女性起業家は自己資金なしでも融資を受けられる?融資以外で資金調達する方法とスムーズに起業するための対策
「起業に興味があるけど自己資金がない」「自己資金がなくても融資は受けられるの?」子育てや家事との両立を視野に、起業を考える女性も多いのではないでしょうか。しかし、起業でネックになるのが金銭面です。自己資金がないことで起業を諦める方もいるでしょう。
先に結論を言いますと、自己資金なしで融資を受けることは可能です。しかし、申し込み可能な融資制度や必要な準備を知っておかないと、融資が受けられず、起業が失敗に終わる恐れがあります。
また、「起業はリスクが高そうで不安」と悩んでいないでしょうか。資金調達は融資以外の方法もあり、調達方法によっては低リスクで起業することも可能です。
本記事では、女性起業家が自己資金なしで融資を受ける方法と、おすすめの融資制度について紹介します。資金調達の方法や融資の成功率を高めるポイントについても、わかる内容です。
目次
- 女性起業家は自己資金なしでも融資を受けられる?
- 融資を受けることができる
- 自己資金は融資の審査項目のひとつにすぎない
- 自己資金とみなされるもの
- 女性起業家が自己資金なしでも融資を受ける方法
- 創業融資を利用する
- 不動産担保ローンを利用する
- 資本性ローンを利用する
- 親や知人から借りる
- 日本政策金融公庫は自己資金なしでも融資を受けることができる
- 自己資金なしで申し込みできる制度
- 審査が厳しくなる
- 融資額は少なくなる
- 融資以外で資金調達する方法
- 補助金や助成金を活用する
- クラウドファンディングを利用する
- エンジェル投資家から出資を受ける
- 資金を持つパートナーと共同で起業する
- 保険を解約する
- 不要な資産を売却する
- 家族や親族から贈与を受ける
- 自己資金なしの女性起業家が融資成功率を高めるポイント
- 女性ならではの視点や強みを活かした事業であることをアピールする
- 女性向けの創業セミナーや相談会に参加する
- 融資に強い専門家に相談する
- 女性が自己資金なしでもスムーズに起業するための対策
- 事業計画をしっかりと立てる
- 副業から始める
- 人脈を作る
- 専門家に相談する
- 起業や融資の悩みは気軽に相談を!
女性起業家は自己資金なしでも融資を受けられる?
日本政策公庫が実施する女性起業家支援や、自治体による女性起業家育成支援制度など、自己資金がなくても融資が受けられるものは多数あります。しかし、融資には、自己資金と認められる財産が決まっているなどの注意点があるので知っておきましょう。
ここからは、女性起業家が自己資金なしで融資を受けるために、知っておくべきポイントを3つご紹介します。
・自己資金なしでも融資は受けられる
・自己資金は融資の審査項目のひとつにすぎない
・自己資金とみなされるものが決まっている
くわしく解説していきます。
融資を受けることができる
女性起業家に関連する支援などを利用すれば、自己資金なしで融資を受けることができます。融資と聞くと、金融機関をイメージする方も多いですが、自治体や国の機関なども女性起業家への支援として融資制度を実施しています。
また、詳細は後述しますが、資産を担保にしてローンを組む方法や、無担保・無保証人で長期間の借入できる資産性ローンなどの方法でも資金調達が可能です。まずは制度ごとの違いを把握し、自分にあった融資や資金調達の方法を探すことが大切です。
自己資金は融資の審査項目のひとつにすぎない
起業や創業時に申し込みができる創業融資制度では、審査基準は公表されていません。しかし、一般的には、以下のポイントを踏まえて審査を行っていると言われています。
・自己資金
・経験や能力
・返済可能性
・資金使途
融資の審査では、これらのポイントから総合的に判断していると考えられており、自己資金も審査項目のひとつに過ぎません。そのため、自己資金がないと融資は受けられないと言うわけではないので知っておきましょう。
ただし、自己資金がない場合は、審査が厳しくなる恐れがあります。融資を受けるためには、ビジネスの将来性や確実性をアピールし、融資する側が抱える不安を払拭する必要があるでしょう。
