製造業の脱アナログ化とクラウド会計
みなさん、こんにちは!
近年、クラウド会計を活用する法人・個人事業主が増えています。
今回は業種を製造業に限定して、クラウド会計導入のポイントを解説したいと思います。
製造業でクラウド会計の導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
製造業会計の特徴
一般的に企業の決算書を構成する帳票は貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書ですが、製造業には損益計算書を補足する資料として【製造原価報告書】というものが存在します。
これは商品・製品の生産に直接かかわる費用(製造原価)をあらわすもので、主に材料費・労務費・製造経費の3項目に分かれています。
このように製造業では通常の会計処理に加えて原価管理をする必要性が高く、正確な原価管理は適切な価格設定の指標となり、また無駄な製造コストを把握することができます。
しかし【製造原価報告書】の作成があることで、自社での会計処理は難しい、複雑だと思われる方も多いのではないかと思います。
製造業でクラウド会計を使うメリット
クラウド会計ソフトは様々ありますが、経理の知識や経験の少ない方・会計処理に自信のない方でも操作しやすいように分かりやすいつくりになっており、ヘルプ機能も十分に備わっているものが多くあります。
そのため製造原価の管理についても複雑さを感じず、安心して取り組むことができます。
ほかにもクラウド会計を導入するメリットとして
*預金口座やクレジットカードのデータを連携・自動仕訳できる
*どのパソコンからでも会計作業が可能
*データがサーバーにあるため、端末故障によるデータ消失のリスクがない
といったことが挙げられます。
さらに会計ソフトに入力した内容は、いつでも最新の状態で会計事務所と共有することができるので、経理の方は一人で悩まずに会計処理を進められますし、経営者の方はリアルタイムの会計帳簿をもとに経営相談を行うことが可能です。
製造業のアナログ化
クラウド会計の導入についてお伝えしてきましたが、現場作業においても経理業務においても、デジタル化があまり進んでいないのが製造業であると言っても過言ではありません。
その一つとして約束手形や小切手などの紙やりとりが依然多く存在する業界でもあります。
長年のやり方を変えることは資金やエネルギーを要しますが、脱アナログ化は全国的に進められており、2026年を目途に紙の手形・小切手の全面的な電子化が発表されています。
他にもAIの発達による業務効率化への対応が日本の課題となっており、デジタル庁の創設などデジタル化は国策として取り扱われています。
そういった、世の中の流れとあわせて会計業務のデジタル化は今後ますます進んでいくのではないかと思います。
製造業におすすめのクラウド会計ソフト
では実際にクラウド会計ソフトはどういったものがあるのか、製造業におすすめのソフトはどれかについてお話させて頂きます。
*マネーフォワード
マネーフォワードクラウド会計は会計業務を約1/2に軽減してくれる会計ソフトになります。銀行やクレジットカード、POSレジとも連携でき一度登録した仕訳内容をAIが学習して次からは自動で仕訳を作成してくれるので使っていくほど業務が効率化されていきます。有料プランを1か月無料で使うことができるので一度使ってみて使用感を確認しましょう。
マネーフォワード
*freee
freeeは経理の知識がない人でも、簡単に使用できる会計ソフトです。freeeもマネーフォワードクラウドと同様色々な連携に対応していますが連携できるものは少し異なりますので連携できるものは確認が必要です。マネーフォワードクラウドと同様無料期間があるので一度使ってみて使用感を確認しましょう。
freee
*勘定奉行クラウド
勘定奉行クラウドは製造業・建設業に特化した会計ソフトになります。
プロジェクト別の原価管理・利益管理ができ、豊富な原価管理帳票の出力などが可能です。基本的な連携機能などはマネーフォワードクラウド会計やfreeeと同じですが、製造業特有のワークフローにも対応しています。
勘定奉行クラウド
まとめ
以上、製造業でクラウド会計を導入する際のメリットやおすすめの会計ソフト等をお伝えさせて頂きました。
クラウド会計導入によって業務が大きく変わるのではないかという不安を持たれるかもしれませんが、仕訳のルールや納税額が変わるという訳ではありません。
またPC操作等に自信のなかった方でもスムーズに運用できている事例が多くありますので、私たちはそういった不安を一緒に共有しながら、業務の効率化に貢献できたらと考えております。
近年クラウド会計導入を検討する企業は増えており、個人事業主を対象とした調査では、クラウド会計ソフトの使用率は3割を超えたと報告されています。
これまでクラウド会計に興味はあるけど踏み出せなかった方は、【デジタル化の第一歩】としてクラウド会計導入を進めてみてはいかがでしょうか?
実際に導入を検討したいと思われた方は、ぜひ石黒健太税理士事務所までお問い合わせください。
クラウド会計ソフトについての相談から、導入、日々の会計処理、決算業務、税務調査までサポートさせていただきます。