創業・起業

起業したいけどアイデアがないときの対策は?起業アイデアが思いつかないときの対策と成功率を高めるポイント

「起業したいけれどアイデアがない」と悩んでいませんか?意欲があっても、どのようなビジネスを展開するかが決まらないと起業に向けて動き出せません。アイデア出しで考えが煮詰まってしまう人は、斬新なアイデアを求めすぎている傾向があります。

 

自分のスキルや経験を活かして独立するのも立派な起業です。既存のビジネスモデルを活用してビジネスチャンスを得られる可能性もあります。起業するためには必ずしも目新しいアイデアが必要とは限らないのです。

 

この記事では、起業アイデアが思いつかない人におすすめの仕事やアイデアの発想法、起業の成功率を高めるポイントを詳しく解説します。

目次

起業したいけどアイデアがない人でも起業は可能

起業したいという思いはあっても、ビジネスのアイデアが思いつかずに足踏みしている人は少なくありません。しかし、実は「オリジナルの画期的なアイデアがなければ起業できない」というわけではありません。多くの起業家が、最初は既存のビジネスモデルを参考にしたり、自分の得意なことを活かしたりしながら事業を始めています。

起業にオリジナルのアイデアは必要ない

「起業」と聞くと、まったく新しい発想で世の中を変えるようなビジネスを創出することをイメージしがちですが、実際にはそうではありません。成功しているビジネスの多くは、すでにあるアイデアを応用したり、改良したりしたものです。

 

たとえば、ハンドメイド販売などの昔からあるビジネスでも、他にはない自分のオリジナル作品を売り出すことで新しい価値を生み出せます。既に同じようなサービスがあっても、「もっと低価格でできる」「もっとスピーディーにできる」など競合と差別化すればビジネス化が可能なケースも多いです。

 

また、他業種の成功事例を自分の分野に応用することも可能です。サブスクリプション(定額制)サービスは、音楽や動画配信だけでなく、食品、アパレル、コンサルティング業界などさまざまな分野で活用されています。

 

起業には特別なアイデアが必要という思い込みを捨てて、既にあるビジネスをどう活かすかという視点で考えてみましょう。

起業とアイデアどちらが目的か明確にする

起業するためにアイデアを考えていたはずが、良いアイデアを考えること自体が目的になってしまっているケースもあります。アイデア出しばかりしていても、肝心の行動を起こせなければ意味がありません。

 

起業の本質はアイデアの独創性ではなく、起業した後、いかに収益を上げて事業を継続させるかにあります。「オリジナルのビジネスアイデアが浮かばないから起業できない」と悩んでいる人は、本質に立ち返り、自分自身がビジネスとして継続していけそうなことがないかを検討しましょう。

 

たとえば、会社員時代に培ったスキルを活かしてフリーランスとして活動するのも、立派な起業の形です。コンサルタント、エンジニア、デザイナーなど、さまざまな分野で独立が可能です。営業力やマーケティング力に自身がある人は、代理店ビジネスを始める方法もあります。身近なところに自分の能力を発揮できるフィールドが見つかるかもしれません。

 

関連記事:起業するにはまず何から始める?スムーズに進めるための5つのステップと成功する人の特徴

起業したいけどアイデアがない人におすすめの仕事

特別なアイデアがなくても、自分のスキルや経験、興味を活かせる分野を見つけることで無理なく事業化できます。ここでは、起業アイデアが浮かばない人でも始めやすい仕事を5つの視点から紹介します。

自分のスキルや経験が活かせる仕事

会社員としての経験や培ったスキルを活かして独立するのはリスクが少ない起業方法です。特に、以下のような専門スキルを持っている職種は独立する人も多いので、周囲にロールモデルとなる人がいる場合もあります。

 

スキルや経験が活かせる仕事の例

・コンサルタント

・エンジニア

・Webマーケター

・デザイナー

・翻訳・通訳

・スポーツトレーナー

・キャリアコーチ

 

自分がもっているスキルを活かすことで、ゼロからビジネスを構築するよりもスムーズに事業をスタートできます。

初期費用が少ない仕事

最初に設備投資のために大きな資金が必要な仕事や、在庫を抱えるリスクがある仕事は起業のハードルが上がります。一方、初期費用を抑えて起業できる仕事は、売上が少ない期間でも事業を維持しやすいため、気軽に始めやすいのが特徴です。

 

