 

起業の一歩を踏み出す前に、まずはお気軽にご相談ください

 

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