自分の思い描くビジネスプランが実現可能で無理のないものかを判断するには、事業計画書の作成によるイメージの具体化が必要です。事業計画書については、後ほど解説します。
自己資金とみなされるもの
自己資金とは一般的に、現金や引き出し可能な預金など、起業や開業費に充てられる資産を指します。ただし、融資の場合は、「自己資金とみなされる資産」と「自己資金とみなされない資産」があり、書類審査を通じて自己資金の有無を確認されます。
自己資金とみなされる資産 |
自己資金とみなされない資産 |
・預貯金 ・不動産や車などの資産を売却したお金 ・親族などから贈与された資産 ・退職金 ・相続によって継承した財産 |
・タンス預金 ・返済義務のあるお金 |
自己資金とみなされる資産は、基本的に資金の出所が明確な資産です。一方、自己資金とみなされない資産は、出所が明確に確認しづらいとされる資産です。
自己資金を用意していても、所有する資産の種類によっては、自己資金なしと判断されてしまう恐れがあるので注意しましょう。
女性起業家が自己資金なしでも融資を受ける方法
起業時に自己資金なしで融資を受けるには、以下の方法があります。
・創業融資を利用する
・不動産担保ローンを利用する
・資本性ローンを利用する
・親や知人から借りる
これらの融資には、メリットやデメリット、特徴など様々な違いがあるため、自分にあった融資を見つけるためにも、まずは概要をしっかりと把握しましょう。
内容について詳しく解説していきます。
創業融資を利用する
創業融資とは、創業時や起業時に受けられる融資のことで、具体的には、日本政策金融公庫が実施する新規開業資金や、自治体が実施する創業支援制度などがあります。
創業や起業などのスタートアップでは、設備投資や人件費などでまとまった資金が必要になることも多いです。しかし、実績がない事業者の場合、返済能力などが乏しいと判断され、金融機関から融資を断られることも珍しくありません。
創業融資は、起業をサポートすることが目的であるため、実績が乏しくても融資を受けられる可能性が高いことはメリットと言えるでしょう。
また、日本政策金融公庫や自治体が実施する創業融資では、無担保で融資を受けられるものや、長期の返済が可能なものがあります。創業融資を活用することで、スムーズな起業が可能になり、無理な返済に追われるリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
不動産担保ローンを利用する
不動産担保ローンとは、自身が所有する土地などの不動産を担保に入れて、お金を借り入れるローンのことです。不動産担保ローンは金融機関が実施しており、金融機関ごとに金利が異なります。
無担保のローンよりも比較的低金利なのが特徴で、不動産を担保にするため高額な融資を受けられるのはメリットです。しかし、返済が滞ると、担保不動産を競売にかけられる恐れがあり、担保不動産が自宅の場合は、住む場所を失うリスクが高まります。
不動産担保ローンを検討する際は、このようなリスクも踏まえ、返済可能な計画かどうかを十分に精査する必要があります。
資本性ローンを利用する
資本性ローンとは、無担保・無保証人で長期間の借入ができる制度です。元本の一括返済が可能なことや、業績悪化時に金利が低く設定されるなど、他の融資には見られない特徴があります。
また、資本性ローンは、金融機関の査定上、自己資本とみなされます。資本性ローンは、劣後ローンと呼ばれ、他の負債よりも支払順位が劣ります。そのため、経営難や倒産したときの回収見込みは低く、その性質から株式と同様のものと言えるでしょう。
資本性ローンが自己資本とみなされた場合、金融機関の審査基準の一つである「自己資本比率」が高くなる可能性があります。数値が高くなることで、経営が安定していると判断されるため、融資が受けやすくなるのはメリットです。
親や知人から借りる
親や知人から借りる方法は、金融機関のように、厳しい審査がない点はメリットと言えるでしょう。しかし、親や知人からの借金については、贈与とみなされる場合があり、贈与税の支払義務が生じる可能性がある点はデメリットと言えます。
