創業・起業

とにかく起業したい30代が今するべきことは?焦って起業するリスクと成功するためのポイント

とにかく起業したいと思いながらも、スキルがなくて不安になったり、何から始めればいいのかわからずモヤモヤしたりしていませんか?30代になると自分のキャリアを見つめなおし、起業したいと考える人は少なくありません。スキルは大切ですが、起業した後でも身につけられます。

 

一方で、資金計画など十分な準備が整わないまま焦って起業してしまうと、思わぬ失敗につながるリスクもあります。この記事では、起業を成功させるために30代が今するべきことや、焦って起業するリスク、起業を成功させるポイントについて詳しく解説します。

目次

とにかく起業したい30代が今するべきこと

起業したいと考えている30代の方は、十分なスキルがないと悩んだり、早く何か始めなければと焦ったりすることも多いものです。しかし、起業に焦りは禁物。成功するためには、段階的に自分のアイデアを具現化し、実現可能なプランを立てることが大切です。

 

なぜ起業するのか、誰に何をどのようにして売り出すのか、そのためにはどのような知識やスキルが必要なのかなどを順序立てて考えていくと事業のビジョンが見えてきます。

ステップ1:起業の目的を明確にする

まず「なぜ起業したいのか」を考えることが大切です。起業の目的を言語化することで、自分が何に情熱を持っているのか、どのような価値を提供したいのかが見えてきます。あなたが起業したい理由は、将来のビジネスの方向性を定める重要な要素です。

 

たとえば「多くの企業が採用活動で機会損失しているので、その解決に向けたサービスを提供したい」というように、成功した起業家たちは、自らの経験から目標を導き出し挑戦を続けています。目的が明確であればあるほど経営判断が容易になり、周囲からの支援を得やすくなります。

ステップ2:アイデアを具体化する

目的が明確になったら、次はその目的を達成するためのアイデアを具体化しましょう。この段階では、自分のアイデアが本当に市場のニーズに応えるものなのかを確認するための市場調査が重要です。

 

たとえば、近年の健康志向の高まりを受けて、健康食品やフィットネス関連のビジネスをすることができます。トレンドを理解し、そこに自分のアイデアを組み込むことで、競争力を持ったビジネスを展開できます。

 

また、競合分析も欠かせません。競合他社が提供している商品やサービスの強み・弱みを理解することで、自分のビジネスの独自性を際立たせ、顧客に選ばれやすくなります。

関連記事:起業したいけどアイデアがないときの対策は?起業アイデアが思いつかないときの対策と成功率を高めるポイント

ステップ3:マーケティング戦略を練る

どのようなサービスを売り出すかアイデアを出したら、次はマーケティング戦略を練りましょう。ターゲットを明確にし、どのようにアプローチするかを検討します。

 

オンラインでの情報収集が多い現代においては、SNSやブログを活用したプロモーションが効果的です。

 

たとえば、Instagramでのビジュアルマーケティングは商品の魅力を視覚的に伝えたい場合に有効です。また、ブログ記事や動画コンテンツを利用して潜在顧客との信頼関係を築くこともできます。流行りに乗るだけでなく、自分のビジネスに合った方法を選択することが大切です。

ステップ4:必要な知識とスキルを身につける

業種によっては独立して仕事をするのに必須の資格があります。しかし、スキルアップのための学びは起業してから段階的に行うこともできます。事業に直結するスキルだけでなく、マーケティングや経営など経営者として必要な知識も少しずつ得ていくのがおすすめです。

 

オンライン講座や書籍から気軽に業界の最新情報や実践的な知識を得られます。セミナーやワークショップに参加すれば、同じ志を持つ仲間と出会い、ネットワークを広げるチャンスも得られます。起業前の段階で一度にすべての知識やスキルを身につけようとするのではなく、継続して学ぶことが大切です。

 

関連記事:起業するにはまず何から始める?スムーズに進めるための5つのステップと成功する人の特徴

ステップ5:資金を集める

起業のためには資金が必要です。オフィス賃貸や、設備導入など初期費用として大きな資金が必要なケースもあります。また、売上が確保できるまでの運転資金も準備しておかなければなりません。どのくらいの資金が必要かを計算し、資金を集めましょう。

 

起業に必要な資金が自己資金だけでまかなえない場合は、金融機関からの融資や創業支援の補助金などを活用して資金調達ができます。ビジネスプランをしっかりと練り、金融機関や投資家に具体的な説明ができれば資金調達が成功しやすくなるでしょう。

