「困っているのに税理士が何もしてくれない」このようにお悩みではありませんか。税理士は、企業の税務や経営に携わるパートナーとも言えます。しかし、対応が不十分に感じるケースでは、税理士の必要性に疑問を抱く人も少なくないでしょう。
税理士が何もしてくれない理由は、税理士側と経営者側の2つの問題に分けられます。問題解決の後回しは、コストや経営面に悪影響を及ぼしかねないため、税理士の変更など、早めに対策した方が良いです。
本記事では、税理士が何もしてくれない理由を深堀し、今後の対策や依頼し続けることで生じるデメリットを紹介します。この記事を読むことで、税理士への不満が解決するでしょう。
税理士が何もしてくれない理由は?税理士側の問題
「税理士は税務や経営のスペシャリストで何でも知っている」と思われている方が多いですが、実際には分野に対して得意・不得意があり、経験も様々です。また、税理士事務所によってスタッフの数も異なるため、事務所ごとにサービスの品質に差があるのも事実です。
ここからは、税理士が何もしてくれないと感じるときの税理士側の問題を3つ紹介します。
担当する顧客数が多くて十分な時間を割けない
税理士事務所では、複数の顧客から依頼を受けて並行業務を行っているため、一件に対して十分な時間を割けないこともあります。
特に確定申告の時期は、個人からの依頼が殺到するため、法人への対応が手薄になりやすいです。税理士事務所の閑散期である夏場に相談するのも手ですが、節税や経営などの困りごとは、そのときでないと意味がないこともあるでしょう。
繁忙期だけ対応が不十分なケースは、珍しくありません。しかし、税理士が通年多忙で何もしてくれない場合、利益優先で顧客数を増やしていることも考えられるため、今後の対応は期待できないと言えるでしょう。
税理士の能力や経験が不足している
税理士と言えど、全ての業種の節税や経営に精通しているわけではありません。身近な税務だけでも、所得税、消費税、法人税、相続税などありますが、税理士それぞれに得意・不得意の分野があるのも事実です。
また、税理士の能力は経験に依存しているとも言えます。税理士としての経歴が長いほど、税務や経営のノウハウを多数持っており、支援した業界数も多い傾向です。若手税理士はベテラン税理士よりも、経験が劣る可能性があります。
顧客への関心が低い
関心が持てないと、ストレスや苦痛を感じてしまい、仕事に精が出ないのも事実です。税理士が自社に興味を持てない理由としては、主に次のケースが挙げられます。
・同業種での支援経験がないので、事業のイメージが湧かない
・人間関係などの信頼構築に興味がない
業界への知見がない場合は、税理士に説明する機会を設けることで改善される可能性があります。しかし、税理士の人柄が影響している場合は、対応が改善されることは期待できないでしょう。税理士費用が無駄になるので、早めに別の税理士へ変更することをおすすめします。
税理士が何もしてくれない理由は?経営者側の問題
税理士側の問題を紹介しましたが、経営者側にも問題がある可能性があります。税理士は税務や経営を改善させるためのビジネスパートナーであって、ともに働く従業員ではありません。税理士の携われる業務には限界があります。
あくまで主体は企業であり、不足する専門知識やノウハウを補うのが税理士の役割です。「税理士だからできるだろう」「自社を理解してくれているだろう」などの先入観によって、税理士を厳しく評価している可能性があります。
ここからは、企業側の問題をくわしく紹介します。
顧問料が低すぎる
顧問料が低いと、税理士に依頼できる業務内容やサービスの質が下がることが多いです。理由としては、低価格を実現するにあたり、コストカットをしているからです。顧問料のコストカットには以下があります。
・訪問を減らしてオンラインで面談する
・人件費削減のために若手の担当者が対応している
一般的に、顧問料は税理士が行う作業量と企業の売上高に比例します。格安税理士の場合、作業量や人件費削減の対策が取られているため、自社が求めるサービスは提供してもらえない可能性が高いです。
