クラウド会計・税理士

バックオフィスDXで業務を効率化する方法とその成功事例!

目次

大量の領収書の経費処理や給与計算などの毎月発生する事務作業を少しでも楽にしたいと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

最近では本当に多くのITツールやシステムの広告をよく目にするようになりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、DXへの期待も高まってきているのが実状です。

しかしながら当事務所には、「DX化を検討しているが何から手を付ければいいのか分からない」、「ITシステムが多すぎて自社に合ったものがどれか分からない」「自分たちで新規ツールを導入してみたが、既存ツールとの相性が悪く、同じデータを何度も入力する羽目になってしまった」との相談も多く寄せられております。

今回の記事ではバックオフィスDXで事務作業を効率化する方法や導入ステップ、成功事例について詳しく解説します。

 

 

バックオフィスDXとは?

バックオフィスDXとは、経理や人事、総務など、「基本的に顧客と関わることがない職種や業務」をデジタルテクノロジーを駆使して業務効率化を最適化することを指します。

バックオフィス業務は会社経営を行う上でなくてはならない作業ですが、

・紙の資料の整理など業務負担が大きい

・業務が属人化しており、特定の担当者が頼り

・試算表を作成するのに精一杯で、経営判断まで追いつかない

といった課題により、ミスの発生や負担の増加が懸念されてます。

そこで今、バックオフィスDXが注目されています。

経理や人事、総務などのバックオフィス業務をデジタルテクノロジーを活用することで、作業効率の大幅な向上が期待できます。

実際にバックオフィス業務は定型業務が多く、業務効率化やコスト削減が実感しやすいです。

社内のDX化の入り口として、まずはバックオフィスDXから取り組んでみるのはいかがでしょうか?

 

まずは現状を把握!バックオフィスDX度診断

現在利用しているシステムや会社の経営状況から、何のシステムが適しているのか、どのようにDX化を進めていけばいいか、石黒健太税理士事務所の過去90件の導入実績から診断可能です。
また当事務所では、経理のDXだけでなく、給与や勤怠のDXなど幅広く対応しておりますので、併せて診断できます。

 

バックオフィスDXの導入ステップ

それでは次にバックオフィスDXの導入ステップについてみていきたいと思います。

業務の棚卸

まず第一に「売上」「会計」「経費精算」「勤怠/給与計算」「人事労務」に業務を分けることから始めます。4W1Hのように「誰が」「いつ」「どのシステムを使って」「なんの業務を行っているか」「その業務にかかる時間」など、業務を細分化して現状を分析することが大切です。

ツール選びと業務フロー再構築

 

業務を細分化し、現状が把握出来たらデジタル化の設計図・全体図を作成し、全体最適を目指します。ツール選びには以下のような項目を参考にしてください。

・実績があり安価

・クラウド型

・データ連携先が豊富

・サポート体制が充実している

計画と担当者の決定

 

1,2で業務の棚卸ができたら、実際にどのようにプロジェクトを進めていくか、具体的な計画に落とし込んでいきましょう。各プロジェクトに責任担当者を設置することがうまくいくコツの一つです。
・いつからどのようなスケジュールで始めていくか

・どの業務をどのように稼働させるか

・テスト期間はいつからいつまでか

・本稼働のタイミング

実行

計画が決まればいよいよ実践です。本稼働を想定したテスト期間でスムーズに行くか、エラーは出ないか細かく検証していきましょう。テスト期間を省いていきなりシステムを本稼働させたり、既存の仕組みを廃止することは辞めましょう。
またテスト期間中に社員への説明会を行いましょう。導入したシステムの説明会をベンダーのマニュアルや動画を有効活用し、社員だけでも対応できる仕組みを作りましょう。

効果検証

実際に運用してみて、想定通りの業務改善が実現できたか振り返りましょう。改善が見込めない場合は、再度その業務を洗い出し、改善に務めましょう。本稼働の後も定期的な効果検証や見直しもしましょう。
難しそうに聞こえるDX化ですが、このステップを踏めば、実際にやるべきことが見えてくるかもしれません。まずは業務の棚卸を行い、現状を分析することから始めましょう。

 

バックオフィス失敗事例5選とそのポイント

注目され、なお且つ取り組みたい事業者の方も多くいらっしゃるバックオフィスDXですが、実際にDXがうまくいくケースは少ないというのが実状です。

ではなぜデジタル化はうまくいかないのでしょうか?

失敗事例とそのポイントをご紹介します。

失敗事例1:目的が不明確なのに、いきなりデジタルツールを導入

世の中で「DXだ」「デジタルだ」と叫ばれていると「うちも何かデジタル化しなければ」「とりあえずなにか流行りのデジタルツールを導入しよう」ということをしてしまいがちです。DXとはサービスそのものを変えるような大きな変化です。計画的・戦略的に取り組みましょう。

この事例のポイント:

・ツールの導入が目的化されてしまい真のDXが行われない

・まずは現状分析、DXだけが成功への道ではない(DXしなくても儲かるならOK)

・DXの目的を明確に持つ

業務の効率化/業務の自動化/売上向上/コスト削減/経営のスピードアップ

顧客価値の向上/新しいビジネスモデルの創造/新しい価値の創造 など

失敗事例2:投資の効果についてのシミュレーションや検証不足

DXにおけるデジタルツールの導入は「投資」です。そのため、投資回収のシミュレーションが必要です。具体的にはどれぐらいのコストの削減や売上の向上の効果があり、投下した資金を何年で回収できるのかというシミュレーションが必要です。これをちゃんとしておかないと大きく損をする可能性があります。