また、個人間の貸し借りでは、急な返済を求められるなどの金銭トラブルも目立ちます。無用なトラブルを回避するためにも、契約書で内容を残しておくなどの対応策が必要です。
石黒健太税理士事務所では、資金調達に関するご相談を承っています。融資の審査について必要書類のサポートや、提案も行っておりますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。
日本政策金融公庫は自己資金なしでも融資を受けることができる
自己資本なしで融資を受ける一般的な方法には、日本政策金融公庫が実施する融資制度の利用が挙げられます。日本政策金融公庫は、政府系の政策金融機関で、国民生活事業として、小規模事業者や創業者などに事業資金の融資を行っています。
日本政策金融公庫の融資制度には、様々な種類があり、無担保・無保証人で融資を受けられる制度が多いのは、メリットと言えるでしょう。ただし、デメリットもあるため、良い面や悪い面も踏まえて利用を検討する必要があります。
ここからは、日本政策金融公庫の融資制度について、くわしく解説していきます。
自己資金なしで申し込みできる制度
日本政策金融公庫が実施する以下の制度については、申し込みの条件の中に、自己資金の要件がありません。いずれもスタートアップなどの新規事業の開始が申し込みの条件となっており、融資限度額は以下の額に設定されています。
融資制度 |
融資限度額 |
新規開業資金 |
7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン) |
7,200万円 |
中小企業経営力強化資金 |
7億2千万円(直接貸付) |
ただし、融資制度によって融資の目的が異なります。例えば新規開業資金は商品の仕入れや機械・車両の購入、店舗の改装などの設備投資や事業運営に必要な運転資金などです。別の用途に使用した場合は資金用途違反となり、一括返済を求められる可能性があることは知っておきましょう。
審査が厳しくなる
日本政策金融公庫の融資制度の審査通過率は、50%前後と言われています。半数が審査落ちしていることを考えると、融資を受けるのは簡単ではないことがわかります。
審査落ちの理由には、事業計画の見通しが悪い場合や、同業種での仕事の経験がないなどが挙げられます。自己資金なしで申し込み可能な分、審査が厳しくなることは知っておきましょう。
審査に通過するには、事業計画書によるビジネスの具体化や、融資の使用目的を明確にすることが欠かせません。融資の審査でお困りの方は、サポートさせていただくことも可能です。当事務所にぜひお気軽にご相談ください。
融資額は少なくなる
自己資金の有無は、融資の審査で見られているポイントです。そのため、自己資金がない場合は、希望する融資額に届かない可能性があります。また、自己資金の他、以下の理由も融資額が減額されることに繋がります。
・設備投資の規模が大きい
・収支計画の内容が不十分
これらの理由は、融資の減額だけでなく、審査に通らない原因となる恐れがあるので注意しましょう。以下の記事では、審査に通らない理由を徹底解説しています。
関連記事:法人の銀行融資の種類と特徴は?審査に通らない理由を解説
融資以外で資金調達する方法
融資で資金調達した場合、経営状況によっては、返済に頭を抱えることも珍しくありません。特に、事業が軌道に乗るまでは、赤字経営となり、最悪の場合、債務超過に陥るケースもあります。そのため、融資を受けること自体、リスクが高いと感じる方も多いでしょう。
しかし、資金調達の方法は、融資だけではありません。融資の他に、以下の方法でも資金調達が可能です。
・補助金や助成金
・クラウドファンディング
・エンジェル投資家からの出資
・共同起業
・保険を解約
・不要な資産を売却
・家族や親族から贈与を受ける
これらの方法は融資のような返済義務がないため、返済によって資金繰りが悪化するリスクを抑えることができます。内容をくわしく解説していきます。
補助金や助成金を活用する