 

初めて起業する方は、資金調達の方法や事業計画書の書き方がわからずに悩む場合も少なくありません。石黒健太税理士事務所では、あなたに合った融資制度や補助金・助成金をご提案し、事業計画書の作成や申請もサポートいたします。起業の準備でお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

とにかく起業したいけどスキルがないと諦める必要はない

「起業したいけどスキルが不足しているから、自分には無理だ」と起業を諦めてしまう人もいます。抜きん出たスキルをもった優秀な人だけが起業するイメージがあるかもしれませんが、起業した後でスキルアップして成功を納めた起業家も多くいます。スキルより重要なものがあることを忘れてはいけません。

スキルはあとで身につけられる

起業する際にもっていたほうが有利なスキルは多くありますが、すべてを完璧に持っている必要はないのです。たとえば、マーケティングや経営の知識を完璧に身につけてから起業するのは現実的ではありません。専門知識は膨大なうえに、トレンドは移り変わるものです。

 

多くの経営者が起業後に知識を身につけ、経験を通じてスキルを磨いていきます。実際に自分のビジネスを運営しながら学ぶことで、理論だけでは得られない実践的なノウハウを身につけることができます。

 

関連記事:40代が独立開業しやすい仕事の条件は?低資金で開業できる仕事と失敗しないためのポイント

スキルよりも重要なものがある

起業家に求められる具体的なスキルは後述しますが、スキルよりも重要なのが姿勢やマインドセットです。事業は始めるよりも続けることが難しいと言われます。

 

自分でビジネスを始めると、会社員時代には経験しなかった様々な困難に自分自身で立ち向かわなければなりません。ビジネスへの情熱や挑戦する気持ちがあれば、壁にぶつかっても何とか事業を続けていけるでしょう。

 

関連記事:個人事業主として起業するには何が必要?毎月やることと向いている性格を解説

自分では気づいていない強みは再発見できる

自分のことは自分がいちばんよく知っていると思いがちですが、自分では気づいていない強みもあるものです。自己分析を行ったり、他者の意見を聞いたりすることで、自分の強みや特性を新たに発見できます。

 

趣味や過去の経験など「自分にとっては普通だけど、他の人から見たらすごいこと」はあなた自身が気づいていない強みである可能性が高いです。自分の強みを再発見することで、ビジネスのチャンスが広がります。

 

関連記事:40代女性が起業するには遅い?手続きと一人で開業できる仕事を解説

30代が焦って起業するリスク

とにかく起業を急ぐあまり、リスクを軽視することは非常に危険です。ここでは、焦って起業することで発生するリスクを具体的に見ていきましょう。

資金計画が甘いと事業継続が困難になる

資金計画をしっかりと立てずに起業すると、運転資金が不足して事業が続けられなくなるおそれがあります。毎月の運転資金を売上でまかなえるようになるまで、時間がかかる場合も少なくありません。

 

初期費用だけでなく、事業が軌道に乗るまでの運転資金まで考慮した綿密な計画を立てておかないと、予想外の支出があったさいに資金繰りが困難になってしまいます。まずは焦らずビジネスプランを練り、資金計画を立てたうえで、必要な資金を調達するめどを立てましょう。

無駄に労力や時間がかかる

個人事業主と法人どちらで事業をスタートするのがよいか、開業のために必要な手続きにはどのようなものがあるかなど、よく下調べをしてから起業しましょう。とりあえず事業を始めることを重視して焦って起業すると、あとで簡単に軌道修正ができず大変な思いをする可能性があります。

 

たとえば、個人事業主と法人のメリットやデメリットを比較検討せずにとりあえず株式会社を設立してしまい、会社を維持するのに思ったよりも費用や手間がかかる……というケースもあります。

 

会社は設立の際にも費用がかかるうえ、やはり個人事業にしたいと思っても簡単にやめられません。起業も「急がば回れ」で、自分に合った起業の方法をじっくり検討した方が結果的にコストがかからないのです。

 

関連記事:個人事業主と法人化はどっちが得?シミュレーション結果を解説

収入が不安定になると家族との関係が悪化する

起業後は会社員の頃と比べると収入が安定しないことが多く、家族との関係に悪影響を及ぼすことがあります。起業すること自体には理解を得られていたとしても、経済的な不安定さが続くと不安や不満が募り、最終的には関係が悪化してしまう場合も少なくありません。家族とよく話し合い、家計まで考慮に入れた資金計画を練ることが大切です。