初期費用が少ない仕事の例

・動画編集

・ブログ運営

・YouTubeチャンネル運営

・配達員

・パーソナルトレーナー

・家事代行

 

関連記事:40代が独立開業しやすい仕事の条件は?低資金で開業できる仕事と失敗しないためのポイント

趣味が活かせる仕事

趣味を仕事にすることで、楽しみながら事業を続けやすくなります。ただの趣味の延長と思っていても、特定の分野に深い知識や技術を持っている場合は大きなビジネスチャンスとなる可能性があります。

 

趣味が活かせる仕事の例

・カメラマン

・アクセサリー制作

・アート作品販売

・eスポーツコーチ

・スポーツインストラクター

地域密着型の仕事

地域のニーズに応えるビジネスは、安定した需要が見込める点が魅力です。特に、地方では競争が少ない分、ビジネスチャンスが広がっています。地域に根ざしたビジネスは口コミで顧客を獲得しやすく、安定した経営を目指すことができます。

 

地域密着型の仕事の例

・高齢者向け買い物代行

・食品などの移動販売

・子ども向け教室(学習塾、スポーツ教室など)

・農産物のオンライン販売

・地域限定のグルメビジネス

 

関連記事:京都の起業相談はどこでする?失敗例や対策・内容について解説

これからの時代にあう仕事

時代の変化を捉えたビジネスは、成長の可能性が高く、将来的な収益拡大も見込めます。特に、デジタル化が進む中で新しいビジネスモデルが次々に登場しています。

 

これからの時代にあう仕事の例

・オンラインスクール運営(語学、プログラミング、資格取得支援)

・サブスクリプション型ビジネス(定期便サービス、オンラインサロン運営)

・シェアリングエコノミーの活用(民泊、カーシェアリング)

 

石黒健太税理士事務所では、起業を考えている方に向けて経営コンサルティングや事業計画書作成などさまざまなサポートを行っています。起業したい気持ちはあるのに自分のスキルや趣味を活かして事業をやっていける自信がない方や、事業化できるイメージが湧かない方は、ぜひお気軽にご相談ください。

起業アイデアが思いつかないときの対策

起業アイデアが思いつかず悩む人は多いですが、アイデアは突然ひらめくものではなく、意識的に情報を整理して探すことで見つかりやすくなります。良いアイデアが浮かばないときは、以下に紹介する方法を試すことをおすすめします。

ターゲットを絞って考える

「何をやるか」よりも「誰に向けて、誰のためにやるか」を先に決めるとアイデアが出やすくなります。ターゲットが明確になると、その人が抱えている課題やニーズに基づいてビジネスの方向性を考えられるからです。

 

まずどのような人の役に立ちたいかをイメージし、ターゲットが困っていることをリストアップします。その中から自分が商品やサービスとして解決策を提供できるものは何かを考えるとわかりやすいでしょう。

 

たとえば、忙しい共働き世帯の「仕事が終わってから買い物をして帰って夕飯を作るのが大変」という困りごとに対して、献立を考える必要のない宅配サービスという解決策を提供する、というように考えます。「誰のどんな悩みを解決するか」に焦点を当てるので、具体的なアイデアが生まれやすくなります。

思いつくままにアイデアを書き出す

アイデアが浮かばないときは頭の中だけで考え込まず、付箋やホワイトボード、オンラインツール(Notion、Googleドキュメントなど)を使って自由に書き出してみましょう。

 

この方法はブレインストーミング(ブレスト)と呼ばれ、アイデアを制限せずに出すことで新たな発想を促す手法です。チームで行うイメージがある人も多いかもしれませんが、ひとりでも効果的に行えます。ブレインストーミングのポイントは以下の通りです。

 

1.テーマを明確にする

テーマが漠然としているとアイデアが広がりすぎて考えがまとまりにくくなるため、最初にテーマを具体的に決めることが大切です。

 

NG例:いい起業のアイデアは?

OK例:自分のスキルを活かして、1年以内に軌道に乗せられるビジネスは?

