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売上高は決算書のどこを見る?売上高と売上の違い・経営者が決算書に強くなる方法

 

「売上高を知りたいけど、決算書のどこに書いているのだろう」「売上高と売上があるけど、会社の年間の収入はどっちだろう」と、悩んでいないでしょうか。

 

決算書は、会社の経営状態を把握するための重要な資料ですが、数字が並んでいて専門用語も多く、とっつきにくいと感じることもあるでしょう。

 

売上高は会社の収入を把握する上で最も基本的な指標の一つです。会社の業績を知るためにも、決算書のどこに記載されているのか、きちんと理解することが大切です。

 

しかし、会社の本当の利益は、売上高だけでは判断できません。決算書には売上高以外に、仕入や経常利益などが記載されています。決算書を正しく理解し、分析することで今後の経営戦略を立てることが可能です。

この記事では、決算書のどこに売上高が記載されているのかについて解説します。また、経営者が決算書に強くなるための方法も具体的に紹介します。この記事を読めば、決算書を理解し、経営に役立てることができるようになるでしょう。

 

 

目次

売上高は決算書のどこを見る?

売上高は、企業が商品やサービスを販売することで得た売上の総額を示しており、会社の規模や成長性を判断する上で重要な要素となります。ここでは、決算書のどこを見れば売上高がわかるのかについて解説します。

損益計算書の一番上

売上高は損益計算書と呼ばれる書類の一番上に記載されています。決算書は、企業の財政状態や経営成績を明らかにするための書類です。

 

決算書は大きく分けて、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つから構成されています。このうち、キャッシュフロー計算書は中小企業には作成義務がありません。

 

売上高が記載されている損益計算書は、一定期間における企業の収益と費用、利益を示したものです。売上高から始まり、そこから売上原価や販売費及び一般管理費などの費用を差し引いて、最終的な利益を算出する構造になっています。

 

例えば、以下のように記載されています。

(単位:円)

項目

金額

売上高

1,000,000

売上原価

300,000

 売上総利益

700,000

販売費及び一般管理費

500,000

 営業利益

200,000

営業外収益

50,000

営業外費用

30,000

 経常利益

220,000

特別利益

10,000

特別損失

20,000

 税引前当期純利益

210,000

 法人税、住民税及び事業税

60,000

 当期純利益

150,000

 

上記の場合、売上高は1,000,000円です。このように、売上高は損益計算書の一番上に記載されています。

 

売上高の表記は会社によって異なる

売上高の表記は会社によって異なる場合があります。例えば「総売上高」や「売上金額」などです。表記が異なる場合でも、損益計算書の一番上に記載されている項目が、会社の売上高に相当すると考えてよいでしょう。

 

決算書を見てどの項目が売上高に当たるのかわからない場合は、「売上高」「総売上高」「売上金額」など、似ている項目を探してみてください。それでも判断がつかない場合は、税理士などの専門家に確認してみましょう。

 

関連記事:税理士は無料相談でどこまで対応してくれる?電話相談はおすすめできない理由と有意義にするポイント

売上高は貸借対照表のどこにも記載されていない

決算書には、貸借対照表と呼ばれる書類もあります。損益計算書と同様に、勘定科目や数字が記載されていますが、売上高は貸借対照表のどこにも記載されていません。

 

貸借対照表は、一定時点の会社の財政状態を表しています。簡単に言うと、「会社が今どんな資産を持っているか」「どんな負債を抱えているか」などを明らかにするものです。

 

貸借対照表が一定時点の財政状態を表すのに対し、損益計算書は一定期間の経営成績を表すという点が大きな違いです。売上高は、収益のため貸借対照表ではなく、損益計算書に記載されています。

売上高と売上の違い

売上高と売上、この2つの言葉は、混同して使われることも多いですが、実際には異なる意味を持っています。ここでは、売上高と売上の違いについて解説します。

売上は個々の取引から発生する金額を指す

売上とは、商品やサービスを販売した時に発生する金額を指します。例えば、1個1,000円の商品を1つ売ると、1,000円の売上です。1日に何十人、何百人と来店があれば、その都度、売上が発生します。

 

パン屋さんでパンを販売した時や、美容院でカットをしてもらった時など、あらゆる商取引に当てはまります。売上は個々の取引ごとに発生するものであり、日々の商活動の結果として生まれてくるものと言えます。

