知らないと損をする、クラウド会計導入とIT導入補助金!
目次
みなさん、こんにちは、代表の石黒です。
今日は1月19日に発表された令和4年のIT導入補助金の概要資料を基にクラウドシステム導入とIT導入補助金の上手な活用方法について解説していきたいと思います。
色々なブログで記載していますが、クラウド会計の活用において導入時の業務設計やシステムの設定は非常に重要な項目になっています。
今回解説するIT導入補助金はクラウド会計のシステム料だけでなく導入支援料にも使うことができるとても便利な補助金です。
ぜひ要件や対象経費を知っていただき活用してもらえたらと思います。
また、ここ2年間コロナ対策として色々な補助金が出てきましたが、ワクチンの普及や経済の回復の中で多くの補助金が縮小傾向となっています。
そんな中で唯一拡充されてきているのが今回のIT導入補助金です。
これは今後の日本の課題である中小企業のDX化を国として推し進めていきたいという狙いからくるもので、この流れは今後も続いていくものと予測しています。
なので、今回解説するクラウド会計等でのDX化とIT導入補助金は中小企業の経営者の方には押さえて頂きたいトレンドになっています。
ぜひ今回の記事を参考にIT導入補助金の活用を検討頂ければと思います。
【本日の内容】
1.令和4年のIT導入補助金の概要
・経済産業省の資料から見る今後のトレンド
・類型について
・補助上限と補助率について
・対象経費について
2.これまでのIT導入補助金との違い
・補助対象を特化して補助率の引き上げ
・クラウド利用料が2年分も対象に
・ハードウェアの取得にも使えるようになった
3.IT導入支援事業者とITツールについて
・IT導入補助金を受けるまでの流れ
・IT導入支援事業者の調べ方
・ITツールの調べ方
4.クラウド会計導入とIT導入補助金
・賢い経営者はこう使う
・クラウド会計と導入すべきツール
5.まとめ
令和4年のIT導入補助金の概要
まずは中小企業庁が公表した資料を基に令和4年のIT導入補助金の概要について見ていきたいと思います。
概要資料: https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/2021/hosei/IT.pdf
経済産業省の資料から見る今後のトレンド
今回発表された概要資料については7枚ほどのスライドで詳細は分からないのですが、大きな要件や今後の流れはここから読み取ることができます。
今回の概要資料からは国側の考えとして次のようなことが読み取れます。
- コロナ対策としての補助は一区切り
- 中小企業のDXの支援を強化
- バックオフィス業務のDXへの補助金活用を促進したい
冒頭にも記載したことですがコロナ対策として事業再構築補助金の創設やモノづくり補助金/小規模事業持続化補助金の拡充・拡大がこの2年間行われてきました。
それに対して今回の概要資料では、まず予算総額が減額されております。
これはこれまでの予算が多かったということもあるのですが、コロナの感染状況や世の中の状況を考えて補助は絞っていく段階に来たのだと思います。
補助の内容を見ていてもそこがくみ取れます。
具体的にはコロナ対策の補助金に対しては補助上限の引き下げや補助率の引き下げなどが行われています。
そこに対してDX化に対する補助は次のような拡充がされています。
- ものづくり補助金でのデジタル枠の創設
- 小規模事業持続化補助金のインボイス枠の創設
- IT導入補助金の各種拡充(詳細は後述します)
スライドの1ページのIT導入補助金の説明では「企業間取引のデジタル化を強力に推進します。」というような文言も入っており、国の力に入れ具合がわかるかと思います。
また、スライドの2ページにはIT導入補助金の拡充内容の記載があるのですが、その1つ目が
「会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに補助対象を特化し、補助率の引き上げ」という項目があります。
このあたりから国は中小企業のDX化、特にバックオフィス業務のDX化を促進していきたいのだということが読み取れます。
この流れは今後も続いていくことが予測されております。
ですので、自社の業務のDX化を検討されている方・課題に感じている方にとっては対応しやすい環境になってきたと言えます。
類型について
今回のIT導入補助金では次の2つの類型が用意されております。
①デジタル基盤導入類型
中小・小規模事業者に、インボイス制度も見据えたデジタル化を一挙に推進するため、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの導入費用に加え、PC・タブレット、レジ・券売機等の導入費用を支援する。