 

2.時間を区切ってアイデアを書き出す(発散フェーズ)

5~15分程度の時間を決めて、短時間で一気にアイデアを出します。時間をかけすぎると同じ発想のループに陥りやすいので、タイマーをセットして制限時間内にひたすら書き出す方法が有効です。

 

アイデア出しの段階では、批判や否定をしないことが大前提です。アイデアの良し悪しは後で判断すればよいので、質より量を重視してとにかくたくさんのアイデアを出しましょう。

 

3.アイデアを整理する(収束フェーズ)

たくさん出したアイデアを整理します。似たようなアイデアをまとめて「低コスト」「スキル活用」のようにグループ化する方法や、「スキル活用×将来性」など2つの要素を掛け合わせた四象限のグラフを作ってアイデアをプロットしていく方法などがあります。

 

情報を整理できたら優先順位を決めましょう。すぐ実行できるもの、準備が必要なもの、長期的に検討するものに分けて、実現可能性が高いものを具体的な行動に落とし込みます。思考を可視化することで、新たな気づきが得られやすいのがブレインストーミングの特徴です。

SCAMPER法を活用する

SCAMPER法は、既存のアイデアをアレンジして新しいアイデアを生み出すフレームワークです。7つの視点で考えることで、独自のビジネスモデルを発見できます。

 

SCAMPER法の7つの視点

Substitute(代替)

何か別のものに置き換えられないか?

(例:カフェ→キッチンカー)

Combine(結合)

異なるものを組み合わせて新しい価値を生み出せないか?

(例:学習×エンタメ)

Adapt(適応)

他の業界の手法を自分のビジネスに応用できないか?

(例:サブスク×美容)

Modify(修正)

サイズやデザインを変えて、新たな需要を生み出せないか?

(例:超高級or格安)

Put to another use(用途転用)

今までと違う使い方はできないか?

(例:子ども向け→高齢者向け)

Eliminate(削除)

不要な要素を取り除いて、シンプルにできないか?

(例:店舗→オンライン専門)

Reverse(逆転)

視点を180度変えて、新たな発想を生み出せないか?

(例:顧客が来る→こちらから訪問する)

 

SCAMPER法を使うと、既存のひとつのアイデアから複数の派生アイデアを生み出せます。「この商品を別の用途で使えないか?」など具体的な質問をもとに考えるので、思考の足がかりが作りやすく、実現可能性が高いアイデアが生まれやすいのが特徴です。ブレインストーミングではアイデアが煮詰まってしまう人にもおすすめです。

既存のサービスや商品を掛け合わせる

ゼロから新しいアイデアを生み出すのではなく、既存のサービスや商品を組み合わせることで、ユニークなビジネスを作ることも可能です。たとえば、フィットネスとカフェの組み合わせで健康志向の人向けのプロテインカフェなど、まったく異なる業種の組み合わせで顧客のニーズに刺さるビジネスを展開できる可能性があります。

 

いきなり斬新な組み合わせを考えようとするのではなく、自分自身の「こんな商品・サービスあったらいいな」という視点で考えるとよいでしょう。

旅に出て新しい発見をする

新しい環境に身を置いて新たな視点を獲得するのも有効です。特に、他の地域や国のサービス、ビジネスのトレンドをいち早く取り入れることで、有利に事業を展開できる可能性があります。

 

たとえば、移住者向けに地方の暮らし体験サービスを展開する、ヨーロッパのエコフレンドリーなビジネスを日本のサステナブル市場向けに展開するなど、新しい環境で得た知識や体験が、起業アイデアにつながることも珍しくありません。

 

アイデアがなかなかまとまらない人や、自分のアイデアが現実的に事業としてやっていけるのか不安な人は、専門家に相談するのもよい方法です。石黒健太税理士事務所では、あなたの起業のお悩みに専門的なアドバイスをいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

起業の成功率を高めるポイント

起業して事業を継続していけるか、成功できるかは多くの起業家が不安に思うことです。ビジネスにリスクはつきものですが、できる限りリスクを回避して起業の成功率を高めるためにできることがあります。

実現可能な事業計画書を作成する

事業計画書は、起業家のビジネスについてのアイデアを具体的なビジネスモデルに落とし込むための設計図です。資金調達の際に金融機関や投資家へ提示する重要な資料にもなります。

 

事業計画書の主な内容

事業概要

事業の概要、創業の経緯など

ビジネスモデル

商品・サービスの内容や特長、マーケティング戦略など

市場分析

ターゲット顧客や競合他社の分析、自社の優位性

資金計画

必要な初期投資や運転資金、資金調達の方法

収支計画

売上や経費の予測

 