売上高は一定期間に集計された金額を指す

売上高とは、一定期間における売上の合計金額を指します。先ほどの例で言えば、1,000円の商品を1ヶ月間で30枚販売した場合、その月の売上高は30,000円です。

 

売上高は、日々の売上を一定期間で集計することで算出されます。1ヶ月ごと、あるいは1年ごとなど、任意の期間で集計できます。

決算書に記載されているのは売上高

決算書は、企業の経営状況を外部に示す重要な書類です。投資家や金融機関などが、企業の業績を判断する際に利用します。そのため、決算書には、一定期間における経営成績を総合的に示す売上高が記載されているのです。

 

売上は個々の取引の記録であり、決算書のような公式な書類には向いていません。企業全体の業績を把握するには、売上高を見る必要があります。

 

売上は個々の取引で発生する金額ですが、決算書に記載されるのは、それらを一定期間で集計した売上高であることを覚えておきましょう。

会社の儲けは売上高だけでは判断できない

売上高が多いからといって、必ずしも利益が発生しているとは限りません。利益は売上高だけで決まるのではなく、そこから経費を差し引いた金額で計算されます。

 

例えば、100万円の売上高を達成したとしても、材料費や人件費、家賃などの経費が90万円かかっていたとしたら、実際の利益は10万円となります。逆に、売上高が80万円でも、経費を50万円に抑えられた場合は、利益は30万円です。

 

売上高100万円 ー 経費90万円 = 利益10万円

売上高80万円 ー 経費50万円 = 利益30万円

 

このように、売上高と利益は必ずしも一致するわけではなく、経費をいかに抑えるかが利益を左右する重要な要素となります。利益を上げるためには、売上高を増やすだけでなく、経費を削減することも重要です。無駄な経費を洗い出し、効率的な経営を行う必要があります。

 

例えば、仕入れ先を見直して材料費を削減したり、業務を効率化して人件費を抑えたり、省エネ設備を導入して光熱費を削減したりするなど、様々な方法があります。

 

また、販売価格を見直すことも有効な手段です。ただし、価格を上げすぎると顧客離れにつながる可能性もあるため、市場の動向や競合との価格差などを考慮する必要があります。

 

利益が増えると税金が影響するため、法人税が気になることもあるでしょう。以下の記事では、法人税をざっくり計算する方法と、具体的な税金の金額について解説しています。

 

関連記事:法人税をざっくり計算する3ステップ!決算までにできる効果的な税金対策を解説

経営者が決算書に強くなる方法

会社の業績を把握し、今後の経営戦略を立てる上で、決算書を読み解く力は経営者にとって必要不可欠です。しかし、決算書の見方がわからない経営者の方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは、決算書に強くなるための具体的な方法を紹介します。

会計の基礎知識を身につける

決算書を理解するには、会計の基礎知識が欠かせません。会計は、会社の経済活動を記録し、報告するためのシステムです。このシステムを理解することで、決算書に記載されている数字の意味を正しく把握できます。

 

具体的には、簿記の知識を身につけることが重要です。簿記は、会社の取引を記録し、整理するためのルールです。簿記を学ぶことで、資産、負債、資本、収益、費用といった会計の基本的な要素を理解できます。

 

これらの要素は、決算書を構成する重要な要素であり、簿記の知識があれば、決算書をより深く理解できるでしょう。

 

例えば、簿記を学ぶことで、仕入れが発生したときに「仕入」という費用勘定を使用し、売上計上時に「売上」という収益勘定を使用するといった、取引の記録方法を理解できます。会計の基礎知識を身につけることで、決算書を理解するための土台を築くことが可能です。

感覚で経営をしない

中小企業の経営者の中には、長年の経験や勘に基づいて経営判断を行う方がいます。しかし、実際の数字と感覚が一致しないケースは少なくありません。

 

感覚だけに頼った経営は、以下のデメリットをもたらします。

・正確な経営状況を把握できない

・資金繰りの悪化につながる

 

まず、正確な経営状況を把握することができません。適切な経営判断ができないと、業績悪化につながる可能性があります。また、資金繰りが悪化するかもしれません。感覚的に資金に余裕があると思っていても、実際には不足している場合もあり、資金ショートのリスクが高まります。

 

例えば、感覚的に「今月はよく売れた」と感じていたとします。しかし、実際には食材費や人件費が高騰しており、決算書を確認すると赤字だったというケースは珍しくありません。