今の税理士が何もしないのは、顧問料が相場よりも低すぎることが原因かもしれません。格安税理士などで探した場合は、税理士を見直した方が良いでしょう。
将来の展望や抱えている課題を税理士に伝えていない
税理士が何もしてくれないケースでは、コミュニケーション不足が目立ちます。税理士との関わりは、人付き合いの部分が大きいです。
税理士に能力や経験があっても、事業拡大などの将来の展望や資金繰りなどの課題が伝わっていなければ、改善の提案を受けることは難しいでしょう。
経営者は多忙のため、時間を割くことは大変だと思いますが、税理士の訪問や面談時にどのようなことに悩んでいるか、話す時間をしっかり設けることも大切です。
税理士に過度な期待をしている
税理士の仕事は、法人税などの各種税金の申告書作成や関連する節税対策、納税のアドバイスがメインです。融資や資金繰り、帳簿処理などの会計業務はメインに付随する業務となります。
税理士の役目は税務や会計の知識から、企業の成長のためのサポートをすることで、経済活動などの主体はあくまで企業です。
そのため、「税理士だから何でもできるだろう」「赤字から回復させてくれるだろう」など、経営に対して過度な期待を持つことはやめた方が良いでしょう。
企業の経営方針、今後の展望を決めるのはあくまで企業です。税理士はそれらを実現するためのパートナーであることを知っておきましょう。
税理士が何もしてくれないときの対策
税理士が何もしてくれないときは、早期に対策しましょう。対策ができないと、コストや経営面に悪影響を及ぼす可能性が出てくるためです。税理士が何もしてくれないときの対策は、以下の4つになります。
・何に不満を感じているか把握する
・税理士に不満や要望を伝える
・他の税理士に相談する
・税理士を変更する
ここでは税理士が何もしてくれないときの対策について解説します。
何に不満を感じているか把握する
不満によって、税理士に求めることもことが変わってきます。税理士に不満を感じやすい理由の多くは、コミュニケーションの問題とサービスの問題に分かれます。
【サービスの問題】
・決算業務だけやって節税対策のアドバイスがない
・自社の参考になる良い情報がもらえない
・業務の対応が遅い
・IT化に遅れており、手作業での処理が多い
・税務署調査の対応が不十分で困った
【コミュニケーションの問題】
・話し方が上から目線
・連絡や返信が遅い
・質問に対しての回答がない
・説明がわかりづらい
・気が利かない
その他、資金繰りに対する知識がない、ミスが多いなどのスキル面の問題もあります。自社の状況を踏まえ、まずは何が不満なのか考えてみましょう。
税理士に不満や要望を伝える
不満が把握できたら、税理士に要望を伝えましょう。税理士とコミュニケーション不足のケースでは、要望が伝わることで意思疎通ができ、解決できる可能性があります。
何に悩んでいるかがわからないと、税理士も対応できません。「こんなことに悩んでいるから改善して欲しい」「こういう業務はやってもらえないか」など、具体的な改善点や求めていることを説明しましょう。
また、不満を感じている内容によっては、現在の契約では税理士側の対応が難しく、契約変更を勧められる可能性があります。オプションを追加することで、対応可能になる業務もあるからです。税理士に現在の契約と対応可能な業務内容は、再度確認しておきましょう。
他の税理士に相談する
税理士への不満について、他の税理士に相談することをおすすめします。税理士によって、料金体系や対応している業務範囲は様々です。今の税理士が追加オプションで対応している業務も、他の税理士なら、月額顧問料に組み込んで対応してくれるかもしれません。
また、今の税理士が相場より割高で報酬金額を設定していることもあり得ます。契約内容に対して妥当な報酬設定か判断するためにも、別の税理士に現状の不満も含めて相談しましょう。
当事務所では、経験豊富なアドバイザーが課題やお悩みについてアドバイスさせていただきます。無料でご相談できますので、お気軽にお問合せください。
税理士を変更する
税理士に不満を伝えても、改善の提案や承諾がなかったり、コミュニケーションが上手く取れなかったりする場合には、税理士の変更を検討しましょう。変更せずに契約し続けても、より良い成果は期待できず、費用などのコストが無駄になってしまうためです。