 

起業するためにどのくらいの資金が必要なのか、法人と個人事業のどちらがよいのかなど、初めての起業はわからないことが多いものです。石黒健太税理士事務所では、起業を検討中の方のお悩みを丁寧に伺い、起業に向けたシミュレーションやアドバイスをいたします。小さなことでもお気軽にご相談ください。

起業家に求められるスキル

起業を成功させるためには、さまざまなスキルが求められます。特に30代での起業は、これまでの経験を活かしつつ新たな挑戦をすることができる貴重な機会です。ここでは、起業家に特に重要とされるスキルを見ていきましょう。

コミュニケーション能力

自分ひとりで起業する場合は特に、顧客や取引先との信頼関係を築くことや商品・サービスを売り込むことも起業家の重要な仕事です。自分自身がビジネスの顔となり周囲と良好な関係を築くためには、コミュニケーション能力が不可欠です。

 

コミュニケーションは自分が話すだけではありません。顧客の意見や要望に耳を傾け、それに応じた提案を行うことで信頼を得られます。従業員やパートナーがいる場合は、チーム内での情報共有や意見交換を円滑に行うことで、業務効率を高めることが可能です。

自己管理能力

経営者はとにかくやることが山積みです。従業員がいない場合は、商品やサービスの提供のみならず、営業・マーケティング・事務などを一手に担い、自分でスケジュール管理をしてビジネスを推進することが求められます。

 

独立するとプライベートと仕事の境界があいまいになりがちですが、起業家は体が資本です。心身の健康を保つためにも、休む時間を自分で決めることが大切です。

 

また、日々の業務に追われる中でモチベーションを維持するために、定期的に振り返りを行い、目標に対する進捗を確認するとよいでしょう。自己管理は事業を継続するための鍵となります。

プレッシャーや逆境に負けないストレス耐性

ビジネスの運営にはリスクが伴い、時には厳しい状況に追い込まれることもあるでしょう。そうした逆境を乗り越えるためには、冷静に問題を分析し、適切な判断を下す能力が必要です。

 

たとえば、近隣に競合が出店してきて一時的に売上が落ちてしまったときに、落ち込んでばかりで対策を打たなかったり諦めたりしてしまうと事業の継続が難しくなります。プレッシャーや逆境に負けずに、逆にチャンスととらえて新しい施策を打ち出したり、我慢強く逆境を乗り越えたりできる人が長期的な成功を収められるのです。

継続力

起業は最初からうまくいくとは限りません。特に最初の数ヶ月や数年は思うように結果が出ないことも多いですが、諦めずに努力を続けることが成功の秘訣です。最初は数人の顧客しかいなくても、良いサービスや丁寧な対応を続けていれば評判のいい店として口コミが広まり、顧客が増える可能性があります。

 

SNSやブログも数ヶ月続けてようやく少しの成果が出てくる場合も少なくありません。すぐに成果が出なくても諦めることなく、忍耐強く続けることが大切です。

お金の知識

ビジネスの安定や成長のために、お金の知識は非常に重要です。たとえば、収支計画を立てて予算を管理することで、必要な資金を適切に把握し、無駄な支出を避けられます。資金調達や補助金の知識も事業の成長に大いに役立ちます。

 

税務や財務などの一般的な知識は、経営者向けのセミナーや書籍などを活用して学ぶことができますが、お金の管理や計算に苦手意識がある人は難しく感じるかもしれません。

 

学んだことを実務でどう生かせばいいかわからない場合や、難しくてよくわからない場合は、税理士などの専門家に個別に相談して自分自身のビジネスに合ったアドバイスをもらう方法もあります。

起業が成功するためのポイント

起業を成功させるためには準備が肝心です。焦ってとにかく起業しようと思っている方も、いったん立ち止まって準備がしっかりできているかを確認しましょう。ここでは、起業成功のポイントを5つ紹介します。

ターゲット顧客を明確化する

あなたの提供する商品やサービスは、誰のどのようなニーズに応えるものでしょうか。ターゲット顧客が定まっていないと、マーケティングの方向性がブレたり、集客に苦戦したりする可能性が高くなります。

 

ターゲットの年齢・性別・職業・居住地・志向性などを細かく掘り下げることで、効果的なマーケティング戦略を立てられます。また、ターゲット顧客の顔が見えるようになると、ニーズにピンポイントで応えるサービスを提供しやすくなるでしょう。