 

感覚だけに頼った経営は、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。感覚に頼らず、決算書に基づいた経営を行うことで、客観的な視点で会社の状況を把握し、的確な経営判断ができます。

 

関連記事:お金がない会社の特徴とお金が残らない本当の理由は?経営を安定化するための改善策

決算書を分析する

決算書を分析することで、会社の現状を把握し、今後の経営戦略に役立てることができます。分析の際には、以下の3つのポイントを意識しましょう。

・計画と実績を比較する

・各月を比較する

・前期の決算書と比較する

 

まず、計画と実績を比較することで、当初の計画通りに進んでいるのか、それともズレが生じているのかを把握できます。例えば、売上目標を達成できなかった場合は、その原因を分析し、改善策を検討しましょう。

 

次に、各月の業績を比較することで、季節変動やトレンドを把握できます。例えば、アパレル業界では、冬に売上が増加する傾向があります。このような季節変動を把握することで、在庫管理や販売戦略の最適化が可能です。

 

さらに、前期の決算書と比較することで、長期的な視点で業績の推移を把握できます。例えば、売上高が年々増加している場合は、順調に成長していると言えるでしょう。しかし、利益率が低下している場合は、コスト削減などの対策が必要となります。

 

これらの分析を行うことで、会社の強みや弱みを把握し、今後の経営戦略に活かすことが可能です。

経営に役立てるように組み替える

決算書は、会社の経営状況を把握するための重要な書類ですが、そのままでは理解しにくい場合があります。そこで、経営に役立てるように決算書を組み替える方法があります。

 

その一つが、変動損益計算書です。通常の損益計算書では、費用を「売上原価」と「販売費及び一般管理費」に区分していますが、変動損益計算書では、費用を変動費と固定費に区分します。

 

変動費とは、売上に応じて変動する費用のことで、材料費や販売手数料などが該当します。固定費とは、売上に関わらず発生する費用のことで、人件費や家賃などが該当します。

 

変動損益計算書を作成すると、損益分岐点売上高を計算することが可能です。損益分岐点売上高とは、利益がゼロになる売上高のことです。

 

損益分岐点売上高を把握することで、目標利益を達成するために必要な売上高を明確にできます。また、変動費と固定費を明確にすることで、コスト削減のポイントの把握が可能です。

 

例えば、変動損益計算書を作成した結果、固定費が過大であることが判明したとします。固定費を削減するために、家賃の安いオフィスへの移転や、人員の最適化などの対策ができるでしょう。

専門家から見方を学ぶ

決算書を読み解くのが難しいと感じたら、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家に相談すると決算書の数字だけでなく、業界の動向や会社の経営状況など、具体的なアドバイスを受けることが可能です。

 

例えば、資金繰りが悪化している場合は、その原因を分析し、改善策を提案してくれます。また、節税対策や事業承継など、経営に関する様々な相談をすることもできます。

 

専門家と継続的にコミュニケーションを取ることで、最新の会計情報や税務情報を入手可能です。また、経営に関する悩みや課題を相談することで、客観的な視点からアドバイスをもらえます。

 

しかし、専門家であれば、誰でもいいわけではありません。特定の業種に詳しい、経営分析ができるなど自社にあった税理士に相談することが大切です。

 

決算書の読み方や分析、税金対策などについての悩みなどは、石黒健太税理士事務所にご相談ください。未来に向けた財務面での戦略的アドバイスや支援を提供するサービスを実施しています。無料相談を実施していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

関連記事:自社にあった税理士の探し方は?気をつけることを税理士目線で解説

 

決算書の悩みは気軽に相談を!

決算書は大きく分けて、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つから構成されていますが、売上高は損益計算書と呼ばれる書類の一番上に記載されています。

 

しかし、売上高が多いからといって、必ずしも利益が発生しているとは限りません。利益を上げるためには、売上高を増やすだけでなく、経費を削減することも重要です。

 

決算書に強くなると、今後の経営戦略に役立てることができます。決算書を読み解くのが難しいと感じたら、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。


石黒健太税理士事務所は、お客様・経営者の隣に立ち、資金調達から経営成長戦略まで全力でサポートしています。税務だけでなく、補助金や助成金、資金調達などのサポートも可能です。決算書の悩みなど、まずはお気軽にお問い合わせください。

 

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