資金調達

創業者がおさえるべき6つの補助金・助成金

目次

補助金・助成金は創業時に使える資金調達の一種です。しかも、融資とは異なり調達した資金は返済義務がありません。創業期にこの補助金・助成金を活用することは、会社経営に大きなメリットをもたらします。

そもそも補助金・助成金とは?

補助金・助成金とは国の政策により、新事業の創出や雇用の創出を目的として企業に交付されるお金のことをいいます。補助金と助成金は次のような違いがあります。

補助金 ⇒ 申請をしても、審査に通過しなければ受け取れない。

助成金 ⇒ 要件を満たしたものであれば、原則だれでも受け取れる。

具体的な制度は後述しますが、補助金は経済産業省が行っている景気対策のためのもので募集をおこなった後に審査・選考を行います。簡単にいえばコンテストのようなものです。これに対し、助成金は随時募集がされており、要件を満たした企業に対して随時交付を行っています。そして予算に達したら募集が打ち切られるという仕組みです。

創業期に活用できる補助金

①創業補助金:この補助金は、新たな需要や雇用の創出等を促し、経済を活性化させることを目的に、新たに創業する者に対して創業等に要する経費の一部を助成する制度です。具体的には創業時の人件費・家賃・店舗の内装・備品の購入等に使えます。

補助率:1/2

補助上限:200万円

②ものづくり補助金:この補助金は経営力向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための中小企業・小規模事業者の設備投資等の一部を助成する制度です。具体的には新しい商品の生産機械の購入や試作品の開発費用などに使えます。

補助率:2/3

補助上限:500万円~3,000万円(応募するコースより異なります)

③IT導入補助金:この補助金は中小企業・小規模事業者等がITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する経費の一部を補助することで、中小企業・小規模事業者等の生産性の向上を図ることを目的としています。具体的には業務改善のためのクラウドのソフトウェアやPOSレジなど様々なITツールの導入に使えます。どのようなITツールがあるのかという展示会も行われています。

補助率:2/3

補助上限:100万円

④小規模事業持続化補助金:この補助金は小規模事業者の事業の持続的発展を後押しするため、小規模事業者が商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を作成し、その計画に沿って取り組む販路開拓等の経費の一部を補助するものです。具体的にはPOP・ホームページなどの販促物の作成費用や広告費等に使えます。

補助率:2/3

補助上限:50万円・複数事業者は500万円

創業期に活用できる助成金

⑤生涯現役企業支援助成金:この助成金は中高年齢者( 40 歳以上)の方が、起業によって自らの就業機会の創出を図るとともに、 事業運営のために必要となる従業員(中高年齢者等)の雇入れを行う際に要した、 雇用創出措置(募集・採用や教育訓練の実施)にかかる費用の一部を助成するものです。

(起業者が高年齢者(60歳以上)の場合)

補助率:2/3 補助上限:200万円

(起業者が上記以外の者(40歳~59歳)の者の場合)

補助率:1/2 補助上限:150万円

⑥キャリアアップ助成金:この助成金は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者など「非正規雇用労働者」の企業内でのキャリアアップ等を促進するための助成金で現在は次のコースが設けられています。従業員の教育や正社員化、労働環境の改善の際に助成金を受け取ることができます。人を雇う事業をされる方は、確実に押さえておきたい助成金です。

  • 正社員化コース  (例)有期社員を正社員に転換 57万円
  • 人材育成コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 健康診断制度コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 諸手当制度共通化コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース

(おまけ.特定創業支援事業)

平成26年1月20日に施行された産業競争力強化法に基づき、特定創業支援事業という取り組みが行われています。その取り組みを利用された創業者に一定の要件のもと下記のメリットが与えられています。

①信用保証の特例について

無担保、第三者保証人なしの創業関連保証の枠が1,000万円から1,500万円に拡充し、事業開始の6か月前から支援を受けることが可能です。

②登録免許税の減免について

創業前の者が株式会社を設立する場合には、登録免許税の減免を受けることが可能です。 (資本金の0.7%→0.35%、最低税額15万円→7.5万円)

(活用の際の注意点)

①補助金の公募は突然開始される

補助金については前述のとおり募集期間があり期間中に応募があった案件を審査する形式となっています。この公募については事前の予告はほとんどなく、突然に開始されます。弊社では経済産業省の予算等を確認して予測を行い準備を進めています。ご自身で申請される際は気づいたら終わっていたという事が無いように、注意が必要です。

②公募要領を熟読する

補助金・助成金は要件を満たさなかった場合には、いくら頑張っても受給することはできません。要件を1つ間違えるだけで0になります。そのリスクを無くすためには公募要領を熟読し自社の状況を確認することが必要です。ただ、公募要領も専門用語等が使われており全てを理解することは難しいと思います。セミナーへの参加や専門家の活用が有効だと思います。0になるよりは手数料を支払う方が手間もリスクもなくなりますので有効です。

③補助金・助成金は多種多様

上記の補助金・助成金は国が行っている制度の一部です。上記以外にも国の制度・地方公共団体が独自に行っている制度がいろいろあります。創業時・雇用時・設備投資などの際は使える制度がないかを確認することをお勧めします。全ての制度を熟知することは難しいので、普段から詳しい専門家を味方につけておきましょう。

以上が、創業時に使える補助金・助成金でした。ぜひ、ご活用いただき経営にお役立てください。