補助金や助成金は、国や自治体が事業者に支給するお金のことで、国や自治体が掲げる政策目標に合致する事業を行う場合に支給されます。起業時に受けられる補助金や助成金には、主に以下があります。
・ものづくり補助金
・小規模事業者持続化補助金
補助金や助成金には返済義務はありませんが、融資と同様、受給を受けるには審査を通過しなければなりません。申請書類には、作成した事業計画書や申請書などが必要です。また、補助金や助成金の種類によって、対象者や必要書類、応募時期が異なるので注意しましょう。
クラウドファンディングを利用する
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募る方法です。一般的には自分が思い描くビジネスモデルや夢を発信し、共感した人が寄付を行うことで、資金が集まります。
共感が得られれば、多額の資金を集めることも可能で、審査などの複雑な手続きを必要としないのはメリットです。しかし、クラウドファンディングの内容によっては、所得税や贈与税などの税金が発生する恐れがあるのはデメリットと言えます。
また、クラウドファンディングでは、マーケティングの知識が必要です。市場のニーズを的確に捉えられていない場合、資金が集まらない可能性があるためです。多数から興味や共感を得るには、マーケットの動きなどから消費者の行動を分析する力が求められるでしょう。
エンジェル投資家から出資を受ける
エンジェル投資家とは、起業して間もない企業などに資金提供する投資家のことです。多くのエンジェル投資家は、事業が成長した際の配当などを目的としており、実績の少ないスタートアップしたての企業などを中心に出資します。
エンジェル投資家からの出資も返済義務はありませんが、集まる資金額は数百万円規模が多く、事業規模によっては資金不足になることも珍しくありません。また、経営が順調になり、余剰金が発生した場合には、エンジェル投資家への配当が必要です。
資金を持つパートナーと共同で起業する
一人で起業するのではなく、共同で起業する方法もあります。特に、資金を持つパートナーを見つけることができれば、自己資金なしでの起業が可能です。起業パートナーを探す方法には、以下が挙げられます。
・知人などから紹介を得る
・セミナーや勉強会に参加する
・異業種交流会に参加する
・起業に関するプラットフォームを利用する
ただし、探すときに注意しないといけないのが、同じ志や目標を持っているかどうかです。ビジネスモデルなどに違いが生じると、思わぬトラブルを招く恐れがあります。自身が行いたいビジネスモデルや事業などを明確にした上で募集し、意思疎通を行うことが大切です。
保険を解約する
自身が契約する生命保険などを解約し、解約返戻金を資金調達に充てることも可能です。解約手続き後は、1ヶ月~2ヶ月ほどで手元にまとまったお金が入ってくるため、資金を作りやすいのはメリットです。
しかし、保険の解約によって、病気や事故などのときに、必要な保障が受けられなくなることや、年齢によっては新しい保険に加入できなくなる点はデメリットと言えます。
解約するときは、デメリットを踏まえて慎重に検討する必要があるでしょう。また、複数の保険契約がある場合は、一部解約や保険内容を見直すことで、月々の支払額を減らすことができ、結果として、浮いたお金を起業資金に回すことが可能になります。
不要な資産を売却する
使用していない土地や車などを売却して、資金調達する方法もあります。立地や使用年数などによりますが、不動産や車などの財産は売却時にまとまったお金が入る可能性があります。不要な資産がある場合は、査定に出してみると良いでしょう。
また、不動産や車以外にも、家で使っていない家電などを売却することで、起業資金に充てられます。不動産などと比べて少額にはなりますが、不用品などがあれば積極的に売却することをおすすめします。
家族や親族から贈与を受ける
贈与を受け資金調達する方法もあります。しかし、贈与と融資は全く異なるものです。贈与は、自分の資産を相手方に贈ることで、受け取った側に返済義務は生じません。一方の融資では、お金の貸し付けによって、借りた側には返済義務が生じます。