また、投資後も導入して終わりではなく、その効果が期待通りになっているのかを検証する必要があります。

・投資の発想でツールを導入する(単に安く導入すればいいわけではない)

・効果検証のための重要指標(KPI)を設定しておく

経営指標:売上/粗利/粗利率/受注率/リピート率など

システム活用指標:導入率/ログイン率/入力率/活用件数など

失敗事例3:ITベンダーの言いなりになり最新かつ高機能のツール導入

ITベンダーとはシステムを販売している会社のことを指します。DXを推進するためにはこのITベンダーとの付き合いが必須です。ここで注意しないといけないのは、

・ITベンダーとユーザーの間には大きな情報格差があること

・ITベンダーも営利目的であること

を念頭にいれて対応することです。自社では使いきれないような高機能ツール、バグが発生しやすい最新ツールなどはトラブルの元です。

・自社に必要な必須条件を明確にしておく

・複数社のITベンダーを比較検討する

・自社の社員のITリテラシーを考慮して導入ツールを選択する

失敗事例4:社長1人がやる気になって、体制が整備できていない

DXは全社的な取り組みとして進めていく必要があります。全社で進めていくためには体制作りが必須です。

中小零細企業では、社長や担当の人が1人で頑張っており、全体に浸透しない。場合によっては他の社員の反対を受けるということがよくあります。そうならないように事前に全社員への目的の周知、責任や担当の明確化が必要です。

・次のような体制作り

責任者:社長 推進責任者:専任者を作る PTメンバー:各部署の担当

支援者:外部の専門家など

・定期的な会議などPDCAを回す機会の確保

・全社員を巻き込んだキックオフミーティング

失敗事例5:AIが何でもしてくれると考えている

将来的に発展していく可能性は秘めていますが、AI(人工知能)は万能ではありません。現状は一定の業務について特化したAIの活用が主流です。どういった業務でAIを活用するのか。活用するためにどのような業務フローが望ましいかを検討する必要があります。

・なんでもAIがやってくれるというのは間違い

・AIを活用できる仕組み作り・業務フローの構築が重要

・特化型AIの方が実績が上がっており、安価で導入も可能

この5つの失敗事例から自社の課題やリスクヘッジのポイントが見えてきたかもしれません。これらを踏まえて自社でバックオフィスDXを導入することはできますが、ツールの選定や体制づくりなど莫大な時間労力が発生し、また失敗のリスクも懸念されます。

あらかじめ専門家に相談したうえで行うのをおすすめしております。

 

バックオフィスDXの成功事例

弊社でサポートさせていただいた2社の成功事例を共有します。

A社(IT関連会社 / 従業員10名未満)

導入前はどのようにバックオフィス業務を行っていましたか?

売上請求書・勤怠管理・小口現金もExcelで管理を行っていました。
Excelに入力した後、会計システムにも同じデータを入力したりと二重作業が多く大変でした。
事務員も1名で回していたので、完全に作業が属人化してしまっていて、万が一コロナに感染したらすべての事務作業が止まるといった状況でした。

DX化を行ってどうなりましたか?

税理士事務所に相談し、マネーフォワードクラウド会計、請求書、経費清算、給与計算、KING OF TIME(勤怠管理)、SmartHRを導入しました。
小口現金も廃止し、事務作業はPCさえあればどこでも対応できる状況になりました。
「郵便ポストのチェックを行う」という作業まで、DXとして標準化し、いつでもだれでも事務作業ができる状況になり、本当に楽になりました。

B社(金属加工会社 / 従業員10名未満)

導入前はどのようにバックオフィス業務を行っていましたか?

社長が現場で、金属加工・営業・請求書作成などを1人で行っていました。
その他の事務作業は私(社長の奥様)が担当しておりました。
しかし社長は実務で忙しく、なかなか請求書が作成できず、うけとってもどれが最新のものか分からないので、試算表も確定せず、経営の数値の把握がいつも3ヶ月遅れていました。

DX化を行ってどうなりましたか?

システムを一式導入しました。
どの見積書が確定したのか確認するだけで、私が請求書を作成できるようになったので、売上管理がスムーズにできるようになりました。なにより情報の集約が楽になり、翌月上旬には試算表が完成するというスピード感を持った経営判断ができるようになりました。
経営数値を把握して、「今月はどうするか?」といった具体的な改善をイメージて行動できるようになったのが本当によかったです!

 

【DX】京都の企業によるクラウド会計の導入事例インタビューを読む

 

 

 

まとめ

バックオフィスDXは、社内のDX化を行う上で業務効率化やコスト削減が実感しやすい非常に取り組みやすいプロジェクトです。「働き方改革」や「コロナ禍で加速する新しい生活様式」が注目されている今、一度しっかり向き合って取り組んでみるのはいかがでしょうか?

「どのような準備が必要なのか話を聞きたい」「補助金を活用してバックオフィスDXはできないか」「自分だけで準備するのではなく、第三者の手を借りたい」という方はぜひ一度、90社以上の導入実績のある石黒健太税理士事務所にご相談ください。

当社はこれまで支援してきたノウハウを元に、ベンダーと連携を取りながら、御社に合った

分析や資料作成など多岐にわたってサポートいたします。

まずはお問い合わせいただき、お気軽にご相談ください。