創業計画書の作り方

セールスポイントを強調する「取扱商品・サービス」ー2

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セールスポイントを強調する「取扱商品・サービス」ー2

商品・サービスは一つでもいい

なかには、「どうしても三つ挙げることができない」という人もいると思います。
その場合は、一つでもかまいません。
「チャーハンの店」なら「中華料理屋」などと示さずに、チャーハン一筋で攻めてみるのです。
むしろ、一つに集中して味のセールスポイントを表現し、「しっかりと軌道に乗せます」と説得してみるのも一つの手です。
無理してまったく性質の異なるビジネスを異なるビジネスを三つも挙げると、
「売れない不安に対して“予防線”を張っているのかな」
と担当者に思われるかもしれません。
「まずは一つに絞ってしっかりとやってみて、あとは3年後、5年後の通常の融資の際に記入してください」
といわれてしまうような可能性もあります。
経営資源が不足する創業期において、多角的な事業メニューは事業全体の成功確率を引き下げる可能性もある、ということを理解しておくべきです。

的確な取扱商品・サービスが「セールスポイント」つながる

的確な取扱商品・サービスを示すことは、事業のセールスポイントを明確にすることにもつながります。
実は「取扱商品・サービス」欄の「セールスポイント」が創業計画書で担当者が最も注目する項目です。
ただし、誇張せず、実情に即したものでなければならず、かといって、自分の事業を積極的にアピールする必要がある・・・と考えてしまうと、記入する側にとっても、そのさじ加減が悩みどころです。

この「セールスポイント」欄でも、担当者は「本当に儲かる商品・サービスか、その儲けで返済できるのか」に関心を寄せて、注目します。
そうであれば、「このサービスはこれまでの業界常識の隙間を埋めるもの」など、それが明快になるような内容をセールスポイントとして記入します。
例えば中小企業のセキュリティ会社であれば「疑似的にアタックを行うことでセキュリティの課題を見極めて対処できる」という技術面で優位にあることを示すこともできます。

また「返済可能かどうか」を取扱商品・サービスで確認するということは、その妥当性が問われていると考えることができます。
その場限りの一発勝負、博打、水物ではない商品・サービスであることを表現する必要があるのです。
すると、どれくらいの顧客が固定客になるのか、その商品・サービスをどう発展・成長させていくことができるか、などについても端的に触れておくべきです。

なおこのセールスポイントの欄は、「経営者の略歴等」に設けられているのではありません。
すなわち、創業者自身のセールスポイント(優れたところ)などと勘違いして記入しないようにしましょう。
あくまでも「取扱商品・サービス」のセールスポイントです。

セールスポイントを書く時の留意点は以下の通りです。

創業計画書で融資担当者が注目する項目である

  • 取扱サービスの利点を的確に示す
  • 本当に儲かる商品・サービスか、その儲けで返済することをアピールする
  • 取扱商品・サービスに継続的、持続可能性があるか
  • 創業者自身のセールスポイント(優れたところ)などと勘違いしない