税理士の変更にあたっては、後述するポイントをしっかり押さえて新しい税理士を探します。やみくもに探すと、「いい税理士に出会えない」「探す時間や労力が多くかかってしまう」など、苦労することになりかねません。
また、急な税理士の変更は、引継ぎが上手くできず、決算に誤りが生じるなどの悪影響を及ぼします。経営への影響を最小限に抑えるためにも、余裕のある計画的な変更が大切です。
関連記事:京都で税理士変更するには?タイミングや失敗しないためのポイント
何もしてくれない税理士に依頼し続けるデメリット
何もしてくれない税理士に依頼し続けても、メリットは少ないです。むしろ、経営面やコスト面、人間関係において複数のデメリットがあるため、企業に悪影響を及ぼす可能性があります。経営が傾き始めてから対応するのでは遅いため、早期の対応が必要です。
ここからは、何もしてくれない税理士に依頼し続けることのデメリットを紹介します。
サービスに合わない顧問料が無駄になる
毎年発生する税理士への顧問料を負担に感じている方もいるでしょう。求めるサービスやサポートを受けられない場合、顧問料が無駄になっている可能性は否定できません。顧問料を割高に感じるケースは、以下の3つが考えられます。
・報酬の設定額が相場よりも高い
・決算など最低限の業務しかやってもらえない
・相談や提案などのサポートが手薄
作業量が少ないにもかかわらず、報酬を高く設定している悪質な税理士も稀にいます。しかし、企業の相談や課題に対して真摯に対応する誠実な税理士がいることも事実です。
顧問料を無駄にしないためにも、自社が求めるサービスを提供してくれる税理士を探すことが大切です。
ビジネスチャンスを逃す
企業のビジネスチャンスを増やすためには、資金や人材の確保が必要です。税理士は、税務や会計の知識をもとに、収支の過不足を確認して、資金繰りの改善や資金調達の提案ができます。
資金繰りは、ビジネスチャンスを増やすための種まきと言えるため、事業拡大を目指す企業にとって重視すべきポイントです。
何もしてくれない税理士の場合、適切なタイミングで資金の確保ができず、いざというときに資金不足に陥る可能性があります。運転資金がなければ、事業拡大どころか継続さえ危うくなります。
ビジネスチャンスを逃さないためにも、資金面や経営に関してアドバイスが期待できる税理士に変更することをおすすめします。
税務調査が不安になる
税務調査では、税務署からの指摘に対して、毅然としたスムーズな対応が求められます。対応が不十分だと、調査期間が長引く、協力が得られないと判断されペナルティを受けるなど不利益を被る可能性があります。
税理士が何もしてくれない場合、自社で対応する可能性が高くなるため、不安になるのは当然です。企業で税務の専門知識を持つ人材は少ないですし、帳簿などの書類は税理士が持っていることが多いので、自社だけでは対応できない恐れがあります。
また、税務調査の対応に追われてしまい、事業に専念できなくなるデメリットもあります。このような不安材料を取り除くためにも、税務調査にしっかり対応してくれる税理士に変更しましょう。
税理士とのコミュニケーションがストレスになる
税理士との相性が良くない場合、コミュニケーションを取ることがストレスになっている可能性があります。「相談しても上から目線の回答」「回答が遅い」など、やり取りで嫌な経験があると、税理士への悪いイメージは払拭しづらいです。
税理士と良い関係が築けるかは、コミュニケーションなどの相性の部分が大きいです。税理士に不信感があるまま契約を続けても、ストレスを感じるあまり関係が疎遠になる可能性もあります。
税理士と意思疎通できなければ、「税理士が企業の実情を知らないまま業務を行ってトラブルが発生する」など、問題を引き起こすことにもつながります。
最悪な事態を避けるためには、コミュニケーションが上手く取れる税理士を選ぶと良いでしょう。
税務上の課題がわからない
何もしてくれない税理士との契約では、税務上の課題が把握できず、資金面にまで影響が出ている可能性があります。