計画があいまいなままで事業を始めてしまうと、途中で方向性を見失い、資金が尽きてしまうリスクが高まります。必要に応じて税理士や経営コンサルタントのサポートを受けながら、しっかりとした計画を立てましょう。

 

関連記事:事業計画書のスムーズな作り方とは?わかりやすい方法を解説

健康管理とストレス解消を心がける

起業を成功させるには自分自身の健康管理も忘れてはいけません。起業後は、自分の働き方を自分で決めなければならないので、プライベートと仕事の切り替えが難しくなりがちです。しかし、経営者が心身の健康を損なうと、事業が継続できなくなるリスクがあります。

 

健康管理も仕事のうちと捉えて、忙しくても食事と睡眠をきちんととり、適度に運動するなど規則正しい生活をしましょう。趣味やリラックスできる時間を持ち、ストレスを溜め込まないことも大切です。起業家として長く活躍するためにも、健康管理を意識しましょう。

新しい情報や知識を積極的に吸収する

市場は刻々と変化しているため、ビジネスを成功させるためには新しい情報や知識を積極的に学ぶことが欠かせません。ターゲットとする市場や競合他社の動向には常にアンテナを張り、情報収集するとよいでしょう。

 

経営者として必要なのは事業の専門領域の知識だけではありません。マーケティング、営業、会計などの知識も幅広くもっていたほうが有利です。起業してからも、本やセミナー、オンライン講座など活用しながら学び続けることで、自分自身も事業も成長し続けられます。

ターゲットに合わせたマーケティング活動をする

どんなに良い商品やサービスを提供していても、ターゲット層に届かなければ売上につながりません。誰に向けた商品・サービスなのかを明確にし、広告や宣伝の方法を選びましょう。SNS、ブログ、チラシ、口コミなど、ターゲットによって効果的なマーケティング手法は異なります。

 

一定数の顧客と信頼関係を築いたら、「お客さまの声」のような口コミや実績をアピールすることで信頼を獲得する方法もあります。マーケティングは売上に直結する重要な要素です。すぐに成果が出ないケースもありますが、継続して分析・改善を行いながら効果的な手法を模索しましょう。

会計と税金の知識をつける

帳簿作成や税務申告は事業を運営する上で避けて通れません。会計や税金の知識が不足していると、資金管理が適切にできず資金繰りが悪化してしまうおそれがあります。正しく税務申告ができないと、後からペナルティを受けたり、本来払わなくてもよい税金を払うことになったりするため要注意です。

 

経営者自身も会計と税金の知識があるにこしたことはありませんが、初めての起業で会計や税務まで勉強するのは簡単ではありません。全部自分でやろうとせず、税理士と相談しながら基本的な会計・税務の知識を身につけていくことをおすすめします。

 

関連記事:会社が税理士を雇わないリスクは?税理士なしで法人決算をする方法と費用を抑えるポイント

経験豊富な専門家からアドバイスを受ける

初めての起業で何から始めてよいかわからない人は、経験豊富な専門家のサポートを受けましょう。専門家の視点からアドバイスを受けたり、自分で行うのが難しい手続きを依頼したりすることで、起業の準備がスムーズに進み、事業を始めてからも安心です。

 

法人を設立することが決まっている場合や法人の種類で迷っている場合は、登記の専門家である司法書士に相談するのも手です。営業するために許認可が必要な業種(飲食業、建設業、宅建業など)の場合は、許認可申請に強い行政書士に相談しましょう。

 

会計や税務に不安がある場合は、税理士に相談するのがよいでしょう。起業に強い税理士は経営コンサルタントの役割も兼ねている場合があり、事業計画や資金調達など経営に関する幅広い悩みを相談できるのが特徴です。専門家の手を借りることでリスクを回避し、成功に向けた準備を整えることができます。

 

関連記事:いい税理士はすぐわかる?面談やホームページで見極めるポイントを解説

起業の悩みはお気軽にご相談を!

起業に特別なアイデアは必要ありません。あなたのスキルや経験を生かせるビジネスや、既存の商品・サービスへの気づきから生まれる新たなビジネスもあります。「良いアイデアがないから起業できない」と悲観せず、この記事で紹介した発想法を試してアイデアを広げてみましょう。


石黒健太税理士事務所では、あなたの起業に関するお悩みを丁寧に伺い、起業の専門家の立場からアドバイスいたします。資金計画や事業計画の策定など、税金のことだけではなく経営について幅広くご相談いただけます。電話での相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

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