実現可能な事業計画を作成する

起業を成功させるためには、現実的かつ実現可能な事業計画を策定することが不可欠です。事業計画書には、ビジネスの目的やマーケティング戦略、資金計画などを詳細に書きます。資金調達の際などに金融機関に提出する重要な資料となります。

 

すぐに提出する予定がなくても、経営者自身が考えているビジネスプランを言語化することで今後の道筋や課題が見えやすくなります。起業のタイミングでしっかりと計画を立てておくことをおすすめします。

 

関連記事:事業計画書を税理士に依頼する費用の目安は?10〜15万円が相場

十分な資金を準備する

資金が不足すると事業継続が難しくなるリスクがあります。初期費用だけではなく中長期的な資金計画を立てたうえで、起業前に十分な資金を準備しておくことが大切です。自己資金だけでまかなえない場合は、金融機関からの融資などの資金調達方法を検討しましょう。

 

利用できる融資制度や補助金がわからない場合は、金融機関や行政機関に直接聞く方法のほか、融資支援や補助金申請に強い税理士などの専門家に相談するのも有効です。

常に学び続け自己成長を追求する

起業家は常に学び続ける姿勢が求められます。ビジネス環境は日々変化しているため、業界のトレンドにアンテナを張ることで、競合他社に遅れをとらずに進化しつづけられます。

 

商品やサービスの品質に直結する資格を取得するのもおすすめです。たとえば、スポーツインストラクターが高齢者の運動指導の資格を取得して活躍の場を広げたり、エンジニアが開発ツールの認定資格を取得して受注を増やしたり、資格取得によりビジネスチャンスが広がった例は多くあります。

 

事業で忙しくても、意識的に学びや自己投資にリソースを割くことが自分自身とビジネスの成長につながります。

起業が得意な専門家に相談する

起業の準備には専門知識が必要です。初めて起業する人が、自分で必要な準備や手続きを調べて進めるのは時間と労力がかかります。独学で進めることに不安を感じることもあるでしょう。

 

そのような場合に頼りになるのが、税理士や経営コンサルタントなどの起業が得意な専門家です。不安や悩みを相談し、専門家の意見を取り入れることで、見落としていたポイントや改善すべき点を見つけられます。

 

専門家に依頼するとコストがかかりますが、説得力のある事業計画が立てられる、手続き忘れや遅れによる法的リスクを避けられるなど、長期的に考えるとメリットが多くあります。

今すぐ起業したい方はお気軽にご相談を!

とにかく起業したいと思っている方も、成功のためには焦らずにしっかり準備を進めることで、起業したあとに安定した経営がしやすくなります。しかし、初めての起業で何から手を付ければ良いのか分からない方も多いでしょう。


石黒健太税理士事務所では、起業を志す方に向けて、経営コンサルティングや融資・補助金申請サポートなど幅広いサポートを行っています。事業計画書の作成など、お客様が検討しているビジネスを具体化するためのお手伝いも可能です。お電話での相談もできますので、お気軽にご相談ください。

関連ブログ

ブログのアイキャッチ

起業するにはまず何から始める?スムーズに進めるための5つのステップと成功する人の特徴

法人

起業するにはまず何から始める? 起業したいと思ったら、最初にやるべきことは事業の

ブログのアイキャッチ

40代が独立開業しやすい仕事の条件は?低資金で開業できる仕事と失敗しないためのポイント

税理士

40代が独立開業しやすい仕事の5つの条件 40代はこれまでの人生経験や社会人経験

ブログのアイキャッチ

40代女性が起業するには遅い?手続きと一人で開業できる仕事を解説

税理士

40代女性が起業するには?スムーズに進めるための手続き 起業したいと思っても具体

ブログのアイキャッチ

個人事業主として起業するには何が必要?毎月やることと向いている性格を解説

税理士

個人事業主として起業したいけれど、性格的に向いているかわからない、起業のための準

ブログのアイキャッチ

個人事業主と法人化はどっちが得?シミュレーション結果を解説

法人成り

「法人化した方が得になるのかな」「法人化のタイミングがわからない 」個人で事業を

ブログのアイキャッチ

事業計画書を税理士に依頼する費用の目安は?10〜15万円が相場

税理士

  「事業計画書を税理士に依頼する場合、費用はどのくらいかかるのだろう

カテゴリ