例えば、製造業の場合、設備投資を行った際に優遇される税制措置がありますが、企業が優遇措置を知らないまま、高額な税金を払っているケースは珍しくありません。
税理士から自社で把握していない課題や改善策が提案されると、企業の成長にも繋がります。しかし、何もしてくれない税理士ではこのような対応を期待することは難しいでしょう。
石黒健太税理士事務所では、税務はもちろん、経営の課題まで多くの企業様で改善提案を行ってまいりました。無料相談も行っているので税理士や課題についてお悩みの方は、ぜひお気軽にお問合せください。
新しい税理士を選ぶポイント
税理士に不満や要望を伝えても、改善が見込めない場合は、企業の今後の成長のためにも、早期に新しい税理士への変更を検討した方が良いです。
しかし、新しい税理士を選ぶときのポイントを押さえておかないと、良し悪しがわからず、税理士探しに途方もない時間や労力を費やすことになるかもしれません。また、せっかく探した税理士が何もしてくれない恐れもあります。
ここからは、新しい税理士を選ぶときのポイントについて紹介します。
税務申告以外のサービス内容を確認する
税理士が持つ分野への知見や得意・不得意によって、提供しているサービスに差があるのは事実です。税理士が行う税務申告以外のサービスには、主に次の内容が挙げられます。
・効果的な節税対策の提案
・記帳代行や財務諸表作成などの会計業務
・経営や資金繰りに対するコンサルティング業務
・補助金や融資に対するサポート業務
・相続や事業承継に関する業務
自社が抱える課題や今の税理士では対応できない業務をもとに、新しい税理士に依頼したい業務や必要なサービス内容を確認しましょう。
確認が不足すると「依頼したのに思った成果が得られない」などの不満が募り、税理士の変更が振り出しになる可能性も否めません。時間や費用を無駄にしないためにも、税理士への確認は大切です。
面談で相性を確認する
メールや電話のやり取りだけで税理士を決めることは避けましょう。前述しましたが、税理士との関係構築には、コミュニケーションなど相性の部分が関わってきます。
「意見が合わない」「価値観が異なる」など、根本的な考えが異なる場合、業務を行う中で上手くコミュニケーションが取れない可能性があります。税理士は、企業の良きビジネスパートナーになり得る存在です。税理士の人柄などを含め、面談で相性を確認しましょう。
面談では、やり取りが軽快で苦痛を感じないか、相談に対しての回答が早いかなどを確認すると、相性の良し悪しが判断しやすいです。
将来の展望や抱えている課題を税理士に伝える
税理士との事前の相談では、自社が持つ将来の展望や抱えている課題を伝えましょう。いい税理士の場合は、過去の成功事例をもとに適切な提案を行ってくれるでしょう。
具体的な提案やアドバイスをもらえることで、今後の経営方針に対して新たな気づきが見つかるかもしれません。また、アドバイスの内容によって、税理士が自社の事業に関心があるかどうかの確認もできます。
将来の展望や抱えている課題を税理士に伝えることで、いい税理士かどうかが判断しやすくなります。いい税理士を見極めるポイントは他にもあるため、税理士変更を検討している方は以下の記事もご覧ください。
関連記事:いい税理士はすぐわかる?面談やホームページで見極めるポイントを解説
税理士の不満はお気軽に相談を!
税理士への不満は、企業側の努力で解消できることもあります。しかし、税理士との相性や契約内容、スキル不足が原因の場合、企業の努力で解消させるのは困難と言えます。
今の税理士と契約し続けることはコスト面などのデメリットがあるため、改善の余地が見られないなら早めに税理士を変えた方が良いでしょう。
当事務所では、決算や経営コンサルティングなどの業務を行っており、融資や資金繰り、クラウド会計の業務も得意としています。
当事務所は税務・経営・リソース不足など企業様が抱えるあらゆる悩みに対して、成果をあげてきました。無料相談も行ってますので、税理士にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。