また、贈与の場合、贈与税がかかる恐れがあり、無申告となった場合は、ペナルティを受ける可能性があります。贈与税は、贈与額が高額なほど税率が高くなる累進課税制度を採っているため、贈与額が高額な場合は、多額の税金の支払いが必要です。
税金の支払いによって、資金が目減りする恐れがあるので注意しましょう。
自己資金なしの女性起業家が融資成功率を高めるポイント
先ほどもお伝えした通り、自己資金がない場合は、融資の審査が厳しくなる傾向にあります。しかし、自己資金がなくても、以下のポイントを押さえておくことで、融資の成功率を高めることが可能です。
・女性ならではの視点や強みを活かした事業であることをアピールする
・女性向けの創業セミナーや相談会に参加する
・融資に強い専門家に相談する
くわしく解説するので、融資の審査で不安な方はぜひ参考にしてください。
女性ならではの視点や強みを活かした事業であることをアピールする
女性は出産や育児の経験や美容へのこだわりなど、男性にはない視点を持っていると言えます。また、SNSでの発信を得意とする女性も多く、SNSの発信力をビジネスに活用することで、店舗よりも高い集客効果が期待できます。
家計の支出管理を女性が行っている家庭も多いため、女性の視点を活かした事業であることをアピールできれば、事業の将来性が伝わり、融資の成功率を高めることができるでしょう。
女性起業家におすすめの業種は、Webライターやセラピストなどが挙げられます。事業のアイデアに困っている方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
関連記事:40代女性が起業するには遅い?手続きと一人で開業できる仕事を解説
女性向けの創業セミナーや相談会に参加する
女性向けの創業セミナーや相談会では、起業・創業の体験談や資金計画などのお金にまつわる話を聞くことができます。また、同じ志を持つ仲間が集まっており、知り合いを増やせるため、自己資金なしの起業に関する情報収集も期待できるでしょう。
創業セミナーや相談会は、商工会議所、中小企業支援センター、自治体に設置された男女共同参画センターなどで開催されています。
中でも、商工会議所などが開催するセミナーや相談会では、「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」を交付されることがあります。交付を受けると、助成金や融資の審査で優遇されやすくなり、融資の成功率を高めることが可能です。
関連記事:京都の起業セミナー・起業塾の選び方は?参加するメリットと注意点を解説
融資に強い専門家に相談する
融資に強い専門家に相談すれば、書類作成に関することや、面談のアドバイスなど、融資に関する様々なサポートが受けられます。特に事業計画書は、融資担当者を納得させられる内容でなければなりません。不十分な内容では、審査落ちとなる可能性が高まります。
融資に強い専門家は、これまでの経験やノウハウから審査で見られるポイントを把握しています。自己資金がない場合は、融資の審査が厳しくなるため、スムーズな資金調達を行いたいなら、税理士などの専門家に相談すべきと言えるでしょう。
また、融資に強い専門家の特徴には、以下が挙げられます。
・融資の実績が豊富
・自社にあった融資制度を紹介してくれる
・ヒアリングがスムーズに進む
石黒健太税理士事務所では、法人を含めた支援実績が200件以上あり、創業や起業などに携わった経験豊富なスタッフが在籍しています。融資を成功させた事例やノウハウをもとに、資金調達をサポートします。無料相談できますので、お気軽にお問い合わせください。
関連記事:融資に強い税理士の特徴は?探し方と資金不足の改善について解説
女性が自己資金なしでもスムーズに起業するための対策
起業には、設備投資などのまとまったお金が必要になるため、自己資金がなければ難しいと考えるのも無理はありません。しかし、事前の計画立てや、徐々に事業を大きくするなどの対策を行うことで、自己資金が少ない状態から起業することが可能になります。
ここからは、自己資金なしでもスムーズに起業するための対策を4つ紹介します。
・事業計画をしっかりと立てる
・副業から始める
・人脈を作る
・専門家に相談する