②複数社連携IT導入類型
複数の中小・小規模事業者が連携してITツール及びハードウェアを導入することにより、地域DXの実現や、生産性の向上を図る取組に対して、複数社へのITツールの導入を支援するとともに、効果的に連携するためのコーディネート費や取組への助言を行う外部専門家に係る謝金等を含めて支援する。
次のような取り組みイメージです。
弊社がお手伝いするのは①の1社での導入ですので今回のブログでは①について解説させて頂きます。
補助上限と補助率について
次の区分に応じてそれぞれの金額になります。
ITツールについては金額を2段階にわけており50万円までの部分は3/4の補助で50万円を超える部分は2/3となっています。
また、補助金で気をつけて頂きたいのは、補助金は事後での精算ですので一旦は全額を事業者側で支払う必要があります。
満額補助を受けるために多額の投資を行うと一時的にキャッシュが減りますので、資金繰りには十分ご注意ください。
対象経費について
補助対象となる経費は次のような経費になります。
★ITツール
パッケージ購入費、初期費用(クラウド型の場合等)、システム構築費、導入作業費、
月額、年額サービス利用料、システム保守費用
★ハードウェア
機器(本体・付属機器)購入費用、設置費
注目頂きたいのは導入作業費も対象になっている点です。
クラウド会計の活用では導入時にプロの支援を受けてちゃんとした業務設計とシステム設定をすることが重要になります。
その導入費用を賄うことができるというのはIT専門化を採用することが難しい中小企業にとっては、とてもメリットの高いことだと思います。
これまでのIT導入補助金との違い
IT導入補助金は平成28年から開始されており、これまでも色々なITツールについて活用することができました。
ただし、名称はかわらずとも、支援内容は毎年変わっていっており、それぞれの年の国の課題を反映した支援内容となっています。
この章ではこれまでとの違いを見ていきたいと思います。
補助対象を特化して補助率の引き上げ
具体的には今回のIT導入補助金は補助対象を会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトに特化して、補助率の引き上げを行っています。
通常は1/2の補助率なのですが上記のITツールについては前述した通り3/4・2/3という補助率が適用することになっており、バックオフィス業務のDXにはとても使いやすくなりました。
クラウド利用料が2年分も対象に
前回までのIT導入補助金ではクラウドの利用料については1年分を補助対象とするというのがルールとしてあったのですが、これが今回から最大2年に延長されました。
クラウドのシステムはサブスクリプション型で毎月の利用料という形での契約が多いのでこちらもクラウドを活用してDXを推進していく企業にとっては嬉しい改定内容になっています。
ハードウェアの取得にも使えるようになった
通常PCやタブレットなどの汎用性が高い(要は何にでも使える)ハードウェアは補助金対象外になるというのが我々専門家での常識でした。
しかし、今回のIT導入補助金ではPCやタブレットの購入も前述した通り補助の対象となっています。
これはインボイス制度(今回は説明を省略しますが別ブログで解説していますのでご確認ください)への対応等を考えるとアナログな体制の零細企業にもハードウェアをいれてもらってDX化していく必要があると考えているためです。
これまでの対象外としていたものを対象にしてでもDXを強力に推進していくのだという強い意志の表れだと思っています。
この3つがこれまでのIT導入補助金との違いです。
IT導入支援事業者とITツールについて
ここではIT導入補助金の使い方を見ていきたいと思います。
IT導入補助金を受けるまでの流れ
IT導入補助金を使うには次のような流れになります。
① IT導入支援者の選定
② 使用するITツールの選択
③ 「gBizIDプライム」アカウントの取得
④ 「SECURITY ACTION」の実施
⑤ 交付申請(IT導入支援事業者との共同作成・提出)
⑥ ITツールの発注・契約・支払い(補助事業の実施)
⑦ 事業実績報告
⑧ 補助金の交付手続き
⑨ 補助金の入金
ここで他の補助金と大きく違うのがIT導入補助金は先に補助金を使えるIT導入支援事業者とITツールが決まっているという点です。
ITツールを自社で購入して自社で申請をすれば補助金を受けられると思っておられる方がよくいるのですが、それは間違いです。
IT導入補助金を活用するには活用できる支援先事業者とツールをあらかじめ選定することが重要になります。
ですので、ここからその調べ方について見ていきたいと思います。
IT導入支援事業者・ITツールの調べ方
IT導入支援事業者とITツールの調べ方は大きく2つ