くわしく解説していきます。
事業計画をしっかりと立てる
事業計画書とは、商品などの経営ビジョンを言語化した書類です。利益の見込みや販路、資金調達に関する内容などを記載するため、思い描くビジネスが実現可能なものか、判断できるようになります。
また、事業計画書は、融資の申し込みで求められることの多い書類のため、事前に作成しておくことで、融資の申し込みがスムーズに進められるようになります。
事業計画書は、時間をかけてしっかりと作りこむことが大切です。慌てて作成すると、実現困難な計画になったり、数字の記載ミスなどが生じたりと、説得力に欠ける書類となってしまいます。
しかし、税務や経営の知識がない人は、事業計画書の作成が難しいと感じることもあるでしょう。事業計画書は税理士などの専門家のサポートを受けながら作成することで、事業の将来性や確実性が高まり、説得力のある書類になります。
関連記事:事業計画書を税理士に依頼する費用の目安は?10〜15万円が相場
副業から始める
副業から始めて、事業が軌道に乗ってきたタイミングで起業する方法もあります。副業は、起業よりも比較的低資金で始めることができるため、失敗のリスクを最小限に抑えることが可能です。
また、副業での経験は、起業で融資を受ける際、アピールポイントにもなり得ます。未経験の業種の場合、審査落ちする可能性が高くなるため、融資担当者の信頼を得たいなら、副業での実績作りをおすすめします。
以下の記事では、副業から起業や独立開業しやすい仕事を紹介しているので、気になる方はぜひお読みください。
関連記事:40代が独立開業しやすい仕事の条件は?低資金で開業できる仕事と失敗しないためのポイント
人脈を作る
起業して間もないときは、実績の少なさから仕事が獲得できないことも少なくありません。このような場合、運転資金が底をつくのが早く、追加の融資が必要になることもあるでしょう。
しかし、これまでの人脈を活かせれば、早期の仕事の獲得が可能です。顔見知りであれば、すでに信頼関係が構築されているため、新規営業よりも営業のハードルが低く、仕事も任せてもらいやすいでしょう。また、仕事を紹介してくれる可能性もあります。
売上が立つまでの時間が早ければ、事業が軌道に乗るスピードも早くなります。融資に不安がある場合は、事業成長の可能性を広げるためにも、積極的な人脈作りを行いましょう。
専門家に相談する
自己資金なしでの起業では、税理士などの専門家への相談がおすすめです。専門家に相談することで以下のメリットが得られます。
・書類作成などの手間や時間を削減できる
・自分にあった資金調達がわかる
・事業計画から課題や改善を洗い出せる
・起業後の節税対策について把握できる
起業後は、融資などの資金調達以外にも、経営面や税金など、様々な分野への対策が必要です。これらの対策が不足するケースでは、「資金不足に陥る」「税金の支払で利益が減少する」などの失敗が目立ちます。
起業後は長く事業を継続させることが大切なため、専門家の意見や提案をもとに、早期に対策を行いましょう。当事務所では、起業に関することや節税対策などの相談が可能です。お困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
関連記事:税理士は無料相談でどこまで対応してくれる?電話相談はおすすめできない理由と有意義にするポイント
起業や融資の悩みは気軽に相談を!
自己資金の有無は、融資の審査項目のひとつに過ぎません。自己資金がなくても、事業計画書などで事業の将来性を伝えることができれば、融資を受けることは可能です。
また、返済義務のない補助金や助成金を活用して資金調達を行うことで、融資よりも低リスクで起業することができます。しかし、資金調達の方法によっては、少額しか集まらないことがあるため、資金調達は事業規模や実情に合った方法を選択すべきと言えるでしょう。
石黒健太税理士事務所では、融資などの資金調達に関する経験やノウハウがあります。飲食業やサービス業など様々な業種での支援経験から、事業の特色にあった適切な資金調達の方法をご提案します。無料相談も可能なため、まずはお気軽にご相談ください。