①自社が活用を検討しているITツールの販売事業者が支援事業者なのか確認する
⇒導入したいツールが決まっている方はこちらの方法になります。
IT導入補助金のサイトに支援事業者の検索ページがあるのでこちらで確認が可能です。
注意点としては導入したいツールが登録されているかも併せて確認することです。
支援事業者に登録されていても自社が使うツールが対象外だったというようなケースもありますので、詳しくは担当者に確認されることをおすすめします。
対象外のツールでも組み合わせ方によって補助を受けられることもありますので、担当の方に調整をお願いすることが確実です。
②IT導入補助金の特設サイトより支援事業者を検索
⇒①と同じ検索ページで次のような項目を絞った検索が可能です。
【IT導入支援者 情報】
【取り扱い業種】
【導入したい業務プロセス】
そうすると次のような支援事業者の一覧が表示されますので自社にあった支援事業者を選定することが可能です。
クラウド会計導入とIT導入補助金
前述した通りIT導入補助金でのクラウド会計等の導入は今後のトレンドになると思います。
弊社では既に多くの事業所のクラウド会計の導入を支援してきました。また、その中でIT導入補助金などの補助金の活用も支援してきています。
そういった経験の中でおすすめする使い方とクラウド会計と一緒に導入すべきツールについて最後にご紹介させて頂きたいと思います。
賢い経営者はこう使う
★補助金ありきではなく自社の理想形から逆算してツール等を選定
DXとは直訳するとデジタル転換ですが単なるデジタルツールの導入ではなく業務や組織・サービス内容までを変革して競争優位性を確保することが目的とされています。
この目的を達成するためにデジタルやデータを活用しようというのがDXの本来のあるべき姿です。
DXがうまく行っている会社は理想の全体像をまずイメージして必要なツールを選択していきます。
逆に失敗するのは補助金が使えるからと言って複雑なシステムやフルパッケージを導入してしまったようなパターンが多いです。
活用するということを念頭に極力シンプルで自社のITリテラシーにあったものを導入していきましょう。
★導入支援をちゃんと活用する
クラウドの活用・DXのキモは導入支援にあります。
導入の時点でちゃんと業務フローを作り上げること、初期設定をちゃんと行うことがその後の効率化に大きな影響を与えます。
自社で入れてみたものの、会計の知識やITリテラシーが少ないため、逆に業務が増えてしまったり・間違った使い方をしてしまったりといったケースが良くあります。
そうならないためには導入の時こそプロを活用することです。
IT導入補助金は導入作業費についても対象経費に含まれています。
もちろんシステム料だけにした方が経費負担は少なく済むのですが、うまく導入し経営を効率化できている経営者の方は、投資すべきところには投資するといった感覚を持っています。
クラウド会計と一緒に導入すべきツール
今、世の中にはさまざまなクラウドツールがあります。
このブログではメインとしてクラウド会計について書いてきましたが、それ以外にも使っていて便利だと思うクラウドツールいっぱいあります。
そのいくつかを紹介させて頂きます。
- 経費精算・・・クラウド会計にも連携して仕訳が可能。クラウドの給与と連携すれば給与と一緒に経費精算の振込をする仕組みを作れます。
- 給与計算・・・クラウド会計への連携で自動仕訳が可能になります。またクラウド勤怠管理と連携することで自動での給与計算の仕組みをつくれます。
- 労務管理・・・従業員情報等の労務に関するデータをクラウドで管理するシステムです。給与計算ソフトと連動することで、無駄なく情報管理が可能になります。
- チャットツール・・・チャットワークやLINEワークスなどのチャットツールはビジネス用に使用になっており、顧客や社内でのコミュニケーションが円滑に行えます
- Web会議システム・・・ZoomやteamsなどのWeb会議システム、コロナでだいぶ普及しました。画面共有などの機能を使うことで遠隔でもスムーズに会議することが可能です
- その他:名刺管理ツール・スケジュール管理ツール・営業管理ツール
以上になります。
こういったクラウドシステムは業者によっては組み合わせて導入することが可能です。
一緒に導入することで導入の手間も減りますし、補助金を最大限活用することができます。
まとめ
以上で本日の内容は終了になります。いかがだったでしょうか?
IT導入補助金をうまく使って負担を少なく、自社のDXを推進させていきましょう。
クラウドツールの導入・IT導入補助金の活用でお困りの方はぜひ弊社までご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!